花と文化

ひな祭りに飾るお花~桃のお花の開花時期は?~


お雛様

寒い日ばかり続いていましたが、コートを着なくても出歩ける暖かな日も、少しずつ増えてきましたね。
もうじき3月。2月も残り約10日となりました。
3月と聞くと、3月3日のひな祭りを連想する方も多いのではないでしょうか。
今回は、ひな祭りに飾るお花についてご紹介します。

◆ひな祭り=桃の節句~桃の咲く時期は?~

3月3日は、ひな祭り
女の子の健康や、健やかな成長を願う行事として、有名ですよね。
ひな人形とお花を飾ったり、ひなあられやちらし寿司を食べたりする方も多いと思います。

ところでひな祭りは、桃の節句とも呼ばれていますよね。
しかし、桃の花の開花時期は3月下旬から4月上旬なことをご存知ですか。
実は、ひな祭り(桃の節句)は3月3日のため、まだ桃の旬ではないのです。
では、なぜ桃の節句と決められたのでしょうか。
ここでは、節句の意味からお伝えしていこうと思います。

◆節句とは?


ひな人形

節句とは、季節を分ける節目のことです。
日本には中国から、「節句」が伝わってきました。
もともと中国では奇数が重なっている日は縁起が悪く、良くないことが起きるとされていました。
また、季節の節目を表す「節」という時期は、邪気が入りやすいとも考えられてもいたようです。

そして昔の人々は、その「節句」という日の災いを払うために食べ物をお供えしていました。
そしてお供えした同じものを食べたり、お祭りをしたりすることで邪気を払っていたのだそうです。
ちなみに、節句は桃の節句を含めて5つあり、すべて合わせて「五節句」と呼ばれています。

・人日(七草がゆ):1月7日
・上巳(桃の節句):3月3日
・端午(菖蒲の節句):5月5日
・七夕(星祭):7月7日
・重陽(菊の節句):9月9日

もともと、節句はお祝いをする日ではなく災いを払うための日だったのですね。

◆桃の節句と呼ばれるようになった理由


桃

桃の花が咲く時期と少しずれのある3月3日を、なぜ桃の節句にしたのでしょうか。
前述したように桃の花の開花は、3月下旬から4月上旬で、ひな祭りの時期にはまだお花が咲いていないのです。

それは、もともと桃の節句は旧暦の3月3日と、定められていたためです。
旧暦は月の満ち欠けを、基準にしています。
しかし私たちが今使っている新暦は、地球が太陽の周りを回る周期を基準にしているため、旧暦とだいたい1ヵ月の差ができてしまいます。
すなわち旧暦の桃の節句は、4月のはじめ頃になるのです。

旧暦の3月3日はちょうど、桃のお花が咲く時期だったのですね。
ちなみに「百歳(ももせ)」と読めることから、桃は長寿や不老不死の願いが込められていたそうです。
また、桃には邪気を払う力もあると考えられていたそう。
もともと節句は、災いを払うためにお祭りをしていたということもあり、桃の花が選ばれたのかもしれませんね。

◆ひな祭りに飾るおすすめのお花

桃のお花を飾ることは有名ですが、他にひな祭りではどんなお花を飾るのでしょうか。
ここでは、ひな祭りに飾るお花の種類をご紹介します。
お孫さんへのひな祭りの贈り物や、お雛様と一緒に飾るお花を選ぶときの参考にしてくださいね。

<桃の花>


桃の花

先ほど、新暦でひな祭りをお祝いしてしまうと、桃のお花の咲く時期とずれてしまうとお伝えしました。
しかし、お花屋さんではひな祭りの時期になると、可愛らしい桃のお花を見ることができますよね。
実は、ひな祭りに桃のお花を楽しんでもらえるよう、生産者さんたちが温室などで開花時期を調節してくれているのです。
お花を買う時は、お花屋さんと生産者さんにお礼を伝えたいですね。
桃はどんな花?

桃は、ピンクで優しい雰囲気のお花です。
桃と聞くと果物の方をイメージしてしまいますが、桃の木はお花を楽しむ観賞用と、果実を楽しむ食用に種類が分けられています。
そのためお花屋さんで販売されている、私たちがお花を楽しんでいる種類は、あの美味しい果実は実らせないのです。
原産地は中国ですが、今では観賞用・食用ともに世界で栽培されている種類のお花です。

ちなみに桃や桜、梅のお花の見分けが難しいという時は花びらの形を観察すると分かるかもしれません。
花びらの先端が少し尖っている:桃の花
花びらの先端が2つにさけている:桜の花
花びら全体が丸い:梅の花
見分けることが難しい時は、参考にしてみてくださいね。

<桜の花>


桜の花

淡いピンク色のお花が可愛らしい桜には、昔から魔除けの力があるとされていたようです。
桜は、ひな人形に向かって右側に飾ることが一般的とされています。
桜はどんな花?

毎年お花見が行われるほど、日本でファンの多いお花です。
卒業式や入学式ごろに咲くお花という印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
また、観賞以外でも桜餅や桜クッキーなど、桜の花びらや葉を使った食品にも親しみがあると思います。

ところで、川沿いに桜の木が多いと思いませんか?
その理由は、お花見でやって来る人の往来で土手を踏み固め、決壊を防ぐためだったとされているそうです。
桜の人を引き付ける力は、工事などができない時代の治水対策の1つとしても使われていたのですね。

<たちばなの花>

タチバナ

ミカンのような実が印象的なたちばなも、桜と同じように魔除けの力があると言われているそうです。
古事記や万葉集に登場するほど古くから、人々と関わりがあった植物とされています。
ひな人形に向かって左側に飾ることが一般的とされています。
たちばなってどんな花?

たちばなは、日本の固有種の1つであり、家紋などのデザインにも使われている植物です。
常緑で、冬になっても常に枯れることのない葉は、「永遠」の意味があるとされているそうです。
また、ミカン科の植物のため、白いお花を咲かせたあとは、前述したようにミカンに似た果実を実らせます。
この実は酸味が強いことが特徴です。
そのためマーマレードなどの加工品にして、食べられることが多いようです。
気になった方は、ぜひ食べてみてくださいね。

<菜の花>


菜の花

菜の花は、昔からひな祭りに飾られていたわけではありませんが、春の訪れを感じるため、最近飾られることが多くなったお花です。
菜の花が選ばれる理由の1つには、黄色いお花がひな祭りパーティーなどの明るい雰囲気に合っているから、という理由もあるようです。
菜の花ってどんな花?

元気な黄色いお花が、可愛らしく温かな気持ちにしてくれるお花です。
畑や道端などで、見かけたことのある方も多いのではないでしょうか。
花言葉は「快活・明るさ」などがあります。
蕾や若い葉などは食用として用いられていて、ほろ苦い味が特徴的。
江戸時代ごろから、関わりのある観賞・食用ともに楽しめるお花です。

<チューリップ>


チューリップ

こちらも菜の花と同じで、最近ひな祭りに飾ることが人気になってきているお花です。
カラーバリエーションが豊富で、お部屋の雰囲気に合わせやすいことや、春を代表する人気ナンバーワンのお花であることも選ばれている理由のようです。
可愛らしい見た目で、お子様からも有名なお花なので、ひな祭りのプレゼントとしてもおすすめです。
チューリップってどんな花?

ふっくらとした花姿が可愛らしいお花、チューリップ。
世代や性別を問わず、人気な種類のお花です。
花壇で見かけたりお花屋さんで見かけたり、チューリップのお花そのものを目にする機会は多いですね。
他にも、童謡で歌う機会やイラストになっていることなども多く、子どもの頃から親しみのあるお花だと思います。
チューリップ全体の花言葉は「思いやり」、ピンク色のチューリップは「愛の芽生え」などがあります。

◆最後に


お雛様

今回は3月3日のひな祭りについてご紹介しました。
可愛らしいお花で、お子様の健やかな成長をお祝いしたいものです。
ぜひ、ひな祭りの前にお花屋さんに足を運んでみてくださいね。

花キューピットでは、ひな祭りに贈りたい特別なお花をご用意しています。
プレゼントのお花に困った時は、花キューピットを見てみてくださいね。

最終更新日:  | Posted in 花と文化No Comments » 
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