お正月
正月やお年玉の由来と花を飾る理由。元旦と元日の違いも紹介
1月1日はお正月。
子供の頃からおせちを食べたり、正月ならではの花を飾ったりして、毎年お正月を過ごしていますが、由来や意味・理由を考えたことは少ないのではないでしょうか。
今回は、正月について改めて紹介しようと思います。
正月の由来
毎年新しい年を祝うお正月ですが、実はあまり由来や、どんな行事なのかなど知らないことも多いのでは。
そこで、子供に「お正月って何?」と聞かれた時に答えられるような回答をまとめました。
お正月はどんな行事?正月の起源
もともとお正月は、ご祖先様に感謝しご先祖様の霊(魂)を祀るものだったと伝えられています。
現在は、家族で新しい年をお祝いするイメージが強いですがもともと正月は、健康や五穀豊穣などをもたらしてくれる年神様を家族でお迎えする行事とされていました。
お正月は、年神様をおもてなしする祭りといっても良いでしょう。
そんな、年の初めにお迎えをする年神様ですが、実はご先祖様ということをご存知でしょうか。
気になった方は、住職へのインタビューを合わせてご覧ください。
門松で(結果的に)私たちもご利益を得られる!? 年神さまの本来の姿は「ご先祖さま」!?知恩院の所属寺院に住職として従事している大津様にお聞きしました。 |
お正月の期間は?
昔は1月が「お正月」を表していました。
そのため、1月1日~1月31日=正月だったのです。
しかし現在は、以下の期間がお正月とされているようです。
1月1日から1月3日まで:三が日
1月1日から1月7日まで:松の内(松七日)
※松の内は地域によって1月15日まで
「明けましておめでとうございます」とあいさつをするのも、松の内までが多いようです。
お年玉の由来
子供の頃、お正月になると楽しみだったのがお年玉。
そんなお年玉ですが、実は昔はお金ではなかったのです。
昔はお金ではなく、お餅でした。
お年玉は、お正月に年神様のためにお供えしていた鏡餅に由来しています。
年神様にお供えしていた丸い鏡餅を、年神様が帰られるタイミングにお下がりとして、家族で分けて食べていました。
年神様からのお下がりは、生命のもとといわれ健康や豊作にあやかれるとされ、また1年を無事に過ごすことができるように祈って食べていました。
お年玉と呼ぶ由来は、お下がりである丸い鏡餅に年神様(歳神様)が魂を入れてくれることから「御歳魂」と呼ぶようになった説などがあります。
お年玉がどうしてお金になった?
鏡餅を家族で分ける「お年玉」は、鎌倉時代頃から始まったとされています。
当時の餅は貴重で、現在よりも価値の高い物だったようです。
お金に変わり始めたのは、昭和(高度経済成長の頃)といわれています。
給料をもらう人が増えたことや、年神様へ鏡餅をついてお供えする家庭が減ったことなどが影響しているのはないかといわれています。
ちなみに、鏡餅は家族全員に分けていましたが、お金に変わったタイミングで子供だけに渡すようになったと考えられています。
正月に花を飾る理由
お正月に花を飾る理由は、歳神様と挨拶に来てくれたお客様を華やかな花で歓迎するためと言われています。
花を飾ることで、おもてなしをしているのです。
きれいな花が飾られていれば嬉しい気持ちになりますよね。
ちなみに新しい年の初めに飾る花は、縁起の良い花を飾ることが多いです。
新しい年も良い年になるように、願いを込めて花を飾りましょう。
「正月に花束やフラワーアレンジメントは飾らない」という方も、門松やしめ飾りなどの正月飾りは飾ることがあるのではないでしょうか。
正月飾りにも、縁起の良い植物が使われていることが多いので、自宅に飾る際はぜひチェックしてみてください。
正月飾りはいつからいつまで?玄関に飾る時のルールとは|片付けるタイミングも掲載 正月飾りを飾ろうと考えている方はチェック! |
縁起が良い花の種類と、縁起が良いといわれる理由
縁起が良く、お正月によく飾られる代表的な植物は以下があります。
- 松
- マム(菊)
- 梅
- 南天
- 胡蝶蘭
- 葉ボタン
- ウメモドキ
松や菊、南天などは、お正月シーズンに飾られているところを見たことがある方も多いかと思います。
松などの常緑樹は、冬でも緑の葉を落とすことがないため、「不老長寿」の象徴とされています。
松は門松などにも使われているため、理由を知らなかったとしても「縁起がよさそう」と思う方も多いのでは。
また梅は、まだ寒く他に花が少ない早春から花を咲かせるため、「出世」や「開運」の象徴とされており、縁起が良いといわれています。
縁起が良くかわいらしい花を咲かせる梅は、着物の柄にもなっています。
梅の柄があしらわれた着物は、正月~立春頃に着ることがおすすめです。
松や梅の花以外も含め、どうして縁起が良いといわれているのか、もっと詳しく知りたい方は、合わせてこちらもご覧ください。
お正月の花~縁起の良い花と新年を迎えよう~ 松や菊などが縁起が良いといわれている理由は? |
ちなみに、正月によく見る赤い実についても、他の記事で紹介しています。
冬になると植物が減り寂しい雰囲気になりますが、赤い実があると鮮やかになるため、フラワーギフトや庭木として選ばれることが多いです。
また赤い実は、富や繁栄などを連想させ、縁起物といわれています。
千両と万両の違い・見分け方|正月の赤い実「南天・ヤブコウジ」も掲載 赤い実を付ける植物の見分け方とは? |
元旦と元日の違い
「元旦」と「元日」は似ていますよね。
漢字の見た目も似ていて、それぞれどんな意味があるのか分からなくなってしまうことも、あるのではないでしょうか。
それぞれの意味は、以下の通りです。
- 元旦:1月1日の午前中のこと
- 元日:1月1日の丸一日のこと
同じ1月1日のことを指していますが時間帯が異なり、元旦の方が、より期間が区切られています。
元旦の漢字
似ていて分かりにくいという方は、漢字が表していることに注目すると覚えやすいかもしれません。
元旦の「旦」という字は、水平線から朝日が昇る様子を表しているといわれています。
「日」が太陽を、「一」が地平線を表現しています。
漢字が表現していることがわかると、初日の出が昇ってから午前中までの間を表しているのが「元旦」だと分かりやすくなりそうです。
年賀状にはどっちで書く?
1月1日に届く年賀状は、「元旦」と「元日」どちらも使用できます。
基本的に1月1日に届く年賀状は、午前中に届くため「元旦」が使われることが多いようです。
どちらも意味的に1月1日に届く年賀状限定で使えるため、「元旦」や「元日」と書いた年賀状は、投函が遅れないように気を付けましょう。
ちなみに1月2日以降に届く場合は、元旦と元日もどちらも使わずに、「正月」や「初春」と表現することが多いようです。
世界の明けましておめでとう
おまけとして、世界の「明けましておめでとうございます」また「明けましておめでとうございます」と同じ意味で使われている言葉をご紹介します。
子供と一緒にお正月に挨拶をするときや、お年玉を渡すときに言ってみるのも面白そうです。
日本 | 明けましておめでとうございます |
アメリカ | I wish you a Happy New Year.(アイ ウィッシュ ユー ア ハッピーニューイヤー) 訳:新年おめでとうございます |
韓国 | 새해 복 많이 받으세요(セヘ ボッ マニ パドゥセヨ) 訳:新年福をたくさん受けとってください |
中国 | 新年快乐(シン ニィェン クァィ ラ) 訳:新年おめでとうございます |
イタリア | Felice Anno Nuovo(フェリーチェ アンノ ヌォーヴォ) 訳:幸せな新年をお迎えください※年が明けてからでも使えます |
ロシア | Поздравляю с Новым годом(パズドゥラヴリャーユ ス ノーヴィム ゴーダム) 訳:明けましておめでとうございます |
新年は縁起のよい花とスタートを
今回は、お正月について改めてご紹介しました。
新しい年には、華やかな花を飾って気持ちを新たに晴れやかな気持ちになれるといいですね。
お正月に手土産として、贈り物として、自宅用として縁起の良い花ギフトを探しているという方は、花キューピットのサイトをご覧ください。
お正月にぴったりなデザインの花束や、フラワーアレンジメントをご用意しております。
千両と万両の違い・見分け方|正月の赤い実「南天・ヤブコウジ」も掲載
お正月によく見かける赤い実である、千両と万両の違いについて掲載しています。
加えて千両と万両に似ている、十両(別名:ヤブコウジ)や南天についても紹介。
「あれ……?この赤い実の名前は?」と思ったら、チェックしてみてください。
千両(センリョウ)の基本情報
まずは、千両の基本情報からご紹介します。
- 学名:Sarcandra glabra
- 科・属:センリョウ科・センリョウ属
- 樹高:70センチ~1メートル
- 実が付く時期:11月~1月ごろ
- 花言葉:利益・裕福
- 葉の特徴:周りがギザギザしている
お正月でよく見る赤い実と紹介しましたが、千両は黄色の実も流通しています。
庭に植えたり、鉢植えで流通していたり、お正月の花束やフラワーアレンジメントに使われています。
万両(マンリョウ)の基本情報
続いて万両の基本情報もご紹介します。
- 学名:Ardisia crenata
- 科・属:サクラソウ科・ヤブコウジ属
- 樹高:1メートル以上
- 実が付く時期:11月~3月
- 花言葉:寿ぎ(ことほぎ)・陰徳
- 葉の特徴:葉の周りが波打っているように見える
実が下向きに付くことも特徴の1つである、万両。
花束やフラワーアレンジメントに使われる切り花としてはほとんど流通していないですが、鉢植えなどで販売されています。
ちなみに、実の色は赤以外に白もあります。
千両と万両の違い
千両と万両のそれぞれの特徴を踏まえて、違いをまとめました。
上の写真は手前の赤い実が万両で、奥の黄色の実が千両です。
分類 |
赤い実を付けることは同じですが、そもそも分類的に違う植物です。 |
---|---|
樹高 |
千両の方が樹の高さが低いことが多いです。千両は比較的にコンパクトなので、狭い庭にも植えることができます。 |
実の位置 |
実のなる位置は、見た目で1番比較しやすいポイントかもしれません。万両は葉と実の位置に差があるので赤と緑のコントラストがきれいです |
実の大きさ |
1つの実の大きさを比べると違いが分かりやすいと思います。 |
葉の特徴 |
千両の方が葉がギザギザしているイメージです。実の見分けがつかない時は、葉を比較するのもよさそうです。 |
実が赤くなる時期 |
千両の方が赤くなる時期が早いです。千両か万両を見つけたタイミングで、見分けることもできそう。 |
流通方法 |
お正月の花束で見る赤い実は、基本的に千両が多いです。万両はほとんど切り花として出回っていないため、切り花で見つけたときは千両のことがほとんど。 |
実は、意外と違いのある千両と万両。
似ているイメージがありますが、ゆっくり観察したら見分けることができそうです。
下に、改めて千両と万両の写真を掲載します。
見比べてみてください。
▼千両
▼万両
他に似ている赤い実の植物
実は千両と万両以外にも、お正月に使われる赤い実は他にもあります。
千両と万両との違いが分かりにくい種類もあるので、合わせてチェックしてください。
十両(ジュウリョウ)・ヤブコウジ
まずはヤブコウジ、別名「十両」も赤い実を付けます。
ヤブコウジの基本情報から見ていきましょう。
- 学名:Ardisia japonica
- 科・属:サクラソウ科・ヤブコウジ属
- 樹高:10センチ~30センチ
- 実が付く時期:10月~2月
- 花言葉:明日への幸福
- 葉の特徴:周りに小さなギザギザがある
小盆栽などで見かける赤い実の植物は、十両とも呼ばれているヤブコウジがほとんどです。
花束やフラワーアレンジメントに使われることはほとんどなく、先にお伝えした小盆栽やコケ玉、寄せ植えなどでよく活用されています。
ヤブコウジは手のひらに乗るくらい、小さなコケ玉も販売されていることも。
お正月が近付くとお花屋さんでも販売していることがあるので、ぜひチェックしてみてください。
ヤブコウジの実の付き方は、万両と似ていてぶら下がるようについています。
ちなみにヤブコウジも万両と同じ、サクラソウ科・ヤブコウジ属です。
分類が同じだと似ている点が多いので、他に似ている植物を見つけたときは分類も調べてみるのも面白いかもしれません。
南天(ナンテン)
お正月によく見かける赤い実の1つに、南天もあります。
南天も基本情報からご紹介します。
- 学名:Nadina domestica
- 科・属:メギ科・ナンテン属
- 樹高:1メートル~3メートル
- 実が付く時期:11月~12月
- 花言葉:幸せ・私の愛は増すばかり・よき家庭
- 葉の特徴:鳥の羽のように小さな葉が並んでいる
千両と同じく、南天も花束やフラワーアレンジメントに使われる切り花としてよく流通しています。
「堂々とした木」というよりも、しなやかなイメージで南天は軽やかな雰囲気があります。
花束やフラワーアレンジメントに使われる以外には、生け花などでも活用することも。
千両と同じく、おめでたいときによく活躍する植物です。
実の付き方は、ブドウの房のようにたくさんの実を垂れ下がらせます。
フラワーギフトで使われるときは、実の付き方を適正に調節していることが多いですが、庭などで育てている南天や野生のものは数えきれないほど実が付いていることもあるのだそう。
小さな赤いが連なって、大きな赤い塊に見えることもあるようです。
南天(ナンテン)はその名前から「難を転ずる」と連想され、縁起が良い植物として有名です。
そのため千両や万両などと同じく、お正月の時期によく使われています。
「お花を飾らないから、あまり南天は見たことがないかも?」と思った方は、おせちを想像してみてください。
南天の葉は、おせちのあしらいとして料理の上に乗せたり敷いたりすることもあります。
南天の葉がおせちの中で使われているところや、南天の葉をモチーフにしたバランを見たことがある方も多いのでは。
実は南天の葉は抗菌・防腐作用もあるため、おせちで使われているのだそう。
おせちにあしらわれているのは、縁起の良さだけではなく、南天ならではの効果もあったのですね。
お正月に飾りたい赤い実はどれ?
今回はお正月に見ることが多い、赤い実を付ける植物についてご紹介しました。
自宅にお正月の花束やフラワーアレンジメントを飾るという方は、どの植物が使われているかチェックしてみてください。
ちなみに花キューピットでも南天などの赤い実を使った、花束やフラワーアレンジメントもご用意しています。
気になった方は、ぜひサイトをのぞいてみてください。
正月飾りはいつからいつまで?玄関に飾る時のルールとは|片付けるタイミングも掲載
お花屋さんやスーパー、ホームセンターなどで正月飾りを目にすることが多くなってきました。
素敵な新年を迎えるために、購入した方も多いかと思います。
正月飾りを購入した際に「あれ、正月飾りっていつから飾ればいいのかな?」と、疑問に思った方もいらっしゃるのでは。
今回は「正月飾りをいつから飾り、いつ片付けるのか」、そして「そもそも正月飾りとはどんな意味があるのか」について紹介しています。
正月飾りはいつから飾る?
正月飾りを飾るルールとしては、12月13日以降ならいつからでも正月飾りを飾って良いとされています。
12月13日は「正月事始め」や「松迎え」と言われています。
昔、この日にお正月に必要な門松にする松や、おせちを調理するための薪などの木を山へ取りに行く習慣があったのだそう。
そこから12月13日を「松迎え」と呼ぶようになったと言われています。
「正月事始め」・「松迎え」と言われるこの日から、ススを掃うなどの掃除をして、年神様を迎える準備を始めるとされています。
ただ正月飾りは、大掃除が終わり自宅がきれいになってから12月28日までに飾る方が多いようです。
他にもクリスマスの飾りを片付けた後、お正月の飾りをつけるという方もいらっしゃいます。
その場合は12月25日~12月27日に飾り付けるようです。
近年では、12月13日から正月飾りを飾ったりお正月の準備を始めたりする方は、少ないかもしれません。
玄関のドアに正月飾りを飾るのはいつから?
近年、よく見かけるようになった玄関のドアに飾るタイプの正月飾り。
ドアに正月飾りを飾る場合も、一般的には12月13日以降とされています。
しかし先にご紹介した通り、クリスマスリースなどが玄関のドアに飾られているという場合は、クリスマスの飾りを片付ける際に正月の飾りに換えるのが良さそうです。
玄関のドアに正月飾りを付ける位置・付け方
玄関のドアに正月飾りを飾るという方は、目立つ位置に正月飾りを飾るようにしましょう。
飾る位置は玄関のドアの真ん中であり、目線よりも少し高い位置が良いと言われています。
もともと正月飾りは、年神様への目印として飾るもの。
年神様を招き入れられるように、玄関の目立つところにつけるよう意識してみてください。
正月飾りは飾らない方が良い日がある!
「12月13日以降ならいつでもいいのね!」と、思った方は少し待ってください!
正月飾りには飾ってはいけない、タブーの日があります。
- 12月29日
- 12月31日
上記の日程は、正月飾りを飾ってはいけないと言われています。
12月29日は「二重苦(にじゅうく)」という語呂合わせになるため、縁起が悪いとされています。
そして12月31日は「一夜飾り」になり、正月までに1日しか飾らないため、年神様をお迎えするのに失礼になると考えられています。
時の流れは速く、うっかりすると正月飾りを飾り忘れてしまうということもあるかと思いますが、遅くとも12月28日には飾れるように意識してみてください。
ちなみに12月28日は「八」が「末広がり」の意味をもつとして、28日に正月飾りを飾るという方もいらっしゃるのだそうです。
そもそも正月飾りとは?意味は何?
ここからは、そもそもお正月飾りとはどんなものがあり、意味は何なのかということをご紹介したいと思います。
これから正月飾りを購入しようと思っている方は、ぜひチェックしてみてください。
しめ飾り
意味:しめ飾りを飾ることで結界の役割を果たし、しめ飾りの内側からは清らかな場所にしてくれる
もともと、しめ飾りはしめ縄が由来になっています。
そもそもしめ縄は、神様が降りた神聖な場所を示すものとされています。
しめ縄があるところには、結界ができ魔除けの効果があると考えられています。
そのため、しめ縄があると不浄なものや悪霊が入ることができないとされているのです。
しめ飾り(玉飾り)は、一般的に紙垂(かみしで)やウラジロ、橙(だいだい)など縁起物をしめ縄に飾り付けたもの。
由来となったしめ縄と同じように結界の役割を果たし、その内側を清らかな場所にできると考えられています。
しめ飾りがあることによって、年神様が安心してくることができる場所だということを示していると、いわれています。
他にもしめ飾りには台所などに飾る、玉飾りを簡略した「輪飾り」という種類もあります。
門松
意味:年神様がいらっしゃる目印になることに加え、家族やそこに住む人々の健康・長寿を願う象徴とされている
門松になぜ松が使われているのかというと、生命力の象徴でもある年神様が、冬でも青々とした松に依りつくと考えられているためです。
松は常緑針葉樹のため、1年を通して緑が絶えることがありません。
年神様をお迎えする時に門松(松)は目印となり、門松のある家々を訪れるといわれています。
ちなみに門松に使われている竹の切り口に、種類があることはご存知でしょうか。
竹の切り口が斜めになっているもの(そぎ)は、徳川家康が用いたものという説があります。
一方で、竹の切り口を水平にカットしたもの(寸胴)は「口が開いていない」=「金が逃げない」と、言われ縁起がいいと考えられています。
主に銀行などでは竹の切り口を水平にカットした門松が飾られていることが多いので、ぜひチェックしてみてください。
門松について、こちらでも紹介しています。
ぜひ合わせてご覧ください。
「門松」で幸福に!? 神様を「家」にお招きする日本文化とは【華道家インタビュー】 知恩院の僧侶でありながら、華道家としてもご活躍されている大津憲優さんに、「今こそ門松を飾るべき理由」についてお聞きしました。 |
鏡餅
意味:年神様の依り代であり、お正月の間は年神様の魂が宿る場所になる。豊作を祈願し新しい門出を祝うという意味もある
お迎えした年神様の居場所(依代)となる、鏡餅。
地域によって日程は異なりますが一般的に1月11日に鏡開きをして、正月飾りの鏡餅を食べる行事があります。
年神様が宿っていた鏡餅には、年神様の魂(気力)が宿っていると考えられています。
鏡開きでその鏡餅を食べることによって、年神様の力を授かり家族の無病息災を願うのです。
正月に最適な花を飾るのもおすすめ
ここからは、正月にぴったりな華やかな花の種類についてご紹介したいと思います。
正月飾りと一緒に花を飾るという方や、正月に実家に帰れないため花だけ贈りたいという方は、チェックしてみてください。
松
常緑針葉樹のため、松は雪が降る寒い冬でも緑を絶やすことがありません。
門松の項目でご紹介したように、一年中青々とした松は縁起が良く、正月にぴったりな植物です。
お花屋さんも12月に入る頃には、松を販売していることが多いので、ぜひお店を覗いてみてください。
松にも様々な種類がありますが、お花屋さんで最もよく目にするのはクロマツという種類です。
クロマツは、門松にも使われることがあります。
ユリ
豪華で堂々とした印象のユリは、正月にぴったり。
花束やフラワーアレンジメントでユリが一輪入るだけで、ぐっと高級な雰囲気になります。
新しい年の初めには、ユリはぴったりですね。
普段、花ギフトでメインになることが多いユリですが、お正月のフラワーアレンジメントの時は、松を引き立てる形で使われることも多いです。
メインになってもわき役になっても、ユリはお正月を華やかにしてくれます。
品種によって異なりますが、ユリは香りの良いものが多く、新年を良い花の香りでスタートしたいという方はおすすめです。
千両
花の少ない冬の時期に美しい赤い実をつける千両は、部屋に飾れば彩りをあたえてくれます。
千両はその名の通り、正月の縁起物として知られています。
千両を含めたくさんの実を付ける植物は、繁栄の象徴といわれることも。
他の花と合わせることも多いですが、千両だけを花瓶に生けるだけで正月らしさを演出できます。
赤い実とグリーンの葉が、良いコントラストになりそうです。
また、千両は花束やフラワーアレンジメントのボリュームを増すこともできます。
ちなみに「美しい赤い実をつける」と先にご紹介しましたが、黄色い実の千両も流通しています。
赤い実と黄色い実を、合わせて一緒に飾るのも良さそうですね。
ピンポンマム
花言葉が「高貴・生命力」の菊(マム)。
菊は高貴の象徴とされ、幸福と繁栄を呼ぶ花と考えられています。
「菊を飾ると福が来る」といわれるほど、縁起の良い花なのでお正月に飾るのは最適です。
ちなみに伝統的で和風というイメージがあるマム(菊)ですが、丸い花姿がかわいらしいピンポンマムは、洋風でも和風でも飾ることができます。
他に合わせる花のイメージや、花束やフラワーアレンジメントの雰囲気によって菊の種類や色を変えると、お気に入りのデザインを作ることができそうです。
菊は花持ちが良いので、長く楽しめるのも魅力のひとつです。
オンシジューム(オンシジウム)
高級感があり華やかな花をたくさん楽しむことができる、オンシジューム。
オンシジュームを花束やフラワーアレンジメントに使うことで、全体のボリューム感が出るとともに、明るい雰囲気になるためお正月のデザインによく使われています。
メインで使われることは少ないですが、先にご紹介したユリや松などと一緒に使えば、周りを華やかにしてくれること間違いなし。
もっとお正月に最適な花を知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください。
正月の花の種類~正月飾りにも使う縁起の良い花~ 正月に飾りたい縁起の良い花・正月のおめでたい雰囲気に最適な花の種類についてご紹介します。 |
正月飾りはいつ片付ける?ポイントは松の内
ここからは正月飾りを「いつ片付けるか」片付ける時期についてご紹介します。
鏡餅はいつ片付ける?(食べる?)
鏡餅は地域によって差はありますが、一般的に毎年1月11日に鏡開きをします。
鏡開きは1月11日に鏡餅を下ろして、食べる行事のことです。
今まで飾っていた鏡餅を割って、お雑煮などにしていただきます。
鏡開きをする際、鏡餅を包丁などで切ってはいけません。
縁起の良い食べ物の1つとされている鏡餅を、刃物を使って切ることは「良い縁を切る」ということや「切腹」を連想させてしまうため、タブーと言われています。
そのため、木づちでたたき割ったり手で割ったりして、食べやすいサイズにしていきます。
しめ飾りや門松はいつ片付ける?
地域によって、正月飾りを片づけるタイミングが異なりますが、大きく分けると以下の通りです。
- 関東:1月7日
- 関西:1月15日
鏡餅以外の正月飾りを片付ける際に基準となるのが、松の内です。
松の内の期間は、年神様が滞在している期間です。
そのため松の内とは、お正月の始めから終わりまで。
松の内が明けるとお正月が終わり、新年の(通常の)生活に戻るということを意味しています。
松の内の具体的な日程は、毎年1月1日から1月7日まで、または1月15日までです。
そのため、正月飾りは1月7日または1月15日に片付ける地域が多いようです。
または松の内終了後の次の日にあたる1月8日または1月16日、または全く別の日程の地域もあります。
地域によって日程が異なるため自分の住んでいる地域が、正月飾りをいつ片付けることになっているのか、一度確認することをおすすめします。
正月飾りの処分方法が知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください。
正月飾りいつ片づける?~正月飾りの処分方法も掲載~ 正月飾りを片づける時に確認したいことをまとめました |
最後に
- 正月飾りは12月13日から飾ることができる
- 玄関のドアに正月飾りを飾る時はドアの中央、目線より少し上がおすすめ
- 12月29日・12月31日は正月飾りを飾らない
- 正月飾りにはそれぞれ意味がある
- 鏡開きは1月11日に行う
- 正月飾りは関東では1月7日、関西では1月15日に片付けることが多い
正月飾りを飾って、素敵な新年をお過ごしください。
鏡餅に使う植物の意味~鏡餅の由来と願い~
あけましておめでとうございます
本年も花キューピットをよろしくお願いいたします。
正月シーズンということで、今回は鏡餅に使われる植物についてご紹介したいと思います。
年末から飾られることの多い鏡餅。
1月のカレンダーの挿絵などでも使われることがあるように、実物でなくても一度は鏡餅を見たことがある方が多いのではないでしょうか。
そんな馴染みのある鏡餅に使われている植物には、実は健康や長寿、幸運などの願いや祈りが込められています。
鏡餅に使われている植物を、改めて考えてみるのも面白いかもしれませんよ。
◆鏡餅とは?
まず初めに鏡餅とは何なのかを、改めてご紹介したいと思います。
鏡餅とは、大小の丸い餅を2つ重ねたものです。
鏡餅は年神様(歳神様)が宿る特別なお供え物として、お正月に飾られる餅です。
餅の原料は米。
米は日本人にとって昔から大切なものであり、貴重なものでした。
貴重な米を使って作られた餅も、また特別なもののため、年神様にお供えされていたのですね。
◆鏡餅で使われている植物
ここからは鏡餅に使われている、植物についてご紹介したいと思います。
先にご紹介した通り、鏡餅で使われている植物にはそれぞれ願いや意味が込められています。
鏡餅と聞くと、その姿をイメージすることはできますが、それぞれの飾りについて込められた意味まで想像できる方は少ないのではないでしょうか。
ぜひチェックしてみてください。
<橙(ダイダイ)>
まずは橙からご紹介したいと思います。
橙は、鏡餅の上に乗っている小さなミカンのようなものです。
今までミカンと勘違いしていた方もいらっしゃるかもしれません。
橙は、ミカン科ミカン属の植物。
間違えてしまうくらいミカン似ている植物なのです。
そんな橙の実は、完熟してからも枝から落ちにくいことが特徴。
実を枝から収穫しなければ、2~3年も枝に残っていることもあるのだそうです。
そして枝に新しく実った果実も、先に実っていたものも、一緒に同じ木に長く実り続ける様子から、家族が健康に繁栄していくように見える、として鏡餅に飾られる縁起物になったと言われています。
またオレンジ色(橙色)だった実が、春になると再び緑色に戻ることから、「不老・再生」を連想させることも縁起物の1つになった理由なのだそう。
さらに、橙という名前が、「代々」の字をあてて「子孫繁栄」を連想させることも縁起が良いとされています。
<ユズリハ>
ユズリハは、漢字表記にすると「譲葉(ゆずるは)」と書きます。
ユズリハは、新しい若葉が生えそろってから古い葉が落ちるように成長していきます。
春に新芽が出て、その次の春に新芽が出る時に、まるで古い葉が譲る様に落ちる様子から、親(古い葉)と子(若い葉)が世代交代を繰り返し「子孫繁栄」を願う縁起の良い植物となりました。
<裏白(ウラジロ)>
細かい葉がたくさん付いているように見える、ウラジロ。
名前の通り葉の裏が白い植物です。
その見た目から心が潔白で、清々しいという意味や心の奥まで明るく照らせるようにという意味を持っていると考えられています。
そして、対に分かれてるように広がりながら成長していく葉が、夫婦円満を表しているように見えるとも言われています。
そんなウラジロは夫婦で仲良く白髪になるまで、幸せで過ごせますようにという願いも込められているとされています。
また、ウラジロには悪霊を払う力があるとも信じられているのだそうです。
そのためウラジロのデザインは、戦国時代の兜にあしらわれていたこともあるのだとか。
ちなみに、先に「小さな葉がたくさん付いているように見える」と、紹介しましたが実はウラジロはウラジロ科のシダ植物です。
シダは、土の中に茎があるため上のイラストに写っているすべて合わせて1枚の葉になります。
鏡餅をまだ自宅に飾っているという方は、ぜひウラジロをもう一度観察してみてくださいね。
<昆布>
イラストなどでは省略されることもありますが、鏡餅に昆布を飾ることもあります。
昆布は「子生婦」とも表記されることもあり、子孫繁栄を表したり子宝に恵まれるようにと願いを込めたりするため飾られています。
さらに昆布は「喜ぶ」や「養老昆布」に通じることからも縁起が良いと言われています。
また古くは昆布を「広布(ひろめ)」と呼んでいたことから、広布と昆布をあわせ「喜びをひろめる」という意味を持ったり、「恵比須目(えびすめ)」とも呼ばれていることから七福神の恵比寿様に通じたりと、とても縁起の良いものとされているのです。
<串柿>
串柿とは、干した柿を串に刺したものです。
昆布と同じく、串柿も鏡餅に飾られることがあります。
串に刺さっている柿は、渋柿です。
渋柿に手間を加えることで、甘く美味しく食べられるようになることから、日々の努力は報われるということを表していると言われています。
また柿を「嘉来」と表記することもあることから、「幸せがやって来る」という意味もあると言われています。
加えて「幸せをかき集める」という意味にも通じるとされています。
そして、柿の木は長寿であることも、「長寿・長生き」に関連するとして縁起の良いものといわれ、鏡餅に飾られるのだそうです。
◆鏡餅のもちが丸い理由
さて、ここからはおまけとして、鏡餅についての豆知識もご紹介します。
まずは鏡餅の餅が丸い理由です。
こちらは諸説ありますが、この形は「心臓」の意味があると言われていたり、神社に祭られていた聖なる丸い鏡「神鏡」をかたどっていると言われていたりします。
また、稲作をするうえで大切な「太陽」の形を意味するとされたり、「円満な人間の魂」を表しているなどといわれることもあります。
◆餅を2つ重ねるのはなぜ?
鏡餅を大小2つ重ねることも様々な説がありますが、月(陰)と日(陽)を表していると言われたり、2段重ねることで「良い年を重ねる」や「福が重なる」という意味を持っているとも言われたりしています。
また餅が丸いこともを合わせて、角のない丸い餅が重なることで、円満が重なるとも考えられているようです。
◆鏡餅が固い理由
ちなみに「餅」と聞くと、「柔らかいイメージ」がありますが、鏡餅は固いですよね。
実はこの鏡餅の固さにも、込められた意味があります。
一説には、固い餅であることには「固い物を食べれるくらい丈夫な歯を持ち、健康に食べていけるように」という意味が込められているとされています。
◆鏡餅がお年玉の由来?
鏡餅は、年神様のために年末に供えた鏡餅を、年神様が帰られる松の明けというタイミングで「お下がり」としていただき、家族や奉公人で分けることで、1年の健康と豊作にあやかれるとされています。
これがどうしてお年玉の由来になったのかというと、年神様からのお下がりとして玉のような餅をいただくからという説や、年神様は鏡餅に魂を込めると考えられていて「年神様の魂(の玉)」=「お年玉」となった説など……様々な説があります。
諸説ありますが、お年玉はお金ではなく、もともと餅だったのですね。
ちなみにお年玉が餅ではなくお金になったのは、江戸時代ごろからという説があります。
江戸時代には、餅と一緒にお金や品物を渡すことがあったのだそう。
そのころから、年始にお金を含めて贈り物をすることをお年玉というようになったのだそうです。
◆最後に
今回は、鏡餅に使われている植物を中心に鏡餅の豆知識や、由来などもご紹介しました。
子供の頃から知っている鏡餅ですが、その込められた意味や願いについては知らなかったということが多いのではないでしょうか。
鏡餅や正月飾りなどは、使われている植物や形によってそれぞれの意味が込められているものが多いです。
これからは鏡餅をはじめとする、正月飾りなどを飾る場合はぜひどんな意味が込められているのか、なども考えてみてくださいね。
福寿草の花言葉とは?~正月に飾りたい縁起の良い花~
12月に入り、コートやマフラーが欠かせないくらい寒い日が多くなってきましたね。
今年も残すところ1ヶ月を切りました。
約1ヶ月後には2022年、新しい年がやってきます。
そこで今回は正月シーズンに飾ることの多い、福寿草についてご紹介したいと思います。
お花屋さんだけでなく、近年ではスーパーなどでも福寿草を見かけることが多くなりました。
福寿草という名前を知らなかったとしても、正月シーズンに鉢植えなどで流通している黄色い花は見たことがあると思うので、ぜひチェックしてみてくださいね。
◆福寿草ってどんな花?
俳句で新年の季語でもある、福寿草。
福寿草は春を告げる花としても知られています。
そんな福寿草は先にご紹介した通り、黄色い花が印象的な植物です。
ただ黄色い花が一般的ですが、福寿草には赤・白・緑などの黄色以外の花を咲かせる品種もあるようです。
鉢植えで流通していることが多く、プランターや庭で福寿草を育てているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
<出回り時期>
お花屋さんやスーパーなどで最も福寿草を見かけることができるのは、12月~3月頃です。
開花時期は2月~3月。
正月の飾りに使われることもあるため、もちろん12月から流通していますが、中でも最も手に入れやすい時期は2月とされています。
福寿草を庭に植えてそのまま育てていくと2~3年後には、また花を咲かせることが多いようです。
あの明るく鮮やかな黄色い花を、繰り返し楽しむことができるのは嬉しいですよね。
<福寿草の花言葉は?>
福寿草の花言葉は「幸せを招く・永久の幸福」などがあります。
福寿草という名前からも分かるよう、古くから日本で福を招く植物として知られてきました。
正月に飾られることもある福寿草は、花言葉も縁起が良いものが多いのですね。
<福寿草の名前の由来>
福寿草は江戸時代に春を1番に伝える花として、「福告ぐ草(フクツグソウ)」と呼ばれていました。
その後、呼びやすくするために「告ぐ」の部分が「寿」に変わり、「福寿草」となったのだそうです。
この後から変わった「寿」は、福寿草は開花期が長いことから「長寿」の意味もあり、広く知れ渡ったと言われています。
<福寿草の別名>
福寿草の別名は以下の通りです。
・元日草
・朔日草(ツイタチソウ)
・賀正蘭 など
このように福寿草にはさまざまな別名があります。
別名の1つである「元日草」という名前は、福寿草が旧正月にあたる2月に花を咲かせることから付けられたとされています。
◆正月に福寿草が飾られる理由
昔から日本では、福を招き長寿を意味するとされてきた福寿草。
日本人にとって親しみがあり、縁起の良いおめでたい花の1つです。
福寿草の縁起が良いという理由は、「幸せを招く・永久の幸福」などの花言葉もありますが、それだけではありません。
実は、南天と福寿草を一緒に飾ることによって、より縁起の良い意味を持つためでもあります。
正月のシーズンになると、飾られることの多い赤い実を付けた南天。
南天は「難転」となり「難(災い)を転じる」に通じるため、「災いを避けることができる」という意味があると考えられ縁起物とされています。
そんな南天と福寿草を合わせることによって、「難を転じて福となす」という意味になると考えられています。
この南天と福寿草の組み合わせは、古くから日本で縁起の良いものとされており、掛軸や大皿の絵柄として使われていることもあるようです。
また正月に飾られる寄せ植えとして、南天と福寿草を組み合わせたデザインのものや、庭に南天と福寿草を植えることも多いのだそう。
新年は南天や福寿草などを飾り、植物で彩りを加えてみるのはいかがでしょうか。
植物は他のインテリアとは違い、香りや色、季節感、触感など生きているものだからこそ楽しむことのできる魅力がたくさんあります。
今まで正月に花を飾ったことがないという方も、ぜひ来年は花を飾ってみてくださいね。
福寿草は花束やフラワーアレンジメントに使われる切花ではなく、先にご紹介していた通り、鉢植えとして流通していることが多い植物です。
福寿草に限らず、鉢植えは切り花よりも長持ちすることが多いので、新年は花を長く楽しみたいという方にもおすすめです。
◆福寿草は日が当たらないと花を閉じる?
福寿草は日の光に当たると花を咲かせ、日が暮れたり陰ったりすることで、太陽が当たらなくなると花を閉じてしまう特徴があります。
日の光が当たらない時に花が閉じてしまう理由は、福寿草が開花する時期にあります。
福寿草が花を咲かせるのは、先にご紹介していた通り、2月など寒い時期です。
まだ雪が降ることもある時期です。
そんな寒い時期は、暖かい時期に比べて、虫があまり活動的ではありません。
そのため福寿草は花の中の温度を高めることによって、数少ない虫をおびき寄せようとしているのです。
虫をおびき寄せることで、受粉させるチャンスを増やそうとしているからなのですね。
日の光が当たらないと花を閉じてしまうのは、花の中の温度をなるべく高く保ち、子孫を増やそうとしているため。
厳しい環境に花を咲かせる福寿草が、子孫を残すための知恵の1つと花を閉じたり開いたりしていると考えると、観察してみたくなりますよね。
福寿草を自宅で育てているという方や、これから購入する予定という方は、ぜひ太陽と福寿草の花の動きにも注目してみてください。
◆福寿草には毒がある
福寿草を触っても害はありませんが、福寿草の葉・花・根・茎には毒があります。
特に福寿草の根や茎には、強い毒があると言われています。
そのため縁起物であり、おめでたい植物だったとしても福寿草は口に入れないようにしましょう。
この毒は人間だけではなく、猫や犬などペットにとっても有害なもののため、気を付けるようにしてください。
ちなみに誤って口に含んでしまうと、嘔吐や呼吸困難などに陥り、症状がひどい場合は心臓麻痺などに至ります。
縁起物だから口にするというよりは、フキノトウと福寿草を間違え、誤って食べる事故が多いようです。
過去には福寿草を食べて、死亡した例もあるそうなので人間だけではなくペットも注意するようにしてくださいね。
◆最後に
今回は、正月に飾りたい福寿草についてご紹介しました。
縁起の良い福寿草は南天と一緒に飾ると特に正月にぴったり。
今年は植物の力を使って、新年に彩りを加えてみませんか。
明るく輝くようにも見える福寿草の鮮やかな黄色が、新しい年のスタートをお祝いしてくれるはずです。
正月飾りいつ片づける?~正月飾りの処分方法も掲載~
1月に入り、新しい年の幕開けですね。
お正月休みが終わり、お正月飾りを片づけるタイミングが、そろそろ気になってくる頃ではないでしょうか。
「初めて正月飾りを飾った」という方もいらっしゃったのでは?
そこで今回は、門松やしめ飾り、鏡餅、破魔矢の片づけるタイミングと、処分の方法をご紹介します。
また、おまけとして正月飾りによく使われる植物の名前や、特徴もお伝えします。
正月飾りを片づける時に、植物にも注目してみては?
◆門松を片づけるタイミング
自宅で立派な門松を飾ったという方は少ないかもしれませんが、2枚目の写真のような簡易的な門松を飾ったという方は、意外と多いのではないでしょうか。
門松と聞くと、立派なものをイメージしてしまいますが、お花屋さんではこのように比較的大きな若松を1対でセットにした、簡易的な門松も販売されています。
立派で大きな門松から、比較的に飾りやすいサイズ感までありますが、門松はサイズに関わらず、1月7日または1月15日に片づけることが一般的です。
1月7日または1月15日までなど、地域によって異なりますが、正月飾りを片づける日までを「松の内」といいます。
松の内は、正月飾りを飾っておく期間とも言えますね。
ちなみに一般的に、松の内は関東と関西で分かれています。
関東地方の松の内は、1月7日が最終日になります。
朝、正月飾りを片付けた後、七草粥を食べるのが風習になっているのだそうです。
一方、関西地方の松の内は、1月15日まで続くため、正月飾りは15日に片づけることが多いようです。
または、松の内の翌日1月8日・1月16日に片付けるという地域もあるようです。
紹介した以外にも、松の内の期間は地域によってさまざまであり、7日でも15日でもないという地域もあります。
自分の住んでいる地域はいつ片づけるのか、1度確認してみるのも良いかもしれませんね。
◆しめ飾りを片づけるタイミング
しめ飾りも、門松と同じく正月飾りの1つであるため「松の内」までに片づけるようにしましょう。
関東地方は1月7日に片づけ、関西地方は1月15日に片づけることが一般的です。
しかし先ほども、ご紹介したように地域によって日付が異なるため、確認してみてくださいね。
◆鏡餅を片づける(鏡開きの)タイミング
鏡餅を片づける(食べる)タイミングは、鏡開きの日になります。
門松やしめ飾りは、松の内までに片づけますが、鏡餅は鏡開きまで飾ることが一般的です。
鏡餅を木槌などで割って、お雑煮などでいただく、鏡開き。
最近の鏡餅は、プラスチックのケースに入っている物も多く、すぐに食べることができるので、木槌などの必要がなく鏡開きも便利になりましたね。
そんな鏡開きの日付は、松の内の期間によって異なります。
松の内が1月7日までの地域(一般的に関東地方)は、1月11日が鏡開きの日です。
一方、松の内が1月15日までの地域(一般的に関西地方)は、1月15日が、鏡開きになります。
1月15日が松の内の地域は、鏡開きと門松やしめ飾りなどの正月飾りを片づける時が、同じなのですね。
ちなみに、京都では1月4日が鏡開きとされていて、他の正月飾りを片づける前に鏡餅を食べるのだそうです。
鏡開きのタイミングも、地域によって様々なのですね。
◆破魔矢(はまや)を片づけるタイミング
神社などでいただくことができる破魔矢。
破魔矢は、魔除けや厄除けの意味を持つ矢のことです。
初詣に行った際に、購入するという方もいらっしゃるかもしれませんね。
縁起物であるため、お正月飾りとしても飾られることが多いです。
しめ飾りを片づける時に「一緒に片づけるの?」と、思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、破魔矢は魔除けの力を持つとされているため、お正月の期間以外も飾るようにしましょう。
神棚や玄関などに、1年間飾っておくことが一般的なようです。
1年間飾ったら、また新しい破魔矢と交換すると良いとされています。
初詣の際に、新しいものをいただくようにすると良いかもしれませんね。
◆来年も使っていいの?
正月飾りは、毎年新しいものを飾ることが望ましいとされています。
そのため、来年は新しい正月飾りを飾るようにしましょう。
使いまわしをしない理由は、神様は清浄(清らかで汚れがないこと)を第一とするという考え方があり、同じものを使うと神様の失礼に当たるとされているためです。
年神様がいらっしゃるのは、1年に1回。
年に1回しか、いらっしゃらない年神様のためにも、新しいものを飾るようにしましょう。
◆正月飾りの処分方法
正月飾りを処分する方法は、大きく分けて2つあります。
ここでは、そのお正月飾りの処分方法を簡単にご紹介します。
<どんどん焼きに持って行く>
全国の神社では、お正月飾りやだるま、お守りなどを処分することができる「どんどん焼き」というものが行われます。
どんどん焼きとは、1月15日(小正月)に行われることの多い火祭りのことです。
感謝の気持ちを込めて、正月飾りをお焚き上げしましょう。
ちなみにどんどん焼きの他に、地域によって「左義長(ぎちょう)」とも呼ばれています。
<お清めして一般ゴミに捨てる>
正月飾りは、白い布や新聞紙にくるみ、塩とお酒をふって清めてから、一般のごみと一緒に処分することもできるようです。
他にも塩だけで清める方法や、お庭で焼く方法など処分の方法はいくつかあるようなので、自宅で処分しようと考えている方は、調べてみてくださいね。
◆(おまけ)正月飾りで使われる植物
ここではおまけとして、しめ飾りや門松で使われている植物をご紹介します。
お正月飾りを片づける時には、改めて植物にも注目してみてくださいね。
<ウラジロ>
「シダ」とも呼ばれる「ウラジロ」。
このウラジロは、しめ飾りや鏡餅の装飾としてよく使われています。
漢字で書くと「裏白」。
察しが付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、ウラジロは葉の裏が白いことが特徴の1つです。
葉の裏が白いことから「心に裏表がない清廉潔白」を表しているともいわれています。
また、葉の付き方が左右対称のため「夫婦円満の象徴」とも考えられているようです。
<橙>
正月飾りに付いていることの多い、オレンジ色の果物は「橙」が多いと思います。
橙は、実をすぐに落とさないことが特徴です。
実をつけてから数年間は、木から落ちずに成長すると言われています。
「実を長い間落とさない」なんて、とても縁起がいい感じがしますよね。
ちなみに橙は「代々(だいだい=橙)子孫が繁栄しますように」という願いを込めて、正月飾りに用いられます。
特に葉が付いているものは、木に実っている状態に近いため、縁起がさらに良いとされています。
◆最後に
今回は正月飾りをいつ片づけるのか、処分の方法についてご紹介しました。
正月飾りは、地域に合わせて、お片付けしてみてくださいね。
また、お片付けする時は使われていた植物も改めて、注目してみると面白いと思います。
「この植物の名前は?」や「使われていた理由は?」など…ぜひお正月ならではの植物に出会ってみてください。
正月飾りはいつから飾る?~万両と千両の違いも解説~
そろそろ、正月飾りを準備されている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、しめ飾りや門松などお正月飾りについてご紹介します。
「いつ飾る?」や「そもそも正月飾りって?」などなど…お正月飾りについてと、お正月のアレンジメントや花束によく使われる千両と万両の違いを掲載しています。
◆正月飾りを飾るタイミング
新年が近づいてきましたが、正月飾りをいつから飾ればいいのか、悩んでしまう方もいらっしゃるのでは?
「しめ飾りを用意したけれど、もう飾っていいの…?」など正月飾りのタイミングについて疑問に思っている方はチェックしてみてください。
<正月飾りは、いつごろから飾るの?>
地域によっても異なりますが、12月13日頃からお正月の準備をはじめ、正月飾りを飾るとされています。
近年は、12月25日にクリスマスがあるため、25日以降から正月飾りを飾るという方も多いようです。
リースを飾っていたところに、しめ飾りを飾るという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ちなみに、12月13日は「松迎え」や「正月事はじめ」とも言われています。
昔は12月13日からお正月にいらっしゃる年神様を迎えるために、ススを掃うなどのお掃除や、お雑煮などを作るために必要な薪を集めるという習慣があったのだそうですよ。
<避けた方が良い日とは?>
実は、正月飾りを飾るのは、避けた方が良い日があります。
それは、12月29日と、12月31日。
29日は、「二重苦」を連想させてしまうため、避けた方が良いのだそうです。
そして、31日は「一夜飾り」といわれ、年神様への失礼にあたると言われています。
なぜなら、急ごしらえ(急いで準備したこと)は、年神様に対して誠意がかけると、考えられているからです。
忙しいことが多く「うっかり飾るのが遅くなってしまった…!」ということもあるかと思いますが、できるだけ早めに飾れると良いですね。
遅くても12月28日には、正月飾りを飾れるようにしたいものです。
◆そもそも正月飾りとは?
正月飾りを飾るタイミングについて先ほどお伝えしましたが、ここで改めて代表的な正月飾りについてご紹介しようと思います。
<しめ飾り>
玄関などに飾ることの多い、しめ飾り。
しめ飾りを飾ることで結界の役割を果たし、しめ飾りの内側からは清らかな場所にしてくれると言われています。
これは、しめ縄も同じ理由で飾られているのだそうですよ。
しめ飾りを飾っていれば邪悪なものが入ってこられないため、年神様も安心して来ていただくことができますよね。
<門松>
デパートの前や、商店街の入り口によく飾られている門松。
門松は、年神様がいらっしゃる目印になると言われています。
また家族やそこに住む人々の健康、そして長寿を願う象徴ともされています。
大きくて立派な門松以外にも、現代は雑貨屋さんやお花屋さんで、飾りやすいサイズの門松も販売されています。
年神様にお越しいただくとともに、家族の健康を願って門松を玄関や、自宅の門に飾ってもよさそうですね。
<鏡餅>
昔からお餅は、おめでたい時に食べる「ハレの食」と、されてきたのだそうです。
そんなお餅を重ねた見た目が、かわいらしい鏡餅。
鏡餅は、豊作を祈願し、新しい門出を祝うという意味があるのだそうです。
ちなみに、お餅を2つ重ねる意味には様々な説があります。
その1つに、丸いお餅は家族円満を表すと言われていて、それを2つ重ねることで、「また同じように1年を重ねる」という意味になるという説。
また、大小のお餅を2つ重ねる鏡餅は、月(陰)と日(陽)を表していると言われ、夫婦円満に年を重ねられるという説もあります。
もっと詳しく知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください。
お正月に飾りたい花についても紹介しています。
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正月飾りはいつからいつまで?玄関に飾る時のルールとは|片付けるタイミングも掲載 今回は「正月飾りをいつから飾り、いつ片付けるのか」、そして「そもそも正月飾りとはどんな意味があるのか」について紹介しています。 |
◆(おまけ)千両と万両の違いとは?
ここからは、おまけとして千両と万両の違いをご紹介します。
お正月のシーズンになると、縁起の良い千両や万両を飾る機会が増えるのではないでしょうか。
こちらの写真は、奥の黄色い実を付けている方が千両で、手前の赤い実を付けている方が万両です。
どちらも鮮やかな色の実をつけ、周りを華やかな印象にさせてくれます。
お花屋さんでも、赤や黄色の実を付けた千両や、万両を見かけることは多くなりますが「いまいち違いが分からない…」と言う時もあると思います。
ぜひ、見分けるポイントをチェックしてみてくださいね。
<千両>
- センリョウ科
- 葉の上に実がまとまって付く
<万両>
- サクラソウ科
- 葉の下に実がぶら下がるように付く
- 実が千両よりも大きくより多くの実がなる
千両と万両は似ていますが、センリョウ科とサクラソウ科で、科名が異なっているため、全く異なる植物なのですね。
見分けるポイントは、実の付け方に注目してみることです。
お寺などでも植えられることもあるので、近くで見る機会があった時は、観察してみてくださいね。
もっと詳しく知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください。
千両と万両、さらに南天と十両(ヤブコウジ)の実についても掲載しています。
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千両と万両の違い・見分け方|正月の赤い実「南天・ヤブコウジ」も掲載 万両・千両・十両(ヤブコウジ)・南天を見分けるポイントをまとめました |
◆最後に
今回は、正月飾りについてと、千両・万両の違いをご紹介しました。
クリスマスが終われば、あっという間に、お正月です。
今年もそろそろ終わり。
新しい年に向けて、少しずつ準備を進めていきたいですね。
ちなみに、花キューピットではお正月にぴったりな華やかで、縁起の良いお花を使用したアレンジメント・花束をご用意しています。
自宅用にお正月のお花を飾りたいという方はもちろん、帰省が難しい今年は年始の挨拶にお花を贈りたいという方にもおすすめです。
正月飾りを準備する時に、ぜひお花の注文も済ませてみてはいかがでしょうか。
少し気になった方は、花キューピットのサイトやお花屋さんを見てみてくださいね。
お正月の花~縁起の良い花と新年を迎えよう~
最近、お店に行くとクリスマスグッズと一緒に、お正月のグッズも見かけるようになりましたね。
しめ縄や、正月飾りを準備したという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、今回はお正月にぴったりな、縁起の良いお花をご紹介します。
自宅に飾ることはもちろん、新年のあいさつとして、お世話になっている方へお正月らしいお花を贈るのも、良いと思いますよ。
お花の贈り物は、どんな年代の方にも喜んでもらえると思います。
では、ここからお正月にぴったりなお花をご紹介します。
◆松
お正月のシーズンになると、門松などでも活躍する「松」。
松が縁起物と言われる理由は「不老長寿」の象徴として考えられているためです。
「不老長寿」の象徴と考えられるようになった理由は、松が常緑樹という種類であり、他の木々が葉を落としてしまう季節になっても、常に青々としているからと言われています。
また、「1年中緑色を絶やさない」ことから「生命力が強い」とされ、子孫繁栄を願う対象ともされているようです。
◆マム(菊)
マムは「菊を飾ると福が来る」と言われるほど、縁起の良いお花として有名です。
高貴なお花の1つでもあります。
マムは邪気を払う力があると信じられていて、長寿を願うお花の1つなのです。
そして「高貴・生命力」などのお正月にぴったりな花言葉も持っています。
大輪のマムから小菊、ピンポンマムなど…たくさんの種類があるので、マムだけでアレンジメントを作っても華やかですよ。
ちなみに、マムは他のお花よりも、比較的に長持ちしてくれます。
縁起の良いお花で、長くきれいな姿を楽しみたいという方には、特におすすめです。
◆梅
アレンジメントや花束で使うことはもちろん、お正月のイラストや髪飾りのモチーフにもなっている、梅の花。
お正月に梅を飾る理由は、梅の開花時期に関係があるとされています。
梅の花が開花するのは、地域で差はありますが2月~3月とされ、早春の時期にお花を咲かせます。
そのため、どのお花よりも早く花を咲かせることから、「出世」や「開運」の象徴とされているのです。
梅は、他のお花がまだ咲かない時期に、美しいお花を楽しませてくれるのですね。
ちなみに花言葉は「上品・忠実・高潔」などがあります。
開運の象徴とされる梅のお花を飾って、素敵な1年の始まりにしたいですね。
◆南天
「南天」は「難転」と同音であることから、古くより縁起の良い植物とされてきました。
南天の「なん」にかけて、「難関や災難を転じる」という意味もあるそうです。
そこから江戸時代では、火災避けの効果があると信じられていたと言われています。
そのため、南天が玄関先に飾られていたり、お庭に植えられていたりすることが、多かったようです。
つやつやした赤い実が、お正月に華やかさをプラスしてくれそうですね。
花言葉も縁起が良く、「福をなす」などがあります。
◆胡蝶蘭
お祝いの場で、飾られることの多い胡蝶蘭。
胡蝶蘭は、お花の形が蝶々のように見えることから、「幸福が飛んで来る」という花言葉を持っています。
おめでたい時に贈ったり、飾ったりすることも多い胡蝶蘭は、縁起の良い花言葉を持っているのですね。
ちなみに、胡蝶蘭は縁起がいいだけではなく、さらに忙しいことの多いお正月には最適なお花なのです。
なぜなら水やりの回数が、他のお花に比べて少なく済むからです。
胡蝶蘭の冬の水やりは、鉢植えの場合、2週間に1回くらいで十分。
あげる水の量も、コップ1杯分で足りてしまいます。
また、胡蝶蘭は花もちが良く、長くきれいなお花を楽しむことができます。
お正月は新年のあいさつなどで忙しいことが多く、「お花のお世話まで手が回らない…!」なんてこともありますよね。
お世話に手がかからず、長くお花を楽しめる華やかな胡蝶蘭は、お正月にぴったりですよね。
◆葉ボタン
葉ボタンはお正月の時期になると、よく花壇などで植えられることの多い植物ですよね。
公園の花壇や、お花屋さんで販売されている寄せ植えなどで、見たことがある方も多いと思います。
葉ボタンはお花ではなく、葉が紫やクリームをしています。
そして重なるたくさんの葉が、ボタン(牡丹)の花のように見えることから「葉ボタン」という名前が付きました。
そんな葉ボタンが、なぜお正月に飾られるのでしょうか。
それは、縁起が良いとされるボタンと似ているためと言われています。
名前の由来にもなったように、葉ボタンはボタンのお花と似ているのです。
ちなみに、こちらの写真がボタンのお花です。
確かに似ていますよね。
昔はお正月にボタンを飾っていたそうですが、ボタンに似ている葉ボタンの方がお手頃に入手ができ、丈夫で育てやすいということで、人気が高まっていったそうです。
もともと「ボタンに似ているから」という理由で飾られるようになった葉ボタンですが、花言葉は「利益・利得・祝福・愛を包む」などがあり、葉ボタンそのものも縁起が良い植物なのです。
◆ウメモドキ
「ウメモドキ」というお花は、なかなか聞きなれない方もいらっしゃるかもしれません。
「梅なの?梅じゃないの?」と、思ってしまうような名前ですが、ウメモドキは梅の仲間ではありません。
では、なぜそんな名前をしているかと言うと、「枝をたくさん出す梅の様子に似ている」ということで、ウメモドキという名前が付けられました。
そんなウメモドキは赤い実が特徴的で、風情を感じさせてくれると言われています。
アレンジメントや花束で使われる以外には、お庭に植えるという方や盆栽で楽しむという方もいらっしゃいます。
ウメモドキをお庭に植える方の中には、葉が落ちてからも赤い実が残るため、小鳥が実を食べに来るのを楽しむという方も多いようです。
赤い実は「おめでたいもの」と、されているため、お正月の時期にはぴったりですね。
また、花言葉も「知恵・明朗」などがあります。
◆最後に
今回はお正月に飾りたい、縁起の良い植物をご紹介しました。
新しい年の始まりには、華やかな植物を飾って、素敵なスタートにしたいですね。
また、なかなか会いに行けない親戚や、いつもお世話になっている方へ、新年のプレゼントとして縁起の良いお花を贈ることもおすすめです。
花キューピットでは、今回ご紹介したお花をあしらった、お正月のアレンジメントや花束をご用意しております。
「少し興味を持った」という方がいらっしゃいましたら、お花屋さんか、インターネット花キューピットのサイトを見てみてくださいね。
新年を彩るお花と出会えるかもしれませんよ。
七草粥について~食べる意味や春の七草効果や栄養素~
明けましておめでとうございます
新しい年の幕開けですね。
今回は、1月7日に食べる方が多い七草粥についてご紹介します。
◆なぜ七草粥を食べるの?
1月7日に食べることが有名な七草粥。
毎年、家族で七草粥を食べているというご家庭も多いと思います。
いつごろから日本で七草粥を食べていたのかご存知ですか。
諸説ありますがこの習慣は、江戸時代ごろから始まったとされています。
なぜ古くから七草粥を食べるようになったのか、というと「家族全員が元気で暮らせますように」と願いをこめるためと言われていて、お粥を食べながら無病息災をお祈りするためとされています。
ではなぜ、「七草粥」を食べることで無病息災をお祈りするのでしょうか。
それは2つの意味があるとされています。
1つ目の意味
お正月はおせち料理などの豪華なご馳走を食べたり、お酒を飲んだりする機会が多く、胃腸が疲れてしまいます。
そこで、消化に優しいお粥を食べることで胃腸を休ませてくれることから無病息災が派生したのだそう。
2つ目の意味
七草粥に使われる春の七草は、他の植物よりも早く芽吹き邪気を払ってくれるとされていたためなのだそう。
新しい年のお祝いには美味しい豪華なごちそうがあり、ついつい「正月太り」という言葉のように食べ過ぎてしまうもの。
7日には、お粥で体を休めつつ、邪気も払いたいですね。
では、七草粥はで使われている「春の七草」とは、どのような種類の植物のことなのでしょうか。
次は、春の七草についてお伝えします。
◆春の七草
七草粥に使われている材料は、先ほどご紹介したように春の七草です。
子どもの頃に覚えた方も、いらっしゃるかも知れません。
春の七草は以下の通りです。かっこの中には、別名が書いてあります。
- せり
- なずな(ぺんぺんぐさ)
- ごぎょう(ははこぐさ)
- はこべら(はこべ)
- ほとけのざ(こおにたびらこ)
- すずな(かぶ)
- すずしろ(だいこん)
ちなみに、春の七草のように、秋にも秋の七草というものがあります。
秋の七草は、はぎ・おばな・くず・なでしこ・おみなえし・ふじばかま・ききょうです。
春の七草・秋の七草は、どのように選ばれているのでしょうか。
春の七草・秋の七草の選ばれ方の違いは以下の通りです。
春の七草:食材
秋の七草:目で見て楽しむ
春の七草は食材として活用できる植物ですが、秋の七草は食べることはせずに、観賞を楽しむ植物が選ばれています。
では、本題に戻りまして
春の七草にはそれぞれどのような効果や願いがあるのでしょうか。
今回はいくつかピックアップして、春の七草の効果と込められた願いをご紹介します。
<せり>
せりは、もともと競り合うように生えていることから「せり」という名前が付けられました。
この「せり」という名前から「競り勝つ」という意味を込められ、縁起物とされています。
せりには様々な栄養素が含まれていますが特にお伝えしたいことは、鉄分が多く含まれています。
貧血になりやすい方におすすめです。
そして食物繊維が豊富で、便通も良くしてくれるとされています。
<なずな>
道端に生えていて、別名ぺんぺんぐさと呼ばれています。
これは、三味線のばちに形が似ていることから付けられました。
ばちの形に似ているという三角にも、ハートにも見える葉っぱの形がかわいいですよね。
ちなみになずなは、たくさんの白く小さなお花を咲かせます。
なずなには、ビタミンKが豊富に含まれていて骨を強くし、骨粗しょう症を予防してくれると言われています。
また、解熱作用や利尿作用もあるそうです。
<ごぎょう>
ごぎょうは、ご仏体を意味しているという縁起物の1つとされています。
黄色いお花を付けるキク科の植物で、ははこぐさとも呼ばれる植物です。
ははこぐさと呼ばれるようになった理由には諸説ありますが「ごぎょうは葉や茎が白い綿毛に覆われていて、その姿が子どもを母親が包み込むように見えたから」などの説があります。
なずなと同じく、ごぎょうも散歩をしている時などに、見かけることのある植物です。
ごぎょうの効果・効用は、お茶として飲まれることもあり咳止め・痰きりの効果があるとされています。
<すずしろ>
すずしろは、私たちに馴染みのある大根のことです。
いつも食べている大根の白い部分は根で、白い根は「けがれを知らない」「けがれのない純白さ」などを表しているとされています。
大根は多くの水分を含んでいるため、たくさん食べても低カロリー。
そして、水分補給ができる食材です。
また、葉はビタミンA・ビタミンC・カルシウムなどが含まれていて、神経痛に効果があったり、免疫力などを高めてくれたりしてくれます。
葉っぱも一緒に七草粥に入れると良いかもしれませんね。
◆最後に
今回は、七草粥・春の七草についてご紹介しました。
七草粥は、無病息災を願うおまじないではなく、栄養がたっぷり入った体に優しいお粥であることが分かりました。
7日には七草粥を食べて、この1年も健康で過ごしたいですね。