花と文化

子どもの日・端午の節句の由来~飾りたい花の種類も紹介~

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こいのぼり

もうじき5月になりますね。
5月の楽しみといえば、ゴールデンウィーク。
今年は新型コロナウイルスの影響で遠方への外出は難しいかもしれませんが、季節の花を飾ったり、ボードゲームをしたり家族でお家時間を楽しむのもいいかもしれませんね。

さて、今回はそんなゴールデンウィーク中の1つの記念日である「子どもの日(端午の節句)」についてご紹介したいと思います。
「子どもの日の由来・歴史」はもちろん、「子どもの日はいつでどんなことをするのか」なども掲載しています。
また、「今まで子どもの日は外出していたけれど、今年は自宅でゆっくり過ごそう」という方や「子どもに季節の花を見せてあげたい」と思う方はぜひ、子どもの日に飾るとされている花を参考にしてみてください。
生花に触れる機会は、思っているよりも少ないもの。
ぜひ子どもの日をきっかけに、造花では感じることのできない、生きている花の香りや色、触り心地をお子さんに経験させてあげてくださいね。

◆子どもの日はいつ?

かわいいこいのぼり
子どもの日は、毎年5月5日です。
子どもの日は、いつもゴールデンウィークの後半にあります。
デパートなどへ行くと4月頃から、兜(かぶと)や五月人形、こいのぼりが販売されているところを見たことがあるという方もいらっしゃるかもしれませんね。

◆子どもの日(端午の節句)の歴史・由来

紫色の花菖蒲
古くから5月5日は「端午の節句」であり、男の子の健やかな成長や幸せを願う行事が行われていました。
もともとは休日ではなかったのですが、5月5日を「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」休日として、子どもの日が1948年に定められました。
もともとは、先にお伝えした通り男の子の成長を願う日でしたが、子どもの日は性別に関わらず、子どもたち全員と母親の幸福と豊かな生活を願う日になったのです。
「子どもの日」という名前のため、子どもをお祝いする日だと思う方が多いですが、実はお母さんへ感謝する日でもあるのです。

◆端午の節句って何?

折り紙の兜
先ほどご紹介した、子どもの日が制定されるきっかけでもある「端午の節句」ではいったいどんな行事が行われていたのでしょうか。
ここでは、簡単に端午の節句とは何なのかをご紹介します。
もともと「端午の節句」とは病気や災いを避けるための宮中行事の1つだったのだそうです。
端午の節句の行事では、植物の菖蒲(ショウブ)が使われていました。
その「菖蒲」が武士を敬うという意味の「尚武」と同じ音であることと、菖蒲の葉が細長くとがった形をしているため刀剣に似ているとされたことで、だんだんと男の子のための行事となっていったそうです。
端午の節句も、もともとは男の子のための行事として行われていたのではなかったのですね。

<なぜ菖蒲が使われていたの?>

菖蒲
たくさんの種類がある植物の中で、なぜ端午の節句では菖蒲が使われていたのでしょうか。
それは、菖蒲の持つ強い香りが邪気を祓うと信じられていたからなのだそうです。
日本での「端午の節句」の由来となったのは、古代中国で行われていた邪気を払うための行事と言われています。
当時の中国では、旧暦で5月(現在の暦では6月頃)は雨季を迎えるため、病気や災厄が増えてしまっていたのだそうです。
そこで、菖蒲で厄除けを行うために、5月5日は菖蒲を湯船に入れて「菖蒲湯」として香りを楽しんだり、お酒の中に菖蒲を漬けた「菖蒲酒」を飲んだりしていたと言われています。
ちなみに、もともとは宮中行事の1つだった端午の節句は、次第に庶民の間でも知られるようになっていき、菖蒲湯につかるなどの習慣ができていったとされています。

子どもの日が近付くと、スーパーなどで菖蒲の葉が販売されていることも多いですよね。
菖蒲酒はご家庭で飲むことは少ないかもしれませんが、菖蒲湯に入ったことがある方は多いのでは。
5月5日になると、湯船の中に菖蒲が入れられていて、お湯に浸かる前からお風呂場の扉を開けると、ふんわり菖蒲の香りが漂ってきたという思い出がある方もいらっしゃるかもしれません。
「菖蒲湯にまだ入ったことがない」という方は、今年の5月5日は菖蒲を湯船に入れてみてはいかがでしょうか。
初めて菖蒲湯をするという方は、お湯の中に入れる前に菖蒲の葉を束にして縛っておくと、菖蒲の葉が流れていかないので、片づける時が便利だと思います。
参考にしてみてくださいね。

◆端午の節句(子どもの日)に飾りたい・食べたいもの~過ごし方~

ここからは、子どもの日に飾りたいものや食べたいものをご紹介します。
「子供の日はどうやって過ごすの?」と疑問に思っている方は、チェックしてみてください。

<こいのぼりを飾る>

空を泳ぐこいのぼり
こいのぼりが空を泳ぐように、風になびいている様子は5月を代表する景色でもありますよね。
自宅にこいのぼりを飾っているというご家庭があることはもちろん、現在ではショッピングモールなどでもよくこいのぼりを目にすることができます。

そんなこいのぼりのモチーフである「鯉」という魚は、池や沼でも生き抜くことのできる強い生命力があると言われています。
そこから、「子どもが環境に関わらず強く立派に成長できるように」と願いが込められているのだそうです。
また、鯉は激しい流れの川や滝の中も泳いで行けるということから、「鯉のように強い子供に育ってほしい」という祈りも込められているのだそうです。

<柏餅を食べる>

柏餅とちまき
和菓子屋さんに限らず、最近はスーパーなどでも見かけることのできる柏餅。
柏餅のお餅をくるんでいる葉は、柏の葉です。
柏は他の植物が葉を落とす中、冬になっても葉を残し、新芽が出るころに葉を落とすことが特徴の1つである植物です。
その様子は「後継ぎができるまで葉を落とさない」とされ、縁起の良い植物だと言われています。
そんな縁起の良い柏の葉でくるまれた柏餅を端午の節句で食べることで、「子どもが元気に育つように」という願いが込められているのだそう。

<ちまきを食べる>

もち米の食感がおいしい「ちまき」。
最近は、ちまきを販売しているコンビニがあり、より気軽に食べられるようになりましたね。
5月5日にちまきを食べる理由は、端午の節句の由来でもある中国が関係しているようです。
ちまきを食べるようになった由来である、中国の言い伝えをご紹介します。

昔、中国に忠誠心の高い詩人、屈原という人がおりました。
その詩人は政治にも関わっており、村に住む多くの人から慕われ、支持されていましたが、一方で同時にそれをよく思わない人たちもいました。
ある日、屈原は支持されていない人々の陰謀によって、国を追われることになり、川に身を投げてしまったのだそうです。
川に身を投じてしまったのは5月5日のことでした。屈原を支持していた人々は悲しみ、川へ供物を流しましたが、村人の1人が「供物が悪い竜に奪い取られてしまう」という夢を見たというのです。
そこで村の人々は、ちまきを川に流し、屈原への供物がとられないようにしたのだそうです。
このお話には、川に身を投げた屈原が魚に食べられないように、ちまきを流したというお話もあると言われています。

この言い伝えから中国では、ちまきは「忠誠心が高い象徴」として考えられるようになり、「忠誠心のある子に育ってほしい」という願いを込めて、5月5日には子どもにちまきを食べさせるようになったと言われています。

<兜・五月人形を飾る>

兜
武将にとって兜は、身を護るために必要なもの。
五月人形の兜や甲冑(かっちゅう)には、「子どもを守ってもらえますように」という願いが込められています。
兜や、五月人形を飾ることで「災いを逃れ、病気や事故にあわないだけでなく、元気に成長していってほしい」という気持ちを込めたお守りとして、飾られているのだそうです。

<菖蒲湯に入る>

菖蒲湯
先ほど紹介した菖蒲湯もぜひ、入浴してみてください。
5月5日が近付くと、意外とスーパーなどでもよく販売されています。
もともと厄除けとして菖蒲の香りを使っていたわけですが、菖蒲湯はリラックス効果や血行促進などに期待ができると言われているそうです。
厄除けや歴史など難しいことは考えずに、気分転換程度に菖蒲湯に入ってみてもいいかもしれませんね。

<花菖蒲(ハナショウブ)を飾る>

花菖蒲
花菖蒲とは、ノハナショウブが原種のアヤメ科の園芸植物のことを指します。
夏の初めから梅雨の時期に凛とした花を咲かせるため、子どもの日に飾れば、季節の彩りをお部屋で楽しむことができそうです。
派手な印象ではなく、落ち着きがあり、しっとりとした美しさを持った花は、日本の風情を感じることができそうです。
そんな優美で美しい花の色は、濃い青色、紫、ピンク、黄色など様々な色があります。
そのため、飾るお部屋のインテリアに合わせて、花の色を選ぶことができそう。
すでにお部屋に兜が飾ってある方は、色合いを合わせてもいいかもしれませんね。

ちなみに、菖蒲湯のために使われる菖蒲はサトイモ科ですので、花菖蒲とは違った植物になります。

◆最後に

こいのぼり
今回は5月5日の子供の日(端午の節句)についてご紹介しました。
子どもの日、端午の節句について意外と知らなかったことも多かったのでは?
今年は自宅でのんびり過ごしてくださいね。

 

 

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