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お正月に飾る花|縁起が良いとされる理由や、少し怖い花言葉も?

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花には不思議な力があります。
一輪飾るだけで、急に部屋を掃除したくなったり、視界に入れば自然と口角が上がったり。
花キューピットがお送りするブログ「花だより」は、そんな花のような存在を目指して、皆さんの生活を彩る情報を発信します。

 

もういくつ寝ると、お正月

正月飾り
楽しいことも悲しいこともあった一年が、間もなく終わろうとしています。
早いもので、もうお正月。

心身ともに健康な状態で、楽しくお正月を迎えられますように。
幸せなことばかりが起こる一年になりますように。
そんな願い・祈りを込めて用意したいものこそ、お正月飾りです。

お正月飾りと言えば、鏡餅や門松、しめ飾りなどがありますが、新年を華やかに彩ってくれる花もおすすめです。
そこで今回は、お正月に飾りたい縁起の良い花の種類をご紹介します。

 

お正月飾りを飾る意味

猫と鏡餅

そもそも、なぜお正月にお飾りを準備するのでしょうか。
これは、お正月という伝統行事が持つ意味に由来しています。

古くから、毎年元日(1月1日)は各家庭に神様が訪れる日だと言われています。
この神様は「年神様」と呼ばれ、初日の出とともに山から下りてきて家族に健康や繁栄といった福をもたらす存在として信じられています。

つまり、お正月飾りとは年神様を家にお迎えするために準備するものです。
門松は、年神様が家を訪ねる上での目印に。
しめ飾りは、厄除けを担うほか、神聖な場所であることを示すために。
そして鏡餅は、年神様へのお供え物や心の拠り所として準備します。

 

お正月に飾りたい花10選

幸福をもたらしてくれる年神様のために飾る花は、縁起が良い花や、見た目が華やかな花がよいとされています。
そこで、人々だけでなく年神様までもがおめでたい気持ちになるような花を10種ご紹介します。

 

1. 松(若松)

若松

門松や松飾りに使用される松は、まさに縁起の良い植物の代名詞と言えます。
そんな松が象徴するのは、「不老長寿・生命力」などです。
松は常緑樹(一年を通して葉が緑色)。
寒さ厳しい冬でもその色鮮やかな緑を保っている姿や、比較的樹齢も長いことが由来しているようです。

また、松は雄花(おばな)と雌花(めばな)の二種類の花を咲かせます。
一般的な花とは異なり花弁(花びら)はなく、雌花は成長したものが松ぼっくりです。
そんな松の花言葉は「不老長寿」「繁栄」「勇敢」「哀れみ」など。
縁起の良い花言葉に混ざって「哀れみ」というネガティブな花言葉があるのは、女神が愛する人を松に変えてしまったというギリシャ神話の物語に由来しています。
少し切なさを抱える花でもあるようです。

 

 

 

2. 竹

竹
竹は、「不老長寿・忍耐力・成長」などを象徴する植物です。
松と同じく一年中緑を保ち続ける姿のほか、雪が降り積もっても重みに耐えながらまっすぐ育つ力強さが由来しているようです。
困難の中でも志を曲げないほどの強い忍耐力は、まさに成長や繁栄を願う縁起物にふさわしいですよね。

そんな竹の花言葉は「長寿」「無事」など。
また節を持つことから「節度」といった花言葉も持っています。
竹が花を咲かせるのはなんと120年に一度と言われています。
開花後は一斉に枯れてしまうため、不吉だとされることもあるようです。
しかし120年という周期の長さを考えると、開花に立ち会えた際は幸運と捉えてもよいでしょう。

3. 梅

梅の花
「松・竹・梅」と3種セットで縁起物として捉える方も多いかと思います。
梅が象徴するのは、「再生・出世・開運」など。
松や竹は冬を耐え忍ぶ植物だと説明してきましたが、梅は「春告草」とも言われるように、最も早く新春の訪れを告げる花です。
初春の寒さに耐えながら美しい花を咲かせる姿は、松や竹とはまた違った力強さを感じますよね。
梅の花言葉には、「忠実」「忍耐」「高潔」「気品」などがあります。
「忠実」という花言葉は、学問の神様・菅原道真にまつわる伝説に由来しています。
藤原氏から疎まれ、九州の大宰府に左遷された道真。
そんな道真の元に、自身が大切に育てていた梅の木が都から飛んできたというのです。
このエピソードは「飛梅伝説」と呼ばれ、梅は主人を慕い忠実に仕えるものだとされたようです。


お正月のアレンジメント

お正月のアレンジメント

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4. 千両

千両
千両とは、その名の通り「金運」を象徴する古典園芸植物です。
ギザギザとした葉と、ぎゅっと集合した小さくて赤い実が特徴的です。
そんな千両は、万両(マンリョウ)という植物と並べて呼称されることも。
千両と万両は見た目もよく似ていますが、万両の葉はギザギザではなく波打った形をしているのが特徴です。

千両の花は薄黄緑色。赤い実を付けるにも関わらず、花は地味であまり目立ちません。
花言葉は「利益」「財産」「恵まれた才能」など。
お金に困らない、商売繁盛な一年を願って、千両を取り入れてみましょう。


千両と万両の違い・見分け方

千両と万両の違い・見分け方とは?


どちらも縁起の良い植物である、千両と万両の見分け方をご紹介します。

 

5. 南天

南天
南天は、「難転」、つまり「難を転じて福をなす」という語呂合わせから縁起の良い植物だとされてきました。
戦国時代の武士は南天の葉をお守りとして持ち歩き、江戸時代の人々は庭に南天の木を植えて火災を防いだと言われています。
また縁起物としてのみならず、咳止めの生薬として親しまれていたこともあるようです。

南天は千両や万両と同様に赤い実をつけますが、南天の方が樹高があるほか、実がまるでブドウの房のように実る点がポイントです。
5~6月には小さな白い花を咲かせ、その花言葉は「幸せ」「私の愛は増すばかり」「良い家庭」といった、多幸感に溢れた前向きなものばかり。
お正月飾りとしてはもちろん、普段の生活や贈り物としても取り入れていきたい花です。
 

6. 菊

黄色い菊
お供え花としてよく使われる菊も、実は縁起の良い花です。
菊が象徴するのは、「不老長寿」「繁栄」など。
これは、中国で古くから言い伝えられている『菊慈童(きくじどう)』という伝説に由来します。
時は周王朝の時代。
王から寵愛されていた慈童という少年が、誤って王の枕を跨いでしまったことで罪に問われ、山へ追放されます。
それから700年の月日が経ったある日、彼は山奥で生きた状態で発見されました。
そこでは菊の花が美しく咲き乱れており、老いず美しいままの少年を囲んでいたそうです。

そんな伝説を有する菊の花言葉は、「高貴」「高尚」「信頼」など。
天皇家の家紋『十六葉八重表菊』のモチーフとなるほど高貴な花なので、お正月の花束やフラワーアレンジメントをレベルアップさせてくれるはず。

 

 

 

7. オンシジウム(オンシジューム)

オンシジウム
ひらひらとしたドレスのような花びらが特徴的な、オンシジウム。
流通量の多い黄色のオンシジウムは「金運」を象徴するものとして、縁起の良い花とされています。
実際、中国の旧正月では新年のお祝いに黄色のオンシジウムを飾る風習があるそうです。
黄色いオンシジウムは中国語名で「喜洋洋(シーヤンヤン)」と呼ばれ、中国語で「喜び溢れる」という意味を持つようです。
とても可愛らしい響きの名前ですよね。

そんな金運を招くオンシジウムの花言葉は、「可憐」「遊び心」「一緒に踊って」など。
どれも花姿に由来しています。
小花でありながら、花束やアレンジメントに合わせると、ぴょこんと飛び出す様子が愛らしいオンシジウム。
是非、お正月を祝うシーンに取り入れてみてくださいね。

 

 

 

8. ユリ

ピンクのユリ
ユリも菊と同様、仏花や供花として使用されることも多いです。
しかし、その存在感ある花姿や「威厳」「繁栄」といった花言葉から、お正月に飾る花としても適していると言えます。

特に、白ユリの花言葉は「栄華」「誇り」などおめでたい雰囲気があります。
これは、白ユリがフランス王家の家紋に使われていることに由来しているそうです。
天皇家の家紋に使用されている菊のように、白ユリもまた高尚さを感じる花ですよね。
また、ピンクのユリには「富と繁栄」という花言葉があるため、こちらも新年を祝うお正月の花としておすすめです。

 

 

 

9. ラン(胡蝶蘭

胡蝶蘭
開店・開業祝いなど、お祝いのシーンで出会うことが多い胡蝶蘭
その名の通り花の形が蝶のようであるため、「幸福が飛んでくる」というおめでたい花言葉を持っています。
また鉢植えであることから、そうした幸福が「根付く」とも。
飛んできた幸福が根付く一年となるよう、お正月に飾る花としてぴったりです。

特に、白い胡蝶蘭には「純粋な心」「新しい始まり」といった花言葉もあります。
本年の自分から一変して真っ新な気持ちで新年を迎えたい方にも、おすすめです。

 

 

 

10. バラ

黄色いバラとオレンジのバラ
「花の女王」とも呼ばれるほど豪華な雰囲気を纏っている、バラ。
花言葉には「愛情」「美」などがあり、一年を通してギフト需要が高い花です。
色も様々ですが、お正月に飾るのであれば赤やピンク、オレンジなどの暖色系が良いでしょう。
お正月らしいおめでたさはもちろん、冬の厳しい寒さを和らげるようなぬくもりを感じることができそうです。

一方、「トゲがあるバラをお正月に飾ってもいいの?」と疑問に思う方もいるかも知れません。
バラが持つトゲは攻撃するためではなく、昆虫や動物といった外敵から自身の美しい花を守るために存在します。
また「美しいバラにはトゲがある」という比喩表現が示すように、美しいものにも欠点があるという二面性をバラは体現してくれているようです。
したがって「トゲがあるバラ=悪」という訳ではないため、お正月を華やかに彩る花として楽しんでくださいね。

 

 

 

花と一緒に新年を迎えましょう

お正月のフラワーアレンジメント
今回の「花だより」では、お正月の新年を祝うシーンにぴったりな縁起の良い花をご紹介しました。
縁起が良いとされる理由は、花言葉、花の形、さらには国内外で言い伝えられてきた伝説によるものなど様々であることが分かりました。
こうした豆知識を知っているだけで、お花のある暮らしがより豊かになるはず。

お正月は縁起の良い花を飾り、ご多幸ある一年となることを願いましょう!

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