2017-08
9月におすすめ!上品で可憐な「デンファレ」
もうすぐお誕生月となる9月生まれの皆様、おめでとうございます!
9月におすすめな花は、気品と可愛らしさをあわせ持った「デンファレ」です。
他の洋ランと比べて小ぶりな花は、様々なお祝いのシーンで活躍します。
今回の花だよりでは、9月におすすめな「デンファレ」についてご紹介します。
■樹木に寄り添って咲く「お似合いの二人」
デンファレという花名は【デンドロビウム・ファレノプシス】という正式名の略称です。
デンドロビウム属に分類されて、ファレノプシス(コチョウランの学名)に似た花が咲くことから名付けられました。
【デンドロビウム】という属名は、ギリシャ語の「dendron(樹木)」と「bion(生命・生活)」に由来します。
樹木の幹や枝に根を張り付かせて、空気中の湿気・雨などから水分を得て生長する種類です。
わざわざ樹木の上に自生するのは、地球上に現れたのが遅かったことが理由とされています。
ランの原種が誕生した頃には、条件のよい場所は既に他の植物で覆われてしまっていました。
そこで生存競争の少ない環境を求めて、一部の原種は樹木の上に根を下ろしたのです。
このような種類のランは【着生ラン】と呼ばれています。
寄生植物と違い、樹木から栄養分を奪ってしまうことはありません。まさに「共存」といえる関係です。
デンファレには、この特徴からつけられた「お似合いの二人」という花言葉があります。
夫婦間・恋人間で贈るプレゼントにぴったりの言葉ですね。
デンファレの花が、樹木に寄り添って咲いているように見えることに由来しています。
他にも「有能」などの花言葉があるので、上司・部下・取引先の方への贈り物にもおすすめです。
■食卓を彩る鮮やかなデンファレの花
カジュアル・フォーマルのどちらにも合うので、フラワーギフトとして重宝されているデンファレ。
ギフトだけではなく、身近なところで使われているのをご存知でしょうか?
南国系の料理やパンケーキに、デンファレの花が添えられていることがあります。
このデンファレは、ただの装飾ではなく【エディブルフラワー】と呼ばれる「食べられる花」です。
お刺身に乗っている菊の花も、実はエディブルフラワーの一種なんです。
デンファレの花は、野菜のようなサクサクとした食感で、噛むと若干の粘り気があると言われています。
ですが、これはあくまでも「食べられるデンファレ」の場合です。
食用として使われるエディブルフラワーは、農薬を一切使わず、安全に配慮して育てられています。
花屋さんで売っているデンファレは食べられないので、注意してくださいね。
涼しい季節の訪れを感じる晩夏~秋の花
8月も後半に差し掛かり、少しずつ暑さが和らいできました。
秋へ向けて、新たな花が咲きはじめる頃合いですね。
今回の花だよりでは、8月以降に開花する晩夏~秋の花について詳しくご紹介します。
■コスモス
開花時期:6~11月
・夏咲き…6~8月
・早咲き…9月
・秋咲き…10~11月
コスモスの開花時期は品種によって異なります。
秋桜(アキザクラ)という和名の通り、元々は秋の花です。品種改良により、夏にも咲くようになりました。
夏咲き・早咲き・秋咲きをそれぞれ育てると、花を長く楽しむことができます。
最も有名なピンク・赤・白などの花は【オオハルシュンギク】という種類です。
チョコのような甘い香りの【チョコレートコスモス】、ビタミンカラーの【キバナコスモス】の3種類がよく育てられています。
小さな花びらを沢山つけるものや、花びらの縁だけ色が異なるものなど、花型も様々です。
こちらは【シーシェル】という品種で、花びらが筒状に丸まっています。
▼ シーシェル
花びらが整然とそろっているので、ギリシャ語の「kosmos(意味:秩序、調和)」という単語から名付けられました。
これにちなんで「乙女の真心」「調和」「謙虚」などの花言葉を持っています。
■ダリア
開花時期:7~10月
品種改良が盛んに行われている花で、豊富な色と形が特徴です。
色は、赤・ピンク・オレンジ・黄・紫・白…と多岐にわたりますが、純粋な“青”はありませんでした。
英語では「blue dahlia」という言葉が「ありえないこと、手に入らないもの」という意味で使われています。
そんな中2012年に、千葉大学院 園芸学研究科のチームが青いダリアを開発しました。
ツユクサから青の遺伝子を取り出し、濃いピンクのダリアに組み込んだものです。
このように、研究者の方々の努力によっていくつもの種類が生み出されています。
花型についても、なんと16種類もの咲き方があります。
八重咲きでボールのような丸型のイメージがありますが、こんな変わった形も見られます。
▼ オーキッド咲き
一重咲きの花びらが内巻きになり、まるでヒトデのような咲き方
▼ コラレット咲き
一重咲きの花びらの根元から、短い花びらが出ている咲き方
■オミナエシ
開花時期:7~10月
秋の七草にも選ばれているオミナエシは、日本古来の馴染み深い花です。
平安時代以前より薬草として用いられており、万葉集や源氏物語にも記されています。
漢字で書くと「女郎花」ですが、名前の由来にはいくつかの説があります。
・高貴な女性を圧倒するくらい美しい花なので「女(オミナ)圧し(ヘシ)」
・小さな黄色い花が「女飯(粟飯)」に似ていることから「女(オミナ)飯(メシ)」
花言葉も「美人」「はかない恋」「忍耐」など、昔の女性像を連想させるものになっています。
女性に例えられることが多い花なんですね。
ちなみにオミナエシ科には、より太く毛深い「男郎花(オトコエシ)」も属しています。
残念なことに、オミナエシ・オトコエシともに切り花には向いていません。
草全体が乾いてくると、独特な臭いが漂うようになります。「トイレの臭い」「獣っぽい臭い」などに例えられることも…。
昔の人々は「醤油が腐ったような臭いだ」として、オミナエシに「敗醤(ハイショウ)」という別名をつけています。
意外な特徴もありますが、歴史のある可愛らしい花です。
儚げに揺れている黄色い花は、秋の訪れを感じさせてくれます。
秋の花・リンドウや、秋らしい色合いの花たちをたっぷり使った【敬老の日ギフト】受付中です。
お供えの切り花を長持ちさせるコツ
お墓やお仏壇に花を供える際に、お手入れの大変さを感じることはありませんか?
夏場はより一層花持ちが悪くなるため、お盆の時期は大変ですよね。
今回の花だよりでは、お供えの切り花を長持ちさせるためのポイントをご紹介します。
■一番大切なのは、毎日の水替え・水切り
切り花が傷んでしまうのは、水中で繁殖するバクテリアが原因です。
汚れた水に挿しておくと、バクテリアの影響で茎が詰まってしまいます。
茎が詰まることで水を吸えなくなり、元気がなくなってしまうんです。
やはり、水を毎日替えてあげることが一番重要です。
茎に付いているぬめりを洗いながすと、バクテリアが落ちて清潔になります。
もうひと手間かけて、一緒に【水切り】を行うと、格段に長持ちするようになります。
【水切りの方法】
1.バケツなどに水を張って茎の根元をつける
※ 花や葉が水につからないよう、茎の根元だけをつけてください。
2.水中で、茎の先端を1~2cm程 斜めに切る
※ 既に茎が変色している場合は、その部分を取りのぞいてから水切りします。
汚れた切り口をカットして、新しい切り口を出してあげる方法です。
茎に空気が入ってしまうと、気泡が詰まりの原因になるため、なるべく水につけたまま切ります。
斜めに切ると切り口の面積が広くなり、そのぶん水をたっぷり吸えるようになります。
■花筒へ挿す前にするべき2つの対策
忙しい毎日を送っていると、水替えを忘れてしまうことが多々あります。
特にお墓のお供え花は、毎日通ってお手入れするのが難しいですよね。
花筒へ挿す前に、簡単にできる対策があります!
1.茎の根元についている葉を取りのぞく
葉は水につかると腐りやすくなるため、細菌が繁殖する原因になります。
また、葉の枚数が多すぎると、そこから水分が蒸発して花まで水が届きません。
茎の半分より下あたりの葉を取りのぞきましょう。
※ 光合成が出来なくなるので、上の方の葉は残しておいてくださいね。
2.花筒に10円玉や漂白剤を入れる
・10円玉
10円玉を水に入れると、【銅イオン】という成分が溶け出します。
この成分には、水中の細菌の繁殖を抑える効果があるとされています。
まだ酸化していないピカピカの10円玉ほど、より効果が期待できます。
・漂白剤
塩素系の漂白剤には、水が腐るのを遅らせる効果があると言われています。
200㏄の水に対して、1~2滴程度の漂白剤を混ぜてください。
また、【延命剤】という切り花用の薬品も流通しています。
こちらは、花屋さんやホームセンターで入手できますよ。
ですが、これらの方法だけでは、毎日の水替え・水切りと同等の効果はありません…。
お盆の期間中だけでも、なるべく水替えができるといいですね。
■造花ではなく生花をお供えする理由
仏教では、仏様はお食事の代わりに香りを召し上がるといわれています。
お線香や果物・花などは、故人に良い香りを楽しんでいただくためにお供えしているのです。
そのため、お供えには 生花(本物のお花)を用いるのが良いとされています。
とはいえ、造花が禁止されているわけではありません。
虫や野生動物に荒らされるのを防ぐため、造花を勧めている墓地もあります。
お花の種類よりも、故人を想って供養する気持ちが大切です。
お盆のお墓参りに適した洋花3種類
多くの地域では、8月13日~16日にお盆が執り行われます。
この時期に故郷へ帰り、お墓参りに行かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
お供えの花といえば菊が一般的ですが、基本的に「絶対に菊を入れる!」というような決まり事はありません。
近頃は洋花(※明治以降に西洋から入ってきた花)の需要も高まっています。
故人のことを考えながら、ご遺族にも十分配慮して選んでくださいね。
今回の花だよりでは、お供えによく用いられる洋花をご紹介します。
■ユリ
お供えに用いるユリは白色が一般的です。
最も有名な白ユリは【カサブランカ】ですが、使われている品種は【テッポウユリ】や【スカシユリ】など様々です。
中でもテッポウユリは、純白の花弁や控えめな香りが好まれています。
また、お盆は、帰ってきた故人の霊を手厚くおもてなしする行事です。
気品のあるユリは、故人を盛大に迎える場に見合っています。
なお、花粉には注意が必要です。墓石や服につくとなかなか取れないため、花粉を落としてから使うようにしましょう。
お店で売っているユリは、既に花粉を取ってある場合がほとんどです。
■トルコキキョウ
夏場は花が痛みやすいため、長持ちする種類がおすすめです。
仏花の代表である菊も、芯がしっかりしており水揚げが良い花として重宝されています。
同じくトルコキキョウも、花持ちが長いことからお供えとして選ばれるようになりました。
通年流通しているため、どの時期でも安定して手に入ることも理由です。
ちょうど6~8月頃に旬を迎えるので、特にお盆に適しています。
結婚式などの慶事にも使われる花なので、色の種類がとても豊富です。
グリーンや淡いピンクを添えると、鮮やかすぎず明るい印象に仕上がります。
■カーネーション
母の日のイメージが強いカーネーションですが、お供えにもよく使われる花です。
スーパーで売っている仏花にも、よくカーネーションが入れられています。
カーネーションは「無垢で深い愛」という花言葉を持っており、故人への変わらぬ愛情を伝えてくれます。
色ごとの花言葉もあり、特に赤や白が好まれています。
赤…「母への愛」「真実の愛」
白…「純粋な愛」「私の愛は生きています」
ピンク…「感謝の心」「あたたかい心」
■仏事にバラはNG!
仏事全般で、トゲのある花(バラやアザミなど)はタブーとなっています。
その他、毒のある花(彼岸花やスズランなど)や悪臭のする花も好ましくありません。
非常識と思われる可能性があるので、基本的には避けたほうが良いでしょう。
ただし最近では「習慣にとらわれず、故人の好きだった花を飾りたい」と考える方も増えています。
バラをお供えする際は、必ずご遺族の方の承諾を得て、トゲを取り除いたものを使いましょう。