2015-11
世代を超えて愛される花 ~12月の誕生花 赤バラ~
一年も残りひと月ほどとなりました。年末年始が近づくこの時期には、イルミネーションやイベントなどで、どこか心が弾んできます。
12月の誕生花は、街中の輝きにも負けない鮮やかな美しさと存在感を持つ花の女王、赤バラです。
■バラと慣用句
プレゼント用のお花としてもっとも人気の花がバラ。特に、真っ赤なバラは女性を中心に強い人気を誇ります。
英語でバラを意味する「rose」という単語は、ケルト語で赤を意味する言葉が語源になったという説もあり、古来からバラといえば赤、というイメージは広く浸透していたようです。
古くは紀元前から栽培されているバラは、慣用句としても多く使われています。たとえば「under the rose」(バラの下)という言葉は「秘密に」という意味。これは、古代ローマでは天井からバラの花をつりさげた部屋で交わした会話は秘密とする、という慣習から生まれた言葉です。
「a blue rose」は長い間生み出すことは不可能だ、とされていた青バラのことですが、そこから転じて「不可能なこと」「出来ない相談」をさす言葉としても使われます。
「a bed of rose」(バラのベッド)は「安楽な境遇」というやや否定的なニュアンスで使われる言葉ですが、日本で「バラ色の人生」といえば、美しい輝きと彩りに満ちたポジティブな意味で用いられますね。
地域や年代によって様々な意味で用いられるバラ。古くから愛され、強く人間の文化に結びついていることがわかります。
■バラの野生種 ワイルドローズ
通常、お花屋さんや庭園で見ることができるバラは、その多くが品種改良によって生み出された園芸種です。バラの野生種は一般的にワイルドローズと呼ばれ、野生種らしく凛とした力強い美しさから愛好家も多いです。
このワイルドローズ、北半球に150~200種類ほどがありますが、園芸種の親となったのはなんと8~9種しかありません。意外なことに、その原種の多くはアジアが原産地となっています。
バラの園芸種の多くは寒さの厳しい冬を除き、一年中花を咲かせる四季咲き性という性質を持っていますが、この四季咲き性は中国原産のコウシンバラから取り入れられた性質です。また、品種改良の中心であったヨーロッパには黄バラはありませんでしたが、西アジアに自生していた黄バラ「ロサ・フェティダ」が親となり、1900年ごろに園芸種の黄バラは生み出されました。
日本に自生しているバラの中でも、特にノイバラは房状に花をつける房咲き性という性質を園芸種のバラに与えた原種として有名です。また、ノイバラは病気に強いため、接ぎ木のときの台木としても使われます。
■12月生まれの方に赤バラを
赤バラの花言葉は「愛情」「美」「熱烈な恋」。大切な方へ贈るにはぴったりの花言葉ですね。特に女性へのプレゼントとして贈れば、特別感のある贈りものとして強く印象に残ることでしょう。
赤バラの緑の葉と真っ赤な花は、クリスマスカラーとして楽しむことができます。季節感を演出するギフトとしても、12月うまれの方へ贈るにはぴったりですね。
12月に誕生日を迎える方には、赤バラをつかったフラワーギフトで「おめでとう」を伝えませんか。
お墓参りの花・お供えの花のルールと、お墓参りのマナーとは?
お墓参りのときにはお花を持っていくことがほとんどです。これは、お花を通じて命のはかなさや尊さを知るためといわれています。
今回の花だよりでは、お墓参りとお花についてお伝えします。
■お供え用の花
供花とは、キクやトルコキキョウ、カーネーションやリンドウなどを束ねた花束です。色は白や黄色、淡いピンクなどが多いですね。お墓の場合、基本的に供える場所が2か所あるため、2束用意するようにします。
一般的に、棘のある花や香りの強い花、毒のある花は用いないとされていますが、実は「この花をつかわなければいけない」という決まりはありません。また、色も淡い色でなければならないという決まりもないため、故人が生前好きだったお花などをお供えするといいでしょう。
迷ったときは、バラ・アザミ・ヒガンバナを避けた花束にするといいですね。お花屋さんで「お墓に供える花をください」といえば、地域のしきたりに合わせた花束をつくってくれるため、安心です。
■お墓参りのマナー
お墓参りのときには、あらかじめお供え用の花束を持っていくようにします。掃除用にゴミ袋や歯ブラシ、たわしなども一緒に持っていくといいでしょう。仏式のお墓にお参りするときはお線香も用意しますが、お寺で販売している場合もあります。
お墓についたら、まずは手を合わせ礼拝をします。そのあと、歯ブラシやたわしなどでお墓を綺麗に掃除しましょう。
隅々まで綺麗にしたら、花束やお線香をお供えします。そして、最後にもう一度手を合わせ、ご先祖様への供養の気持ちをこめて礼拝します。
お盆やお彼岸、命日などには、お花を持ってお墓参りにいきませんか。
ドライフラワーの作り方
お花をもらったり買ったりしたときは、誰もが長持ちさせたいと思いますよね。
お花を綺麗な状態で保つ方法のひとつに、ドライフラワーにするということがあげられます。一見作るのが難しそうなドライフラワーですが、実はとっても簡単。
今回の花だよりでは、ドライフラワーについてお伝えいたします。
■ドライフラワーに向く花
ドライフラワーとは、その名の通り乾燥させたお花です。水やりの必要がなく、長く楽しむことができます。特別な記念日などにもらった花束をドライフラワーにすれば、より長い間手元に置いておくことができますね。
ドライフラワーにはしやすい花としにくい花があり、バラやカスミソウ、センニチコウは、特に綺麗なドライフラワーをつくることができます。反対に、ユリやトルコキキョウ、チューリップなどの水分が多い花をドライフラワーにするのは難しいとされています。
色の濃い花をドライフラワーにすると、その色合いを残すこともできます。ただし、真紅のバラについては、ドライフラワーにすると黒くなってしまいます。ドライフラワーにするなら、ピンクやオレンジ、黄色のバラがおすすめです。
■ドライフラワーの作り方
ドライフラワーの作り方にはいくつか方法がありますが、もっとも簡単な方法にハンギング法という方法があります。
まず、花瓶などに生けていた場合は、水に浸かっていた部分を切り落とします。その後、余分な葉を落としましょう。
大輪の花は一輪ずつ、小さな花は輪ゴムで束ね、麻ひもやビニールひもを茎に結び付けます。風通しがよく、日があたらない静かな場所に、花を下向きにしてつりさげましょう。
干している期間は花の状態によっても変わりますが、大体1週間~2週間ほどつりさげておけば、自然と乾燥します。
ドライフラワーになった花は、束ねて壁につりさげればオシャレなインテリアになりますし、花瓶やカゴに飾れば生花と同じように楽しむこともできます。生花とはまた違った趣きがあり、様々な方法で生活を彩ることができます。
お花をより長く楽しみたいときには、ドライフラワーを作ってみませんか。
喪中はがきが届いたら
最近では、家族葬や近親者だけで葬儀をおこなう方が増えました。親しかった方やお世話になった方の訃報を、喪中はがきで知るという方も多いようです。
今回の花だよりでは、喪中はがきと喪中見舞いについてお伝えいたします。
■忌中と喪中
家族や親族など、近親者が亡くなった時に派手な行動やお祝いごとを控える期間を忌中や喪中といいます。亡くなった方との間柄にもよりますが、父母や配偶者など特に近しい方が亡くなった場合は、忌中が四十九日まで、喪中が一周忌までとされることが多いようです。
江戸時代や戦前には忌中・喪中の期間が法律で厳格に定められており、忌中は自宅に謹慎する期間、喪中は喪服を着用する期間とされていました。
現代ではあまり区別されることがなくなった忌中と喪中ですが、忌中の間は結婚式の出席や引っ越し、神社への参拝は避けるべき、とされています。また、喪中の間もできる限りお祝いごとは行わないようにします。
■喪中はがきとは
喪中の間は、新年のお祝いも避けることになります。年賀状を出すこともしないため、「喪中であるので、新年のあいさつを欠く」ということを知らせるために、喪中はがき(年賀欠礼状)を送ることが一般的です。
喪中はがきには決まったルールはありませんが、多くの人が年賀状の準備をし始める11月中旬ごろに、遅くとも12月の頭までには送られることが多いようです。形式も比較的自由であり、華美にならない程度に淡い色のイラストがついていることもあります。
喪中はがきを受け取った場合は、基本的にはこちらも年賀状を送ることはありません。近況を知らせたいときなどは、松の内を過ぎてから寒中見舞いを送るといいですね。喪中はがきに「例年通り年賀状を贈ってほしい」という旨が記載されていた場合は、年賀状を出しても大丈夫です。
■喪中見舞いを贈りませんか
喪中見舞いは近年になってできたものとされていますが、その背景には、訃報を喪中はがきで知ることが増えたことがあげられます。亡くなってから日にちがたっているけれど、哀悼の気持ちを伝えたい…という場合に、手紙やはがきに添えてお花などを贈ります。
喪中見舞いのなかでも、哀悼の気持ちを表しやすい、ご霊前にお供えするお花を選ぶ方が多いです。電話やはがきで弔意を伝えるだけよりも気持ちが伝わる、お返しなどの負担を考えなくてもいい、という理由から、受け取る方にとってもお花は好まれているようです。
喪中はがきが届いたら、お花に故人を偲ぶ気持ちを添えて、喪中見舞いを贈りませんか。