お供えの時のマナー, 花, 花を贈る時, 花贈りのマナー
お盆におすすめな花の種類・夏のお供えに使う花・タブーの花とは
お盆に花を贈りたいと思っている方や、仏壇に花をお供えしたいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
親しい方が亡くなった場合や、お盆中に実家やお墓を訪れることができない場合は、お供えの花を贈ることが多いです。
今回はお盆におすすめな花の種類、特に夏のお供えによく使われている花の種類についてご紹介します。
またお盆でお供えするのはタブーといわれ、避けられている花も掲載しているので併せてご確認ください。
目次
今年のお盆はいつ
お盆は、地域によって日程が異なります。
8月13日~8月16日の地域が最も多いです。
東京都などでは7月13日~16日であり、沖縄県などでは旧暦の7月13日~15日をお盆としています。
お盆に花を贈った方がいい?
お盆は、1年に一度故人やご先祖様を自宅に招いて供養する行事のこと。
ご先祖様たちが、私たちが住んでいる場所へ帰ってくるといわれています。
仕事の都合や旅行の予定などで、お盆にお盆棚を作ったり実家に帰省したりすることができない場合は、お供えのお花を贈るのが良いでしょう。
お盆の期間にご先祖様をお迎えするために、お墓参りをする事も多いです。
実家やお墓にお盆の期間に行きたいと思っていても、遠方に住んでいるため難しいという方も多いかと思います。
自分が仏壇やお墓に行くことができない時は、お供えの花を贈り気持ちを伝えることも一般的です。
新盆・初盆の時は?
家族や親しい方が亡くなってから、四十九日以降に初めて迎えるお盆のことを新盆または初盆といいます。
初めて行うお盆は、いつもよりも丁寧に供養するのが一般的といわれています。
新盆・初盆の時はお供えの花を贈るという方や、お供えの花とお菓子をセットで贈る、仏花の予算をいつもよりもあげるという方も多いのだそう。
普段お盆に特に何もしていないという家庭でも、新盆・初盆の時は供養を行うということもあるようです。
お盆に花を贈るのはなぜ?
お盆などのお供えに花を手向ける理由は、さまざまな説があるといわれています。
一説には、亡くなった方に言葉で伝えられない気持ちを届けるために、花を供えるという説があります。
花は亡くなった方へ気持ちを伝えるものとして、古くから用いられてきました。
花を贈る・供えることでご先祖様へ感謝の気持ちを伝えたり、故人への思いを伝えたりすることができるといわれています。
そして、花は遺族の心も和ませる役割があるという考えも。
美しい花が静かに遺族の心に寄り添うことで、心の慰めになるとされているようです。
また亡くなった方は食事をすることができないため、花の香りを代わりに楽しむという考えもあるのだそう。
花を供える理由はさまざまありますが、どれも故人や遺族に向けて特別な気持ちを表現するために行われているようです。
お盆におすすめ・お供えの定番の花
ここからは、お盆におすすめのお供えの花をご紹介。
先に、1年を通して比較的お供えでよく使われている花の種類を掲載しています。
季節の花や、特に夏に適した花を確認したいという方は、こちらをご覧ください。
お盆におすすめ・夏のお供えに適した花
カーネーション
カーネーションは、お供えの定番の花として定着しています。
「カーネーション」と聞くと、母の日に贈るプレゼントのイメージが強い方も、多いのではないでしょうか。
母の日をはじめとして、お祝いの場面でも贈ることの多いカーネーションですが、実はお盆などのお供えでもよく活用されています。
カーネーションがお供えに使われている理由は、以下の通りです。
カーネーションがお供えでよく使われる理由
- 花もちがよく、長くきれいな姿を保つことができる
- カラーバリエーションが豊富で、淡い色合いも多い
- 丸みのある花は、優しい雰囲気を演出できる
- 香りが控えめで、花の香りが苦手な方でも好まれる
- 花粉が落ちにくいため、周りを汚さない
- 花のサイズが豊富で、メインにも脇役にもなる
さまざまな花色を持っているカーネーションですが、白や淡いピンク、クリーム色、黄緑などは特にお供えで多く使われています。
白い花だけで作った白上がりのお供えはもちろん、白い花をメインに優しい色合いを加えるお供えでも、カーネーションはよく活用されているのです。
1年を通してお花屋さんで購入することができるカーネーションは、お盆にお供えする仏花にも入っていることが多いです。
フリルのような花びらを集めて咲く、かわいらしい姿は丸みがあり、柔らかな雰囲気があります。
そんな優しい雰囲気のカーネーションは、幅広い年代の方から好まれており、男性・女性問わず支持の高い花です。
小さなサイズのカーネーションは、お供えの脇役として加えられ、大きなサイズはメインになることも。
花のサイズが小さいカーネーションは、メインになる大ぶりな花ではカバーできない隙間を埋められます。
そのため、お供え全体が寂しい印象になることを防ぐのです。
花言葉
白いカーネーションの花言葉は「私の愛は生きている」「亡き母を偲ぶ」「尊敬」「純粋な愛」など。
白いカーネーションが持つ花言葉は、どれもお供えに適しています。
花言葉で故人や遺族へ気持ちを伝えたいという方は、白いカーネーションがおすすめです。
先にお伝えした通り、お供えの脇役にもなるため、ある程度お供えのデザインができた後に足すこともできるでしょう。
ユリ(百合)
お盆を含め、葬儀や法事などでも使われることの多いユリ。
ユリもカーネーションと同様に、お祝いの花ギフトとして使われることもありますが、お供えの花の定番でもあります。
ユリがお供えに多く使われている理由は、以下の通りです。
ユリがお供えによく使われる理由
- 昔から仏花として使われているため、親しみがある
- 落ち着きのある美しい姿が、お供えに適している
- 花もちがいい
- 下にあるつぼみから順に花を咲かせるため、長期間お供えすることができる
- 花にボリュームがあり、凛とした華やかさも表現できる
- 品種によって、香りを楽しめる
- 大きな花は、お供えのメインになる
白いユリは凛としていて美しく、お供えの花のメインとして使われることが多いです。
目立つ花のため、お供えのフラワーアレンジメントや花束でユリを見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。
ユリは花が大きいものが多いため、1輪入れるだけでもお供えの花全体にボリューム感を持たせてくれます。
お供えに選ばれている理由はユリの美しさだけではなく、長く花をお供えできることもあります。
品種にもよりますが、ユリは一つの茎から複数の花を咲かせることが多いです。
花を咲かせる順番は、下についているつぼみから順に開花していきます。
もともと花もちの良いユリですが、つぼみがついているものは初めに咲いた花が枯れたとしても、その次のつぼみが花を咲かせるため長い期間花を供えることができるのです。
また、ユリは香りが強い品種もあります。
ユリの香りが好きな方も多く、故人がユリを好きな時はもちろん、遺族に花の香りで心を癒してほしいと考えている方はユリがおすすめです。
ユリを飾る時の注意点
ユリを飾る時は、花粉が入っている葯(やく)という部分を、取り除くことがおすすめです。
受粉すると花がすぐにしおれてしまうため、花粉は速やかに取り除く方がより長持ちするといわれています。
また花粉をそのままにしておくと、周りを汚したり服についたりする可能性も。
ユリの花粉は、服や布などにつくと取りにくいので注意してください。
もし花粉がついてしまった時は、こちらを参考に落としてみてください。
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花粉の取り方:服にユリ・ひまわり・ポピーなどの花粉が付いたときの方法 ユリの花粉が付いてしまったときの対処方法をご紹介します。 |
花言葉
ユリ(百合)の花言葉は「純粋」「無垢」「威厳」「高貴」など。
西洋でユリは、聖母マリアに捧げられた花とされています。
そのため「純粋」や「無垢」などの花言葉がつけられたのだそう。
日本だけではなく、西洋でもユリはお供えの花として活用されています。
菊(マム)
菊(マム)は、お供えの花としてイメージされる方が多いのではないでしょうか。
近年では、お祝いの花ギフトにも活用されるようになりましたが、菊はお供えの定番の花の一つです。
お盆に仏壇やお墓へお供えされる他に、葬儀や法要・法事などでも菊を見かける機会は多いかと思います。
菊がお供えによく使われる理由は、以下の通りです。
菊がお供えによく使われる理由
- 花もちがよく、長くきれいな姿でお供えできる
- 枯れた後に、花びらが散らかりにくい
- カラーバリエーション・咲き方含め品種が多く、さまざまな菊が流通している
- 古くから親しまれており、品のある花として知られている
- 香りが強くない
- つぼみの状態でも絵になる
- 邪気を払う力があるといわれている
菊は、日本の国花です。
国花とは、その国を代表する花のことや、その国民に愛されている花のことを指します。
菊は、古くから日本人に親しみのある花の一つです。
昔から身近な存在であり、日本で大切にされてきた菊は、故人やご先祖様に尊敬の気持ちや、日々の感謝・敬意などを込めて、お供えするのに適していると考えられています。
そんな菊は、品種が多いことでも有名です。
お墓参りなどに用いられる花束でよく見る中菊を始め、小さな花をいくつも咲かせるスプレー菊、ボールのように丸い花姿が特徴的なピンポンマムなど、さまざまな種類があります。
たくさんの咲き方がある菊は、お供えの花束やフラワーアレンジメントのデザインに合わせて使い分けることができます。
そして、菊はカラーバリエーションも豊富。
お供えでよく使われる花色は、白や淡いピンク・グリーン・黄色などがあります。
葬儀や新盆・初盆などで贈ることが多い、白い花だけでまとめた白上がりのお供えに使われることはもちろん、淡い色の花を白い花と組み合わせるお供えでも活用されます。
また菊は、邪気を払う力があると考えられています。
加えて菊には、魔除けや長寿の力があるという考えも。
9月9日は菊の節句であり、無病息災や長寿を願って菊の花を飾ったり、菊酒を飲んだりすることもあります。
花言葉
菊は「高貴」「高潔」「高尚」「信頼」などの花言葉を持っています。
ちなみに、白い菊の花言葉は「真実」「慕う」「誠実な心」など。
花言葉からも、故人を思う気持ちを伝えることができそうです。
▼お盆に最適な花はこちら
お盆におすすめ・夏のお供えに適した花
ここからは、夏のお供えによく選ばれている花の種類についてご紹介します。
お供えの花束やフラワーアレンジメントを、季節感のあるデザインにしたい方は、参考にしてください。
特に夏の暑さにも丈夫な花をピックアップしているので、長く仏間に花を飾りたいと思っている方にもおすすめです。
トルコキキョウ
誕生日などのお祝いのギフトとしても選ばれることの多いトルコキキョウは、お盆や葬儀、法事などお供えの場面でもよく使われています。
お供えではフリルのようにも見える豪華な雰囲気の八重咲きだけでなく、シンプルな美しさが際立つ一重咲きも活用されることが多いです。
トルコキキョウがお供えでよく選ばれている理由は、以下の通りです。
トルコキキョウがお供えで使われる理由
- 夏の暑さにも強く、花もちが良い
- 白い花びらの縁だけが紫色など、上品で爽やかな色合いの品種もある
- カラーバリエーションが豊富で、淡い色から濃い色まである
- 1つの茎から複数の花を咲かせるため、ボリューム感がある
- お供えに適した、派手すぎない華やかさがある
- 洋風な花とも、和風な花とも相性が良い
- 香りが控えめ
- お供えのメインにも、脇役にもなる
繊細な雰囲気のトルコキキョウですが、実は夏の暑さにも強く、花もちが良い花の一つです。
そのため、お盆を含め夏のお供えの場面でよく選ばれています。
またトルコキキョウは、品種が多く花色が豊富です。
単色の白やピンク、紫などだけではなく、ニュアンスカラーやグラデーションになっているもの、花びらの縁だけ色合いが違うものなどもあります。
お供えに適した上品さを兼ね備えつつ、夏らしい色を加えることもできるのです。
そして柔らかく美しいトルコキキョウの花は、カーネーションなどの洋風な花だけでなく、和菊などの和風な花とも相性が良いです。
洋風・和風問わず組み合わせることができるトルコキキョウは、お供えの花としておすすめです。
花言葉
トルコキキョウの花言葉は「優美」「感謝」「永遠の愛」「良い語らい」などがあります。
花言葉から故人への感謝の気持ちを伝えたり、いつまでも変わらない永遠の愛を伝えたりすることができるでしょう。
ちなみに、白いトルコキキョウの花言葉は「思いやり」「永遠の愛」など。
故人に対する哀悼の意を、花言葉でも表現することができそうです。
リンドウ
初夏から秋にかけて、お花屋さんで購入することのできるリンドウ。
リンドウの花を見ると、季節を感じる方も多いのではないでしょうか。
季節を代表するリンドウには、パッと花が開花するササリンドウ系と、つぼみの状態のままなエゾリンドウ系の2種類があります。
そんなリンドウがお供えによく選ばれる理由は、以下の通りです。
リンドウがお供えによく選ばれる理由
- お盆の時期に、ちょうど旬を迎える
- 青や紫の花色は、夏らしさがありつつ落ち着いた雰囲気がある
- 花もちがよく、長くお供えすることができる
- 花言葉がお供えに最適
- 香りが強くない
- 古くから日本で愛されてきた花
- スラッと伸びる姿が、お供え全体の奥行や立体感を表現する
リンドウは、昔から日本で自生している植物です。
ちょうどお盆の時期に野山に咲いていたことから、古くからお盆にお供えされていたのだそう。
現代でも、お盆によくお供えされる花として有名です。
そのためお花屋さんで、お盆の花を見てみるとリンドウが使われていることも多いのです。
リンドウの特徴的な凛とした青い色の花は、暑い日が続くお盆の時期にぴったり。
派手すぎない色合いでありながら、夏らしさと爽やかさを演出します。
リンドウは、ブルー系の色合いの品種が豊富です。
そのため、深い青や淡いパステルカラーのブルーなどの色合いも、お花屋さんで購入することができます。
他に合わせる花の色調に似合う青系の色を選んだり、故人のイメージに合わせた青の色合いにしたりすることもできます。
花もちもよく長く飾ることができるため、先に紹介したトルコキキョウや菊などの長持ちする花と一緒にお供えするのもおすすめです。
花言葉
リンドウには「悲しみに寄り添う」という花言葉があります。
「悲しみに寄り添う」という花言葉は、リンドウの花が群生せずに、株ごとに独立して花を咲かせている様子に由来しているといわれています。
リンドウが1本ずつまっすぐに伸び花を咲かせる様子から、悲しい人のそばに寄り添うように見える、としてつけられたのだそう。
ちなみに、リンドウは根が漢方に使われることから、「病気に勝利する」という意味で「勝利」という花言葉も持っています。
ひまわり
ひまわりも、お供えの花として活用されています。
明るい色合いでお祝いのイメージが強いひまわりですが、お盆や仏壇、お墓などにお供えしても問題ありません。
ご先祖様に季節感のある花をお供えしたいと思っている時や、故人がひまわりが好きだった時、故人が明るい人だったという時は、お供えにひまわりを入れることも多いです。
ひまわりがお供えによく使われている理由は、以下の通りです。
ひまわりがよくお供えに使われる理由
- 季節感を取り入れられる
- 遺族を元気づけられる
- しんみりとした雰囲気ではなく、感謝の気持ちを明るく表現できる
- 子供にも親しみやすいデザインにしやすい
- 香りが控えめ
- 一輪だけでも存在感がある
夏を代表する花の一つであるひまわりは、お供えの花束やフラワーアレンジメントに一輪入れるだけでも、夏らしさを表現することができます。
お盆に季節感のあるお供えを贈りたいと思っている方は、ひまわりを使うのもおすすめです。
ただ、お盆や仏壇に供える花をイメージすると、白や落ち着いた色合いでまとめられた花を連想する方が多いのではないでしょうか。
しかし、お盆はいわゆるお供え風のしんみりとしたイメージの花だけではなく、明るい色合いの花をお供えすることも多いです。
理由は、お盆はご先祖様への感謝の気持ちを伝える時だから。
お供えらしくなりすぎず、明るくポジティブな印象のひまわりを使い、家族の温かみが感じられるデザインの花を供えるのも良いと考えられているのです。
また、お供えでは故人の好きだった花を供えることもあります。
ひまわりは男性・女性問わず好まれる花の一つであり、「ひまわりが好きな花」という方も多くいらっしゃいます。
故人が喜ぶ花、故人をイメージできる花として、ひまわりをお供えに選ぶことも多いのです。
花言葉
ひまわりは「あなただけを見つめる」「憧れ」「情熱」などの花言葉があります。
ひまわりの花言葉の由来は、さまざまな説があるといわれています。
ひまわりの花言葉がつけられたルーツを知りたい方は、こちらを併せてご覧ください。
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ひまわりの花言葉の由来 ひまわりの花言葉はどうやってつけられた?由来をご紹介します。 |
スターチス
スターチスはお祝いの花ギフトで使われることもありますが、お供えの花としてもよく選ばれています。
お祝い・お供えともに、スターチスは花ギフトのメインになることは少ないです。
しかし、名脇役として活用されていることが多いので、見たことがある方もいらっしゃるかと思います。
スターチスがお供えによく使われている理由は、以下の通りです。
スターチスがよくお供えに使われる理由
- 暑さに強い
- 花もちがよく、すぐに枯れることは少ない
- 白だけでなく、淡い紫や青紫などさわやかな色がある
- 切り花の中で少ないブルー系の色合いは、差し色にも適している
- 香りがほとんどない
- どんな花とも相性がいい
- 小さな花が、メインの花では対応できない隙間を埋める
スターチスは植物全体に含まれる水分が少ないため、水不足により花がお辞儀するようにくたっとなることがほとんどありません。
よほどのことがない限り、水不足で枯れることはほとんどないのです。
花瓶の水が少なくなることで、気が付かないうちにドライフラワーのようになることもしばしば。
夏の暑さに負けないスターチスは、他の花に比べて花もちが良く、お盆などの夏のお供えとしてよく選ばれています。
また、スターチスには白、紫、ピンク、青紫(青)、黄色などの花色があります。
淡い紫や濃い青紫は、お供えの花束やフラワーアレンジメントに加えることで、差し色になり、爽やかな印象にまとめることができます。
夏らしいデザインのお供えを贈りたいと思っている方は、スターチスがおすすめです。
そして先にご紹介した通り、スターチスは名脇役としてお供えの花でよく活用されています。
さまざまな花と相性がよく、大きなユリの花とも、小さなカーネーションの花とも組み合わせることができるのです。
幅広い花と相性がよいのも、選ばれることが多い理由の1つになっています。
花言葉
スターチスの花言葉は「変わらぬ心」「永久不変」「途絶えぬ記憶」など。
スターチスの持つ花言葉は、ドライフラワーになっても花色がほとんど変わらないことからつけられたといわれています。
乾燥しても美しい色のままのスターチスが持つ花言葉は、亡くなっても変わることのない思いを表現することができそうです。
胡蝶蘭
開店祝いや、母の日などのお祝いで贈ることもある胡蝶蘭。
胡蝶蘭はお祝いだけではなく、お供えの花としても選ばれています。
葬儀などで供えるスタンド花にも、胡蝶蘭が使われていることも。
お供えの場合は、花束やフラワーアレンジメントなどに使う切り花として、花ギフトに加えることもありますが、胡蝶蘭の鉢植えとして贈ることも多いです。
胡蝶蘭がお供えに使われる理由は、以下の通りです。
胡蝶蘭がお供えに使われる理由
- 夏の暑さにも強く、すぐに枯れることはほとんどない
- 花もちがよく、長くお供えできる
- お世話が簡単で、鉢植えを贈っても手間を取らせない
- 格式の高さを感じる、上品な花を咲かせる
- 香りがほとんどない
- 花粉がほとんどない
- 花びらが肉厚で、白さが際立つ
胡蝶蘭は、台湾やフィリピンが原産地の植物です。
胡蝶蘭は熱帯の植物にあたります。
そのため比較的寒さには弱いといわれますが、夏の暑さには強い植物の一つなのです。
お盆など暑さが厳しい時期にお供えの花を贈る時は、胡蝶蘭の鉢植えが特におすすめです。
暑い時期にお供えの花束を贈ると、お供えしているときに暑さで茎が溶け、花瓶の水が汚れてしまうことも。
花瓶の水が汚くなることによって、花持ちが悪くなることもあります。
しかし胡蝶蘭を鉢植えで贈れば、水が腐る心配もほとんどありません。
お供えの花のスタイルを工夫することで、花もちをより長くすることもできるのです。
加えて、胡蝶蘭の鉢植えはお世話が簡単です。
胡蝶蘭への水やりは、お盆などの夏の時期は1週間に1回程度で十分。
新盆・初盆などで、ご遺族が忙しい時も手間をかけさせません。
花もちがよく長い間、ラン特有の格式の高さを感じる上品な花姿を保つことができるため、花の世話に時間を取られることなく、お盆の期間中も飾り続けることができます。
胡蝶蘭の特徴は、その美しい見た目だけではありません。
胡蝶蘭には、花粉と香りがほとんどないのです。
そのため部屋に飾ることで、花の香りが強すぎることも、花粉で周りを汚すこともありません。
ちなみに、胡蝶蘭の花びらは、他の花に比べて厚みがあります。
そのため光が当たっても、花びらが透けることはほとんどありません。
花びらは、光や背景の色が透けないため、花の白さが他の花よりも際立ちます。
きらきらと輝いているようにも見える胡蝶蘭の花が、お盆や法事の際に上品な雰囲気を演出するでしょう。
胡蝶蘭のサイズ
胡蝶蘭は、開店祝いなどで贈る大型のものをイメージされる方が、多いのではないでしょうか。
大きな胡蝶蘭ももちろん流通していますが、コンパクトなミディ胡蝶蘭も販売されています。
お盆棚を置いたスペースに合わせてサイズを調整したり、室内で持ち運びしやすいサイズを選んだりすることもできるのです。
花言葉
胡蝶蘭の花言葉は「純粋な愛」「幸福が飛んでくる」など。
お供えに贈られる、白い胡蝶蘭の花言葉は「純潔」「清純」などがあります。
白い胡蝶蘭が持つ、心身にけがれがないことを表す「純潔」や、清らかでまじりけがないさまを表す「清純」という花言葉は、お盆などのお供えの場面にぴったり。
▼お盆に最適な花はこちら
プリザーブドフラワーは失礼?
生花にプリザーブド加工を行い、長く花を観賞できるように加工したプリザーブドフラワーをお供えに使うのは、失礼なのではないかと、思う方も多いのではないでしょうか。
プリザーブドフラワーをお盆などでお供えすることは、失礼には当たりません。
特に気温が高いことが多い夏場は、1年の中で花もちが短くなるタイミングでもあります。
プリザーブドフラワーを使うことで、ご先祖様や故人にいつでも美しい花を楽しんでもらうことができるのです。
そのため、お花屋さんを始めお供え用デザインのプリザーブドフラワーを販売しているところも多いです。
ただ、プリザーブドフラワーは生花を加工して作っているもの。
すなわち「生きているものではない」とされ、お供えには使わない方がいいと考える方もいらっしゃいます。
また花を供える理由として、花の香りをご先祖様に楽しんでもらおうと思っている方は、プリザーブドフラワーには香りがないため不向きとなります。
お供えに絶対的なルールがないため、プリザーブドフラワーを仏壇やお墓などにお供えしても問題ないとされていますが、控えたいと考える方もいらっしゃいます。
お盆のお供えとしてプリザーブドフラワーを贈る時は、相手がどう思っているのかを考える方が良いでしょう。
プリザーブドフラワーについてもっと詳しく知りたい方はこちら。
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プリザーブドフラワーコラム一覧 プリザーブドフラワーってそもそも何?何色がある?など、プリザーブドフラワーについてまとめています。 |
タブーな花の種類
お供えに絶対的なルールはありませんが、一般的に避けた方が良いといわれている花があります。
- トゲのある花
- 毒のある花
- 香りが強すぎる花
- 死などを連想させる花
- つる性の花
- 人が食べられる花
バラやあざみなどのトゲのある花は、トゲが殺生や怪我を連想させるため、一般的にお供えされることが少ないです。
また、咲き終わりに花の首から落ちる椿などは、死を連想させるとしてお供えには適さないといわれています。
そして朝顔などのつる性の植物は、つるが巻きつく様子から故人が成仏できないことを連想させるため、お供えすることが控えられています。
ただ、こちらでご紹介したタブーといわれる花も、絶対にお供えしてはいけないというわけではありません。
故人が好きな花の場合や、思い出のある花など、お供えしたいと思う理由があれば問題ないのだそう。
特に大きな思いがない場合は、先に紹介した特徴を持つ花は避けるのが良いでしょう。
お盆のマナーを僧侶に教わる
知恩院の所属寺院の僧侶である大津様に、お盆やお供えのマナーについてインタビューを行いました。
お盆・お供えについてもっと知りたいという方はこちらも合わせてご覧ください。
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お盆・最新事情。精霊馬はブロッコリー、お花は自由?知恩院僧侶にインタビュー お盆にお供えするキュウリやナスは、他の野菜でもいい? |
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お盆の基礎知識・作法を僧侶に教わろう。時期・お供え(精霊馬・提灯・五供)・お墓参りマナーなど 知恩院の僧侶であり、華道家でもある大津憲優さんに、お盆の基礎知識を教えていただきました。 |
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仏花のルール・マナーQ&A お供えに使う花の選び方やマナーを紹介。 |
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仏花はコミュニケーションツール。故人に愛を届ける実感を。【知恩院僧侶インタビュー】 どうしてお花が故人へ想いを届けてくれるの? |
お盆にお供えの花を贈ろう
今回は、お盆やお供えなどによく使われる花の種類をご紹介しました。
夏らしい花を加えると、花持ちがよくなる他、季節感も演出できるためおすすめです。
花の種類に悩んだときは、その時期の旬にあたる花をお供えにも使ってみてください。
ちなみにお盆には、ほうずき(ホオズキ)が供えられることも多いです。
ふっくらとしたオレンジ色のほおずきについて、詳しく知りたいという方は以下も併せてご覧ください。
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ほおずき(鬼灯)はどんな植物?~季節・遊び方・漢字・花言葉~ どうしてお花が故人へ想いを届けてくれるの? |
また、お盆にお供えの花を贈りたいと考えている方は、花キューピットのサイトをご覧ください。
花瓶に生けなおす必要がなく、立体的なデザインの展開も多いフラワーアレンジメントや、お墓に供えやすい花束、長持ちする胡蝶蘭の鉢植えなど種類豊富にお供えの花をご用意しています。