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大切な方への贈りもの ~2月の誕生花・チューリップ~

2月になると立春をむかえ、日の長さも延びてくるなど、徐々に春が近づきます。春を告げる花であるチューリップは、お花屋さんなどでは早くも見かけることができます。

今回の花だよりでは、2月の誕生花、チューリップについてお伝えします。

■球根から育てるチューリップ

tulip2ちいさな子どもからお年寄りの方々まで、幅広い年代から人気のあるチューリップ。童謡としても歌われ、幼稚園や保育園、小学校で育てた思い出がある方も多いのではないでしょうか。

原産地はトルコであり、現在最も栽培が盛んなオランダをはじめとするヨーロッパへ渡ったのは16世紀の半ばといわれています。日本へは19世紀に持ち込まれました。

チューリップを育てるときには、他の多くの花とは異なり、球根から育てます。種から育てた場合、品種にもよりますが、花が咲くまで育つのに5年程度かかるためです。また、種から育てた場合には、親となったチューリップとは異なる花を咲かせます。

そのため、花を楽しむときには球根から、新しい品種を生み出すときには種から育てるのが一般的です。

■チューリップの咲き方

tulip1一口にチューリップといっても、色はもちろん、咲き方にも様々な種類があります。

チューリップ、と聞いて多くの方が思い浮かべる咲き方は一重咲きです。花びらがほとんど重なり合わず、スタンダードな形をしています。一方、花びらの数が多く幾重にも重なり合っている咲き方を八重咲きといい、ボタンやバラのようにも見える花はとてもゴージャスです。

ユリ咲きと王冠咲きは、花びらの形によって分類される咲き方です。ユリ咲きは花びらの先端が細くとがり、大きく外側に開きます。その名の通りユリの花にも似ています。王冠咲きは花びらが大きくウェーブしており、また反り返っていることで王冠のように見えます。

花びらのふちに飾りがある品種もあり、これらの品種はフリンジ咲きやパーロット咲きという名前で分類されます。フリンジ咲きはギザギザの切り込みが入っており、レースの編みこみのようにも見え人気があります。パーロット咲きの「パーロット」は英語でオウムのことをさし、花びらのふちにオウムの巻き毛のようなフリルがあることから呼ばれています。

■チューリップの花言葉

チューリップの一般的な花言葉は「思いやり」ですが、花の色が豊富なチューリップには、花の色別に花言葉があります。たとえば、赤いチューリップであれば「恋の告白」、ピンクのチューリップは「愛の芽生え」、白いチューリップは「新しい愛」、紫のチューリップは「不滅の愛」となっています。

そのどれもが恋愛に関係する花言葉ですが、ふんわりとした愛らしい見た目によって、いつの時代も数多くのロマンティックなシーンで活躍していたからなのかもしれません。

大切な方が2月に誕生日を迎えるなら、想いをつづったメッセージを添えて、チューリップのフラワーギフトを贈りませんか。

2016-01-22 | Posted in 今月の誕生花, No Comments » 

 

お花と季節の変わり目 ~節句~

季節の移り変わりと密接な関係があるお花。四季が変わると、見ごろを迎えるお花もまた変わります。

ひな祭りや子どもの日のことを別名で「節句」といいますが、この節句は季節の分かれ目をさしています。そして、節句にもお花は深いかかわりがあることをご存知でしょうか。

今回の花だよりでは、お花と節句についてお伝えします。

■季節の変わり目 節句

sekku節句とは季節の分かれ目のことをさし、「節供」とも書きます。中国発祥のものですが、日本にも古くから取り入れられ、江戸時代には法制化もされています。

節句は全部で5日あります。

・人日(七草の節句)
1月7日は古代の中国で、人の運勢を占い、また人を大切にする日とされていました。同時に、7種類の野草が入った温かい吸いものを食べ、無病息災を祈りました。

一方の日本では、年の初めに雪の間から伸びてきた若い芽を摘みとって食べる「若菜摘み」という風習がありました。人日が中国から渡ってくるとこの若菜摘みの風習が混ざり合い、1月7日に健康を願って七草粥を食べる風習に変わっていったとされています。

・上巳(桃の節句)
日本に伝わってきた当初は、3月の最初の巳の日に人形に1年の厄を移し、川に流すという風習でした。人形の製作技術が上がり、段々豪華になってくると、川に流すのではなく家に飾る「雛人形」へとかわります。雛人形やひなあられ、ひし餅は幸せな結婚や子孫繁栄を祈り、特に女の子の成長を願うものとして扱われました。

また、桃には邪気を払い不老長寿をもたらすと考えられていました。上巳のころにはちょうど桃の花が咲くため、厄払いの桃が飾られるようになったといわれています。

・端午(菖蒲の節句)
5月の頭ごろ、菖蒲という花が最盛期を迎えます。強い香りを持つ菖蒲はその香りから邪気を払う植物とされ、5月の最初の午の日には菖蒲湯に入り、菖蒲酒を飲んで英気を養う日となりました。菖蒲の香りには疲労回復の作用があり、春から夏に変わり田植えの季節でもある5月には、ありがたい植物だったのでしょう。

日本の政治が貴族中心から武家中心に移り変わると、菖蒲は「尚武」とかけられ、男の子の健やかな成長を祈る行事となります。これが現在の子どもの日に繋がります。

・七夕(笹の節句)
7月7日に星々に願いをかける風習は、織姫と彦星の話とともに中国から日本に渡ってきました。日本には古来から機織りの名人であった棚機津女(たなばたつめ)の伝説があり、その伝説が中国から渡ってきた七夕の風習と混ざり合い、当初は機織りの上達を願う日であったとされています。

時がたつにつれて機織りだけでなく習い事全般の上達を願い、また笹や竹に短冊をつりさげるようになります。現代の七夕飾りのような形になったのは、江戸時代とされています。

・重陽(菊の節句)
古来の中国では、奇数は陽の数=縁起のいい数とされていました。奇数の中でも最大の9が重なる9月9日は非常におめでたい日とされました。9月9日には丘に登り、秋の野山を眺めながら菊の花を浮かべたお酒を飲んだといわれています。

日本には天武天皇のころに菊花の宴が伝わります。平安時代になると9月8日に菊に綿をかぶせておき、翌日の9日に菊の露で濡れた綿で肌をこすり若さを保つという「菊綿」という風習が、主に女官たちのあいだでもてはやされました。

■邪気を払うお花

節句の別名にお花の名前が使われていることから分かるように、節句にはお花が密接に絡んでいます。古来からお花には邪気を払う神聖な力があると考えられていたのと同時に、いち早く新たな季節の訪れを告げてくれるのがお花であったからでしょう。

節句の風習ははるかな昔から受け継がれてきた風習ですが、そこにはお花という身近な存在が深く関係しているおかげであるのかもしれませんね。

次の節句は、桃の節句であるひな祭り。ひな人形と一緒に、邪気を払う桃を飾って、女の子の健やかな成長を祈る一日です。

春の訪れには桃をつかった柔らかな色合いのフラワーギフトで、彩り豊かにお祝いしませんか。

2016-01-15 | Posted in , 花と文化No Comments » 

 

花言葉と文化

どんな花にも必ず花言葉があります。好きな花の花言葉が知りたくなるのはもちろん、贈りものとして花を贈るときにも花言葉を気にする方は多いのではないでしょうか。

今回の花だよりでは、花言葉についてお伝えします。

■花言葉の決まり方

flowers2身近な花から道端に咲く花、野菜や果物にまでつけられている花言葉。あまり馴染みのない花にまでつけられていますが、この花言葉は誰がつけているのでしょうか。

花に特別な意味をこめて贈る、という花言葉の先駆けとなった習慣は、17世紀ごろのオスマン帝国(現在のトルコ)が発祥だといわれています。この習慣がヨーロッパで爆発的に広まり、さらに日本へ入ってきたのが19世紀ごろです。

ヨーロッパで花言葉が広まったときには、神話や昔話からつけられたもの、花のもつ特徴から連想されたもの、国や民族の中でその花に対するイメージからつけられたもの、など、様々な理由から花言葉が決められました。そのため、当時から1つの花に複数の花言葉がついていたのは珍しくないようです。

日本に花言葉の概念が伝わって以降は、日本独自の花言葉も数多くつけられるようになりました。新しい品種の花がうみだされたときなどは、生産者や販売会社が決めたり、公募で決められたりします。

花言葉は世界各地での花のイメージに基づいているため、花言葉を知ればその国の文化や逸話などを知ることができるかもしれませんね。

■人気な花の花言葉

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・バラ

「美」という花言葉をもつバラ。これは、海から美の女神ヴィーナスが生まれたときに、大地が負けじとバラを生みだした、というギリシャ神話のエピソードからつけられています。

・ガーベラ

可愛らしく、明るい色の花が多いガーベラ。「希望」「常に前進」という前向きな花言葉がつけられていますが、これは見ているだけで明るい気持ちになれるガーベラの花姿からつけられました。

・ユリ

「純潔」の花言葉は白ユリが聖母マリアの象徴であることから、「威厳」の花言葉は威風堂々としたユリの花からつけられたといわれています。

ヒマワリ

成長期には太陽を追いかけるように花を動かすヒマワリには「私はあなただけを見つめる」という花言葉がつけられました。太陽神アポロンに恋し、ヒマワリへと姿を変えてしまった水の精クリュティエの神話も元になっています。

■春の花の花言葉

・チューリップ

ある町に暮らしていた美しい少女に、3人の騎士が恋をします。1人は名声の象徴である王冠、1人は力の象徴である剣、1人は富の象徴である財宝を贈り求婚しました。

誰を選んでも、残った2人が悲しむであろうことを憂いた少女は、花の女神に頼んで自らをチューリップに変えてもらいます。そのとき、王冠は花に、剣は葉に、財宝は球根になったといわれています。

この話がもととなって、チューリップには「思いやり」という花言葉がつけられました。いつでも優しいあの人の誕生日やお祝いには、チューリップがぴったりですね。

・桜

日本の春を象徴する花、桜。もちろん桜にも花言葉があります。「すぐれた美人」「精神美」は、すべての桜で共通の花言葉としてつけられています。

「すぐれた美人」は、桜が古くから花の代表として親しまれていたためにつけられた花言葉だといえるでしょう。「精神美」もいかにも日本的な花言葉に思えますが、アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンが子どもの頃、父親が大切にしていた桜を誤って傷つけてしまい、そのことを正直に告白したという逸話からとられています。

外見、内面を問わず、美しい方への贈りものとして、桜のフラワーギフトを贈ってみては。

・ラナンキュラス

「とても魅力的」「優しい心遣い」などは、ギリシャ神話に登場する心優しい青年ラナンキュラスからとられました。

また、「名誉」「名声」という花言葉も特徴的。この花言葉は、フランス王ルイ9世が花好きの母親のために、遠征先の西アジアから持ち帰ったという話からつけられています。

魅力にあふれる心優しい方には、ラナンキュラスのフラワーギフトでお祝いしませんか。

2016-01-08 | Posted in , 花と文化No Comments » 

 

春をいろどる門出の花 ~1月誕生花 スイートピー~

まだまだ寒い日が続きますが、お正月のことを「新春」と呼ぶように、1月は春の足音が少しずつ近づく季節でもあります。新たな1年のはじまりに、期待で胸を膨らませる時期ですね。

1月の誕生花は春の訪れを告げる花のひとつ、スイートピーです。

■春の花、スイートピー

sweetpea「sweet pea(あまいマメ)」の名前が示す通り、マメの仲間であるスイートピー。多くのマメ科の植物と同じように、ほかの植物や支柱などに巻きひげを絡みつかせて成長します。大きくなる品種のものだと、その長さは3メートルになるものも。

今にも蝶が飛びたつような、あるいは妖精が踊っているような可愛らしい花の形から、春を代表する花のひとつとして多くの方に親しまれています。また、近年では品種改良により、夏や冬に花を咲かせる品種もあります。

原産地はイタリアのシチリア島といわれ、17世紀ごろに発見されました。イギリスを中心としたヨーロッパで品種改良がすすめられ、日本に渡来したのは19世紀ごろといわれています。

花からはほのかな甘い香りが漂うため、ヨーロッパでは寝室などによく飾られているそうです。

■庭で楽しむスイートピー

sweetpea2スイートピーはピンク色や紫色、白、赤、青、花びらの根元と先端で色が異なる複色など、非常に豊富な色がそろっています。ほかの花ともよく合うため、春になるとお花屋さんで見かけるだけでなく、庭いっぱいにスイートピーを咲かせているお宅も多いようです。

花を咲かせる時期には、次から次へと新しい花をつけるスイートピー。最初の花を皮きりに、長い間花を楽しむことができます。

しぼんだ花のあとにはエンドウマメに似た豆さやをつけますが、この豆さやを生み出すのはスイートピーにとって大仕事。非常にエネルギーを使い、花を楽しめる期間が短くなってしまうため、花を楽しむのであればしぼんだ花は摘み取るようにするといいですね。

スイートピーは基本的に一年草のため、花のシーズンが終わったあとは、次のシーズンに向けて新たに種をまく必要があります。春咲きのものであれば、10月ごろが種まきの時期となります。

■1年のはじまりにはスイートピーを

スイートピーの花言葉は「門出」。蝶がはばたく瞬間をとらえたような花の形からつけられた花言葉だといいます。1年が始まる1月生まれの方には、ぴったりな花言葉だといえるでしょう。

豊富な色合いから、アレンジメント花束のどちらに用いても見栄えよく、また優しい色合いで春らしいフラワーギフトとして楽しめます。

新たな1年のはじまりに誕生日を迎える方には、「門出」の花言葉を持つスイートピーでお祝いしませんか。

2015-12-25 | Posted in 今月の誕生花, No Comments » 

 

正月に飾りたい縁起の良い花と、めでたい理由をぞれぞれ紹介

お正月には、飾ると縁起がいいとされている花や植物が数多くあります。12月の中旬頃からは、新しい一年が福で満ちるよう、お正月飾りの準備を始める方も多いのでは。

今回の花だよりでは、お正月とお花についてお伝えします。

■お正月と歳神様

landscape古来の日本では、亡くなった方はやがて神様になる、という考え方を持っていました。祖先の霊は田畑の神や山の神となり、実りをもたらし子孫を見守っていると考えたのです。

神様となった祖先の霊は、1年に1度、元旦に子孫のもとを訪ねてくるとされています。この子孫のもとへやってきた神様を「歳神様」といいます。

門松やしめ縄、鏡餅などの正月飾りは、この歳神様=祖先の霊をもてなすための意味があります。そのため、正月飾りをおろそかにしてしまい歳神様を怒らせると、田畑や山へ帰って行ったときに豊かな実りを約束してくれなくなる、とされています。

反対に、歳神様を丁重にもてなすことで、歳神様から福を分け与えてもらい、安泰な1年をすごすことができるといいます。

■めでたい植物、松竹梅

umeお正月にかぎらずめでたいものの象徴として飾られるのが松、竹、梅。正月飾りでも、門松やしめ縄、フラワーアレンジメントなどに用いられ、年賀状のイラストにも使われます。

ではなぜ、松、竹、梅がめでたい植物であるとされているのでしょうか。それには、以下のような理由があります。

・松

松は一年中葉を落とさない常緑樹です。雪の重みにも負けず、冬の寒い季節にも青々とした葉をつけている松は、「永遠の命」を連想させます。そのため、古くから松には神様が宿るとされ、神聖なものとして扱われていました。

・竹

竹は非常に成長が早い植物で、最も成長する時期には何と1日で1mも成長するといわれています。まっすぐに成長し、嵐や大雨にも負けない竹の生命力に、古代の人々は畏敬の念を抱いていました。また、竹の葉には抗菌作用があり、魔を払う清らかなものともされています。

・梅

古くは春の花、といえば梅のことをさしていました。旧暦のお正月は現在の1月下旬~2月中旬ごろにあたりますが、ちょうどその時期に梅は咲き始めます。他の花に先駆け、白と赤のおめでたい色の花を咲かせる梅は、新春を象徴する清らかな花であると考えられたのです。

このほかにも、金運に繋がるとされる縁起物の「千両」、飾ると福がくるとされ、もっとも高貴な花だといわれる「菊」などがお正月には飾られます。

■お正月のフラワーギフト

お正月飾りは、12/28までに飾るのが好ましいとされます。特に、12/31に飾ることは「一夜飾り」といって不吉とされ、12/29は「二重の苦」に繋がるとされるため、この2日は避けましょう。

松や千両、菊などの縁起の良い花をつかった華やかなフラワーギフトは、歳神様のお出迎えに最適です。

歳神様がやってくる玄関や、皆が集まり談笑する居間、生活に密着した空間である床の間などに飾ると、より多くの福を歳神様から分けてもらえるかもしれませんね。

福を呼ぶフラワーギフトを飾り、新しい1年を彩り豊かにむかえませんか。

2015-12-18 | Posted in , 花と文化, 花飾りアドバイスNo Comments » 

 

クリスマスカラーのポインセチアの花言葉と、育て方を簡単に紹介

クリスマスに欠かせない飾りには、クリスマスツリー、クリスマスリースと並んで、ポインセチアがあります。クリスマスカラーの色合いは、まさにクリスマスのためのお花と言えますね。

今回の花だよりでは、クリスマスについてお伝えします。

■葉の色を楽しむポインセチア

poinsettia赤と緑の色合いから、クリスマスの彩りに人気のポインセチア。原産地はメキシコを中心とする中央アメリカといわれています。日本では可愛らしい鉢植えとして流通していますが、原産地では3メートルを超える高さにまで育つそうです。

真っ赤な部分は花のようですが、これは色づいた葉。本当の花は赤くなった葉の中心にある丸いつぶつぶで、花びらを持ちません。

葉の色は赤色が最もポピュラーですが、白色のものや、クリーム色、ワインのような紫色になるものもあり、桃色になるプリンセチアも人気です。また、斑入りのものや、2色のよせ植えなども、目にする機会が増えました。

鉢物として楽しまれることがほとんどですが、緑と赤のコントラストから、クリスマス用のリースやアレンジメントにも使われます。

■ポインセチアの育て方

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クリスマスの時期に出回ることから冬のイメージが強い植物ですが、熱帯産の植物であるため、実は耐寒性はあまり高くありません。そのため、ポインセチアを育てる場合は、冬を越えられるかどうかがポイントになります。

霜がおりるところに置いてあると枯れてしまうため、室内で楽しんだほうがいいでしょう。また、できるだけ日当たりがよく暖かい場所に置いてあげるといいですが、暖房の風が直接当たる場所は避けましょう。

冬の間は成長が鈍るため、水は控えめで大丈夫です。春から秋にかけては、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげるようにします。

ポインセチアの葉を色づかせるためには、短日処理という作業が必要になります。

まず、9月中旬ころからは鉢を室内に入れましょう。夕方5時~朝の7時までは段ボールで光をさえぎり、朝7時から夕方5時までは日光によく当てるようにします。

この作業はポインセチアの葉が色づくのは花の季節である冬ですが、日中の光をさえぎり夜の時間を長くすることで、ポインセチアが「今は冬だ」と判断して、花をつけ葉を色づかせます。

毎日欠かさずおこなうことはなかなか大変ですが、その分非常に綺麗に色づき、鮮やか色合いを楽しむことができます。

■クリスマスにはポインセチアを

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ポインセチアの花言葉は色によって変わり、特に定番の赤色は「祝福」「聖なる願い」「聖夜」など、クリスマスの贈りものにぴったりな花言葉を持っています。

ほかの色は、というと、白のポインセチアは「あなたの祝福を祈る」、ピンクのポインセチア(プリンセチア)は「思いやり」といった、プレゼントにふさわしい花言葉です。

クリスマスの飾りとして使われることが多いポインセチアですが、可愛らしい見た目と上記の花言葉から、贈りものにしても喜ばれるでしょう。

お花を育てることが好きな方には、クリスマスプレゼントにポインセチアを贈ってみませんか。

2015-12-11 | Posted in お手入れの基本, , 花と文化Comments Closed 

 

クリスマスをもっと楽しむ豆知識 ~ツリーとリース~

年末の大きなイベントといえばクリスマス。12月になると、あちこちでクリスマスツリーやイルミネーションを楽しむことができますね。

今回の花だよりでは、クリスマスの主役、クリスマスツリーとクリスマスリースについてお伝えします。

■クリスマスを彩るクリスマスツリー

christmastree2クリスマスの飾りといえば、なんといってもクリスマスツリー。オーナメントやイルミネーションがカラフルに輝くツリーを見ていると、心が弾んできますね。

クリスマスツリーには主にモミの木が使われますが、この起源は中世のヨーロッパという説があります。

このころ中世ではクリスマスの夜に聖書の内容を模した劇が行われていました。その中の一節に、最初の人間であるアダムとイヴが「食べてはならない」とされた知恵の実を食べ、楽園を追い出されるシーンがあります。

小道具として、知恵の実にはリンゴが用いられましたが、リンゴの木は冬になると葉を落としてしまいます。そこで、冬になっても葉を落とさないモミの木にリンゴの実をつるして、知恵の木に見立てました。この知恵の木がやがて単体で飾られるようになり、クリスマスツリーになったといわれています。

現代のクリスマスツリーの飾りにも赤や金、銀のボールを飾りますが、これはリンゴの実が転じたものです。

■クリスマスリースの意味

christmaswreath同じくクリスマスを彩るものに、クリスマスリースがあります。壁や玄関にかけておくものがなじみ深いですが、近年ではテーブルの上に飾るタイプも人気ですね。

クリスマスリースには主にふたつの意味があるとされています。

ひとつ目の意味は、リースの形は終わりも始まりもない円形であることから「永遠の命」「永遠に続く神の愛」を示しているとするもの。

ふたつ目に、冬にも葉を落とさない強い生命力の象徴であるモミの木のリースを玄関につるしておくことで、魔を払い来年の豊作を招く、とするものです。

日本ではクリスマスが終わるとすぐに片づけてしまうリースですが、海外では新年用の飾りとしても使われるため、年を越しても飾ってある家庭が多いです。感覚としては、日本のしめ縄が近いかもしれませんね。

■クリスマスパーティにはケーキのセットを

日本ではクリスマスといえば恋人と過ごす日、というイメージが強いですが、近年ではご家族やご友人と一緒に、ホームパーティを楽しむという方が増えているそうです。

クリスマスツリーやリースと一緒にお花で飾りつけた部屋で、皆でクリスマスケーキを食べれば誰もが笑顔になれますね。定番のチョコレートケーキはもちろん、人気の高いチーズケーキもおすすめです。

ケーキとセットのフラワーギフトは、赤い花と緑の葉のクリスマスカラーが更に気分を盛り上げます。

クリスマスにはツリー・リースと一緒に、お花とケーキのセットでパーティを楽しみませんか。

2015-12-04 | Posted in , 花と文化No Comments » 

 

世代を超えて愛される花 ~12月の誕生花 赤バラ~

一年も残りひと月ほどとなりました。年末年始が近づくこの時期には、イルミネーションやイベントなどで、どこか心が弾んできます。

12月の誕生花は、街中の輝きにも負けない鮮やかな美しさと存在感を持つ花の女王、赤バラです。

■バラと慣用句

redroseプレゼント用のお花としてもっとも人気の花がバラ。特に、真っ赤なバラは女性を中心に強い人気を誇ります。

英語でバラを意味する「rose」という単語は、ケルト語で赤を意味する言葉が語源になったという説もあり、古来からバラといえば赤、というイメージは広く浸透していたようです。

古くは紀元前から栽培されているバラは、慣用句としても多く使われています。たとえば「under the rose」(バラの下)という言葉は「秘密に」という意味。これは、古代ローマでは天井からバラの花をつりさげた部屋で交わした会話は秘密とする、という慣習から生まれた言葉です。

「a blue rose」は長い間生み出すことは不可能だ、とされていた青バラのことですが、そこから転じて「不可能なこと」「出来ない相談」をさす言葉としても使われます。

「a bed of rose」(バラのベッド)は「安楽な境遇」というやや否定的なニュアンスで使われる言葉ですが、日本で「バラ色の人生」といえば、美しい輝きと彩りに満ちたポジティブな意味で用いられますね。

地域や年代によって様々な意味で用いられるバラ。古くから愛され、強く人間の文化に結びついていることがわかります。

■バラの野生種 ワイルドローズ

redrose2通常、お花屋さんや庭園で見ることができるバラは、その多くが品種改良によって生み出された園芸種です。バラの野生種は一般的にワイルドローズと呼ばれ、野生種らしく凛とした力強い美しさから愛好家も多いです。

このワイルドローズ、北半球に150~200種類ほどがありますが、園芸種の親となったのはなんと8~9種しかありません。意外なことに、その原種の多くはアジアが原産地となっています。

バラの園芸種の多くは寒さの厳しい冬を除き、一年中花を咲かせる四季咲き性という性質を持っていますが、この四季咲き性は中国原産のコウシンバラから取り入れられた性質です。また、品種改良の中心であったヨーロッパには黄バラはありませんでしたが、西アジアに自生していた黄バラ「ロサ・フェティダ」が親となり、1900年ごろに園芸種の黄バラは生み出されました。

日本に自生しているバラの中でも、特にノイバラは房状に花をつける房咲き性という性質を園芸種のバラに与えた原種として有名です。また、ノイバラは病気に強いため、接ぎ木のときの台木としても使われます。

■12月生まれの方に赤バラを

赤バラの花言葉は「愛情」「美」「熱烈な恋」。大切な方へ贈るにはぴったりの花言葉ですね。特に女性へのプレゼントとして贈れば、特別感のある贈りものとして強く印象に残ることでしょう。

赤バラの緑の葉と真っ赤な花は、クリスマスカラーとして楽しむことができます。季節感を演出するギフトとしても、12月うまれの方へ贈るにはぴったりですね。

12月に誕生日を迎える方には、赤バラをつかったフラワーギフトで「おめでとう」を伝えませんか。

2015-11-27 | Posted in 今月の誕生花, , 花と文化No Comments » 

 

お墓参りの花・お供えの花のルールと、お墓参りのマナーとは?

お墓参りのときにはお花を持っていくことがほとんどです。これは、お花を通じて命のはかなさや尊さを知るためといわれています。

今回の花だよりでは、お墓参りとお花についてお伝えします。

お供え用の花

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供花とは、キクやトルコキキョウ、カーネーションやリンドウなどを束ねた花束です。色は白や黄色、淡いピンクなどが多いですね。お墓の場合、基本的に供える場所が2か所あるため、2束用意するようにします。

一般的に、棘のある花や香りの強い花、毒のある花は用いないとされていますが、実は「この花をつかわなければいけない」という決まりはありません。また、色も淡い色でなければならないという決まりもないため、故人が生前好きだったお花などをお供えするといいでしょう。

迷ったときは、バラ・アザミ・ヒガンバナを避けた花束にするといいですね。お花屋さんで「お墓に供える花をください」といえば、地域のしきたりに合わせた花束をつくってくれるため、安心です。

■お墓参りのマナー

お墓参りのときには、あらかじめお供え用の花束を持っていくようにします。掃除用にゴミ袋や歯ブラシ、たわしなども一緒に持っていくといいでしょう。仏式のお墓にお参りするときはお線香も用意しますが、お寺で販売している場合もあります。

お墓についたら、まずは手を合わせ礼拝をします。そのあと、歯ブラシやたわしなどでお墓を綺麗に掃除しましょう。

隅々まで綺麗にしたら、花束やお線香をお供えします。そして、最後にもう一度手を合わせ、ご先祖様への供養の気持ちをこめて礼拝します。

お盆お彼岸、命日などには、お花を持ってお墓参りにいきませんか。

 

 

 

2015-11-20 | Posted in お供えの時のマナー, , 花と文化Comments Closed 

 

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