2024-09
花束のケイトウの長持ち方法。おすすめなお手入れとは?ドライフラワーにするコツも紹介
個性的な花姿が魅力的なケイトウ。
ケイトウは、夏から秋にかけてお花屋さんで多く流通している花です。
今回は花束などで使われている切り花のケイトウを、長持ちさせるお手入れのポイントと、ドライフラワーにするときのコツをご紹介します。
プレゼントでケイトウをもらったときや、自宅用として購入した際は、この記事をチェックしてみてください。
ケイトウの花はどんな花?基本情報
まずは、ケイトウがどんな花なのかをご紹介します。
他の花にはないような、個性的な花姿をしているケイトウ。
「ケイトウ」という名前を知らなかったとしても、お花屋さんで見かけたことや、もらった花束などで見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。
他の花とは違った花姿は、印象に残りやすいかと思います。
ケイトウがお花屋さんで多く販売されている時期は、8月~9月頃。
ケイトウは主に夏~秋にかけて流通しています。
そのため、夏や秋にある誕生日や結婚記念日のプレゼントとして贈られる花束や、フラワーアレンジメントに使われることも多いです。
加えて独特な花姿をしていることと、秋に多く流通していることからハロウィンをイメージしたデザインなどでは多く活用されているようです。
一方でケイトウはお祝いだけではなく、お供えの花としても選ばれています。
お盆や秋のお彼岸などでは、菊やトルコキキョウと合わせてお供えの花として贈られることもあるようです。
ケイトウの花言葉
ケイトウは、たくさんの花言葉を持っています。
- おしゃれ
- 個性
- 風変わり
- 気取り屋
ケイトウの名前の由来
ケイトウの名前の由来は、花姿からといわれています。
ケイトウは漢字で書くと「鶏頭」となります。
赤いケイトウの花を見た時に、鶏のトサカに似ているということで、名前が付いたとされています。
ちなみに、学名の「Celosia」もケイトウの花姿が由来になっています。
しかし、学名はトサカが由来ではありません。
気になった方は、こちらも併せてチェックしてみてください。
ケイトウの学名の由来を紹介しています。
ケイトウの学名の由来は? ケイトウの花が何に見えた?学名はケイトウの花姿から付けられました。 |
ケイトウは暑さに強い
ケイトウは、他の花よりも比較的暑さに強い花です。
そのため、先にご紹介したようにお盆の花としてもよく選ばれています。
ケイトウの花は残暑の時期である8月にも、プレゼントやお供えにおすすめです。
ケイトウは花びらがない。これが花持ちのいい理由?
ケイトウは、他の花に比べて比較的花持ちの良い花です。
花束でケイトウ以外の花がしおれてしまっても、ケイトウはまだきれいに咲いているということもあります。
ケイトウが花持ちの良い理由は、ケイトウの花のように見えるベロアのような素材のフサフサした部分は、実は茎が変形したものだからです。
花のように見える部分(鶏のトサカやサンゴ、炎のように見える部分)は「花序(かじょ)・花穂(かすい)」と呼ばれ、実際には花ではありません。
ケイトウの花は、サンゴのような部分の下にあります。
写真でわかるように、ケイトウの花には細かい毛のようなものが付いているだけで、花びらはありません。
花束などで使われている切り花は、花びらが傷んでしまうことが多いです。
そのため、花びらを持たないケイトウは比較的長持ちしやすいのです。
ケイトウの長持ち方法・おすすめのお手入れ
ここからは、ケイトウを長持ちさせる方法についてご紹介したいと思います。
自宅でケイトウを飾っているという方は、ぜひチェックしてみてください。
花瓶に飾る前に葉を取り除く
ケイトウの葉は傷みやすいため、花瓶に飾る前に取り除くことがおすすめです。
ケイトウの葉はお花屋さんで取り除かれていないと、意外とたくさん付いています。
特に葉がしんなりとして元気がなくなっているものは、飾る前に事前に取り除くと良さそうです。
またデザインなどに影響しないときは、茎に付いている葉を全て先に取ってしまいましょう。
飾る前に水揚げする
花束を花瓶に飾る前に、水の中でケイトウの茎をカットするのがおすすめです。
バケツや深い花瓶、洗面器などに溜めた水の中に、ケイトウの茎を入れて下から1~3センチくらいのところを、園芸ばさみやカッターでカットしましょう。
茎をカットする時は、斜めに刃を入れるようにできるとより良いです。
茎を斜めにカットすることで、水と触れる茎の断面が大きくなり水をより吸い上げることができます。
茎を水の中で切る理由は、茎の中に空気が入らないようにするため。
茎の中に空気が入ってしまうと、ケイトウの吸い上げる力が弱くなり、十分な水を花まで届けにくくなるのです。
ちなみに茎をカットする園芸ばさみやカッターは、切れ味が良いものを選んでください。
切れ味が悪いものを使うと、茎の中の水を運ぶ管が潰れて水を吸い上げにくくなってしまいます。
この水の中で茎をカットする方法は、ケイトウ以外にも使うことができます。
また、花瓶に飾る前だけではなく定期的にカットしたり、花の元気がなくなったときにカットしたりするのも効果的です。
Q1.お花を買った、いただいた。まず最初にすべきことは? A:水揚げして吸水力をアップさせよう。方法を解説! |
花瓶の水は浅くする
ケイトウを花瓶で飾るときは、水の量を少なくしてください。
浅水で飾るようにしましょう。
水に浸かっていると、茎が腐りやすくなります。
どの花でも水に浸かっていると、茎は腐りやすくなりますが、ケイトウは他の花に比べるとやや茎が腐りやすい傾向にあります。
茎が腐ると花まで水を吸い上げることが難しくなり、しおれる原因になることも。
花を花瓶に飾るときは水をたっぷり入れたくなりますが、切り花は少しの量でも水を吸い上げることができるので安心してください。
風通しの良い涼しいところで飾る
湿度が高い場所に置いておくと、ケイトウがカビてしまう可能性があります。
風通しがよく、涼しい場所に花瓶を置くようにしましょう。
比較的暑さに強いケイトウですが、涼しい場所の方がより長持ちします。
具体的には、玄関や冷房が効いているリビングなどがおすすめ。
ただしエアコンの風に直接当たる場所に置くと、花が乾燥しすぎてしまうため避けるようにしましょう。
また植物を育てるときは日の光が必要なため、窓際など直射日光が当たる場所に切り花を飾る方がいらっしゃいます。
しかし、切り花の場合は葉・花から水分が抜けてしまうことや、日の光で花瓶の水が温まってしまう可能性も。
花瓶を置くなら、直射日光の当たらない場所がおすすめです。
輪ゴムを取って花と花の間隔を空ける
花束はラッピングを取ると、輪ゴムや麻ひもなどでまとめられていることが多いかと思います。
自宅でケイトウを飾る際は、輪ゴムや麻ひもを取り除くのがおすすめです。
「きれいにデザインされている花束の輪ゴムを取りたくない」という方も、いらっしゃるかもしれません。
しかし輪ゴムをそのままにしておくと、輪ゴムで止まっている部分からケイトウの茎が腐ってしまうこともあります。
また輪ゴムを取り除くことで、花と花の間隔を広くすることができます。
花と花の間にスペースがあると風通しが良くなるため、より長持ちさせることができるのです。
花瓶の水は毎日取り換える
ケイトウの茎は、他の花に比べてやや腐りやすいため花瓶の水が汚れやすいことも。
そのため花瓶の水は、こまめに取り替えるようにしましょう。
特に夏など気温が高く暑い日は、毎日花瓶の水を取り替えられると良さそうです。
花瓶の水は、ケイトウなどの切り花が吸い上げる水。
水が汚れていると茎の中に汚れが詰まって、花まで十分に水が吸い上げられなくなることもあります。
花瓶の水を清潔に保つことによって、花持ちも変わってくるので、気が付いた時に水を交換するようにしましょう。
花瓶は洗剤で洗う
花瓶の水を取り替える時に、花瓶の中を洗剤で洗うようにするのがおすすめです。
水を取り替えても花瓶が汚れていると、すぐに水が汚れてしまいます。
洗わずに使い続けた花瓶の内側(水が入っていた側)を指で触ると、ヌルっとすることも……。
ぬめりをしっかりと取り除くように、洗剤を使って洗うのがおすすめです。
ブログ担当はケイトウを含めた切り花を花瓶で飾っていた際に、水を替えたり花瓶を洗ったりするのが面倒で、そのままにしていたことがありました。
8月初めのころでしたが、水を交換しないで3日が経ったとき(4日目)に水が濁っていることに気が付き、水を替える際に花瓶の内側を指で触ると、ぬめりを感じました……。
その後、食器用の洗剤を使って花瓶を洗い、花は水揚げをしました。個人的な体感ですが、他の花を飾っているときよりも水が汚れるのが早いように思いました。
※花瓶にはケイトウ以外も飾っていたため、すべてがケイトウの影響ではありません。水を交換したり花瓶を洗ったりするのは少し手間ですが、きれいな花を長持ちさせるためにお世話してあげてください。
毎回水を交換するのが難しいという方は、延命剤を水と一緒に入れるのもおすすめです。
延命剤の種類にもよりますが、水が濁ってきたと思うまで交換は不要です。
元気がないときは湯揚げする
花瓶で飾っている際にケイトウの元気がなくなった時は、熱湯を使って湯揚げするのがおすすめです。
湯揚げすることで、茎の中から空気を取り除き、細菌を少なくできます。
湯揚げの方法は、ケイトウの花まで覆うように新聞紙などで包み、茎の先端を1~3センチの深さがある80度以上のお湯に10秒~40秒ほど浸けます。
お湯に浸けていると、茎からブクブクと細かい泡が出てきます。
泡が止まるまでお湯に浸けておくようにするのが良いですが、浸けておく時間が長すぎると茎が傷んでしまうので注意してください。
湯揚げした後は、お湯に浸かっていた部分の茎をカットしてから、花瓶に戻すようにします。
ちなみに新聞紙で花を包むのは、湯気などで花を傷めないようにする効果があります。
ケイトウはドライフラワーにも向いている
ケイトウは生花として花瓶に飾るだけではなく、ドライフラワーにも向いている花の一つです。
ドライフラワーにするときのおすすめをまとめました。
- 色:濃い色(特に赤がおすすめ)
- 種類:久留米ケイトウ・トサカケイトウ
自宅でドライフラワー作りに挑戦したいという方は、比較的作りやすいケイトウやバラ、かすみ草、スターチスなどの花を選んでみてください。
ちなみにケイトウのドライフラワーを作りたいという方は、赤やピンク、オレンジなど濃い色を選ぶのがおすすめ。
理由はドライフラワーにする際に、水分と一緒に色が抜けてしまうことがあるため。
ケイトウらしいドライフラワーを作りたいときは、特にイメージの強い赤い色を選ぶとよさそうです。
またケイトウにはいくつかの種類がありますが、ドライフラワーにするなら久留米ケイトウやトサカケイトウが特におすすめです。
ケイトウの種類をもっと詳しく知りたいという方は、こちらを併せてご覧ください。
ケイトウの種類 トサカケイトウ・久留米ケイトウ・羽毛ケイトウ(フサゲイトウ)・ノゲイトウ(セロシア)についてご紹介します。 |
ドライフラワーにするときのポイント
ケイトウは花を下にした状態で吊るしておくだけで、ドライフラワーにすることができます。
簡単にドライフラワーにできますが、いくつかポイントがあるのでご紹介します。
ドライフラワーにする時は、すぐに吊るす
花瓶に飾り、元気がなくなってからドライフラワーにしようとする方がいらっしゃいます。
しかしドライフラワーは購入した時・もらった時すぐに乾燥を始める方が、きれいに仕上がります。
そのためドライフラワーを作りたいと思っている方は、自宅で花瓶に飾ってからではなく、すぐに乾燥させられるように吊るすのがおすすめです。
葉は先に取り除く
ドライフラワーでケイトウの葉を使わないとき(デザイン的に必要がないとき)は、先に取り除くことがおすすめです。
ドライフラワーにしている最中(乾燥させている間)に、葉がポロポロと落ちてしまうことがあります。
葉が落ちてしまうと、掃除をするのも大変なので事前に取っておくのが良いでしょう。
トサカ・サンゴのような下の部分(本当の花)は先に取り除く
先にご紹介したように、ケイトウの本当の花は、花のように見えている部分の下にあります。
細かな毛が生えている本当の花の部分は種がたくさんあり、乾燥させている間にポロポロと落ちてきてしまうことがあります。
そのため、先に取り除いておくことがおすすめです。
本当の花の部分を取り除いたとしても、ケイトウを象徴するようなサンゴ・トサカのような形(脳とも表現される)の部分は残るため、印象はそれほど変わりません。
茎に針で穴を開ける
やらなくてもいいのですが、何もしないよりも茎に針で穴を開ける方が、早く乾燥させることができます。
先にご紹介した通り早く乾燥させることによって、花が持っている色をより美しく保つことができます。
ケイトウの茎が太いときは、それだけ水分を多く含んでいます。
水を早く蒸発させられるように、茎に針で穴を開けるのも良いでしょう。
風通しが良いところに吊るす
できるだけ早く乾燥させた方が、きれいな色を残すことができます。
複数の本数を一気にドライフラワーにするときは、ケイトウの花と花が重ならないように吊るすことがおすすめです。
間隔をあけて乾燥させるのを、意識してください。
またケイトウの花を吊るす場所は、風通しがよい場所を選びましょう。
吊るす場所は、早く乾燥できる場所を意識するとよさそうです。
ちなみに湿度の低い秋~冬にかけては、ドライフラワーが作りやすい時期でもあります。
初めてドライフラワーに挑戦しようと思っている方は、湿度の低い時期に試してみてください。
直射日光が当たらないところに吊るす
直射日光に当たっていると、花の色が薄くなったり劣化が早くなってしまったりします。
太陽の光が当たる、窓際などで乾燥させるのは控えましょう。
吊るすときは床と垂直にする
ケイトウの花をどうやって吊るすのか、迷ってしまう方もいらっしゃるかと思います。
花の吊るし方は、いろいろあり、絶対的な正解はありません。
例えば、茎の先端を洗濯物を干す時に使っている、ピンチハンガーの洗濯バサミ部分で挟んでもOKです。
また茎の先端に麻紐を結び、そこにS字フックを取り付け、どこかに引っ掛けるようにしても問題ありません。
他には室内に紐をピンと張って、茎の先端と紐を洗濯バサミで固定するのもいいでしょう。
ブログ担当は、スズランテープでハンガーに茎の先端を括り付けていることもありました。
どんな吊るし方であっても、吊るすときのポイントは、茎を斜めに固定しないことです。
茎が斜めになっていると、ドライフラワーとして完成したときに茎が曲がっていることもあります。
茎が斜めになっていると花の重みで茎が曲がり、そのまま曲がった形で乾燥してしまうことがあるのです。
ドライフラワーになると、曲がった茎を直すことは難しいです。
花を吊るすときは、床と垂直になるように「まっすぐ」を意識して乾燥させてみてください。
鉢植えのケイトウの育て方
ここまで花束などで使われる切り花のケイトウについてご紹介してきましたが、ケイトウは鉢植えとしても流通しています。
寄せ植えになっていたり、花壇に植えるようにポットに植わっていたり、ケイトウはお花屋さんや園芸店、ホームセンターなどで購入できます。
ケイトウは比較的育てやすく、ガーデニング初心者の方でも安心して育てられる花です。
開花時期は7月~11月で、夏~秋にかけてケイトウの花を楽しむことができます。
鉢植えのケイトウを育てる時は、日当たりが良く風通しの良い場所で、たっぷりと水やりをするようにしましょう。
そして花が終われば種を取り、その種を使って来年もケイトウの花を楽しむこともできます。
もっとケイトウの育て方を知りたいという方は、こちらを併せてご覧ください。
ケイトウのかかりやすい病気や被害にあいやすい害虫について、さらに水やりの頻度なども掲載しています。
ケイトウの育て方 ケイトウの花は初心者の方でも育てやすく暑さに強い植物です。これからガーデニングを始めたいという方は、この記事をチェックしてみてください。 |
まとめ
今回は切り花のケイトウの長持ち方法と、ドライフラワーにするときのポイントをご紹介しました。
もともとケイトウは他の花に比べて、比較的長くきれいな姿を見せてくれる花ですが、お手入れをすることでより長く観賞することができます。
長持ちさせるときのポイント
- 飾る前に葉や輪ゴムは取り除く
- 花瓶の水は浅水で毎日取り替え、花瓶は洗剤で洗う
- 風通しがよく直射日光の当たらない場所に飾る
- 水揚げや湯揚げをして水を吸い上げやすくする
またケイトウはドライフラワーに向いている花で、初めてドライフラワーに挑戦する方にもおすすめです。
ドライフラワーにするときのポイント
- 新鮮な花をドライフラワーにする
- 葉や細かい毛が出ている部分(本当の花)は取り除く
- 風通しがよく直射日光の当たらない場所で作る
- 乾燥させるときに茎が曲がらないように注意する
ケイトウは個性的な花姿で、花束に使えばボリュームがあり、ゴージャスな雰囲気のデザインを作ることもできます。
炎を思わせるような形やサンゴのような形、もこもことした形など他の花にはない見た目が花束全体のアクセントになるでしょう。
そしてケイトウはひまわりのように、花の表と裏がはっきりわかる花ではありません。
そのためどこから見てもきれいな姿を楽しめ、テーブルの中心に飾るのもおすすめです。
ケイトウは、ブーケやオールラウンドのフラワーアレンジメントにもよく活用されています。
お花屋さんでケイトウの花を購入できるのは、夏~秋にかけてがメインです。
「季節の花を飾りたい」と思っている方は、ぜひケイトウの花を手に取ってみてください。
また夏生まれの方への誕生日プレゼントや、ハロウィンパーティーに持っていく手土産をお探しの方にもケイトウはおすすめ。
ビビッドなケイトウの色が夏にぴったりで、個性的な花姿と暖かそうなケイトウの質感がハロウィンの雰囲気にも合いそうです。
秋におすすめの花【ケイトウ】の花言葉・育て方・特徴を紹介。ガーデニングを楽しもう
花は春のイメージがある方も多いかと思いますが、実は秋が旬の花も多くあります。
そこで今回は秋におすすめの花、ケイトウについてご紹介します。
ハロウィンに向けてガーデニングをされる方や、秋らしい雰囲気のお庭を作りたい方は、ケイトウの特徴や育て方をチェックしてみてください。
ケイトウはどんな花?
まずはケイトウは、どんな花なのかをご紹介します。
「ケイトウ」という名前を知らない方も、花壇などで見たことがある花ではないかと思います。
他の花にはない特徴的な姿をしているため、見たことがあれば「あの花か!」と思い出すことができるはずです。
基本情報
ケイトウの基本情報はこちらになります。
- 学名:Celosia argentea・Celosia cristataなど
- 科・属:ヒユ科・ケイトウ属(セロシア属)
- 分類:一年草
- 開花時期:7月~11月
- 原産地:熱帯アジア・インド
- 花色:赤・黄色・オレンジ・ピンク・紫・グリーンなど
- ガーデニングのおすすめポイント:開花している期間が長い・初心者でも育てやすい
他の花にはないような、個性的な形が特徴的なケイトウ。
鮮やかな色合いと、その独特な形がケイトウの魅力で、夏から秋にかけて花壇や庭などを彩ってくれます。
お花屋さんだけではなく、公園や学校の花壇などでも見かけることも多いのでは。
ケイトウは比較的丈夫で、ガーデニング初心者の方でも気軽に育てることができます。
そのためケイトウは、これからガーデニングを始めたいと思っている方や、気軽に玄関や庭先に彩りを添えたいと思っている方にもおすすめです。
花束のケイトウの長持ち方法。おすすめなお手入れとは?ドライフラワーにするコツも紹介 花瓶でケイトウを飾るときの長持ち方法は?鉢植えではなく、ケイトウの花束を飾るときはこちらをチェック |
特徴・名前の由来
先に紹介した通り、ケイトウの特徴は独特な花姿です。
ケイトウの品種によって花姿は異なりますが、その形はろうそくの炎のようだと言われたりニワトリのトサカのようと言われたり、珊瑚のような形と言われたりしています。
よくイラストで描く花のようにパッと開花した、ガーベラのような花の形とは全く異なります。
ちなみにケイトウの触ってみたくなるような質感は、フェルトやベルベット、毛糸のような質感と例えられています。
ケイトウと他の花を合わせてガーデニングをするときは、その唯一無二なケイトウの姿が全体のデザインに良いアクセントをもたらしてくれるでしょう。
ケイトウという花の名前は、赤いケイトウの花の様子が鶏のトサカに似ていたからと、いわれています。
ケイトウの花は漢字で「鶏頭」と書きます。
また学名の「Celosia(ケロシア)」は、ギリシャ語の「keleos(燃やした・燃焼)」に由来しているとされています。
赤いケイトウの花が、炎のように見えたことから付けられたのだそう。
花言葉
ケイトウの花言葉は、おしゃれ・個性・風変わり・気取り屋などがあります。
「個性的」や「風変り」という花言葉も名前の由来と同じように、ケイトウの花の見た目から付けられたことがわかるかと思います。
ちなみに「気取り屋」という花言葉は、赤いケイトウの花が胸を張って歩くニワトリのように見えたことから付けられたのだそう。
どうして秋におすすめ?
花束やフラワーアレンジメントで使われる切り花のケイトウは6月~11月頃までお花屋さんで置いてあることが多く、8月~9月は最もケイトウの流通が多いといわれています。
ケイトウは夏の終わり頃から、お花屋さんで見ることが多くなっていく花なのです。
そのため、秋の始まりを感じさせる花としても知られており、旬も秋になります。
そして、公園の花壇や庭先などで育てる鉢植えのケイトウの開花時期は、7月~11月頃。
10月~11月頃もきれいな姿を見せてくれるため、秋のガーデニングなどにも、よく活用されています。
ケイトウは、秋になると見かけることの多い花の一つかもしれません。
またケイトウの花色は秋らしいくすみカラーや深い色合いも多く、秋の落ち着いたおしゃれなデザインを表現できるのです。
ケイトウを花瓶に飾ったり自宅の花壇に植えたりすれば、ワイン色や彩度の低いオレンジなど、秋を感じられる彩りを添えてくれます。
加えてふわふわ・もこもことした温かな質感の花姿は、だんだんと肌寒さを覚えてくる秋の季節にぴったりなのです。
実は夏にも活躍している!
ケイトウは、夏から秋にかけて活躍する花です。
そのため秋におすすめの花としてケイトウの花を紹介してきましたが、実は、ケイトウは夏に花をプレゼントするときにもよく活用されています。
ケイトウは、夏の暑さにも丈夫な花の1つ。
寒さは苦手ですが、暑さには強いため先に紹介したように夏にも人気のある花なのです。
花束やフラワーアレンジメントなどで使われる切り花では、夏の誕生日ギフトや結婚記念日のプレゼントとして贈られることがあります。
ケイトウと、夏の花の代表であるひまわりを組み合わせることも少なくありません。
目を引く鮮やかな色合いが楽しめる、パワフルなギフトにすることもできます。
さらにケイトウはお祝いだけではなく、お盆のお供え(秋にはお彼岸の花)としてお墓参り用の花束や、仏壇に供える花束として活用されることも。
お祝いからお供えまで、幅広く活用されている花なのです。
またケイトウは切り花だけでなく、夏のガーデニングにも人気があります。
夏の暑さが厳しい時にも元気に美しく咲いてくれるケイトウは、夏の庭も彩っています。
ケイトウを夏に植えて、そのまま秋の花壇も彩ることもあるのだそう。
ケイトウは鮮やかで元気な印象の花色が夏を彩り、ふわふわとした温かな質感が秋らしさを演出してくれるでしょう。
ケイトウをどう楽しむ?
先にご紹介した通り、ケイトウは花束やフラワーアレンジメントで使う切り花としてだけではなく、鉢植えやガーデニング用のポット、種などでも流通しています。
切り花のケイトウを自宅の花瓶に飾り秋らしさを感じることはもちろん、ケイトウを庭に植えて秋にぴったりな温かな雰囲気を演出することもできるのです。
ケイトウだけを植えて統一感を出したり、他の花と組み合わせてガーデニングの表現を広げたりすることもできるでしょう。
ケイトウには60以上もの品種があるといわれており、花色や咲き方にたくさんの種類があります。
ケイトウを使って、自分の好きな表現を探してみてください。
ちなみに切り花のケイトウはお花屋さん以外にも、スーパーの切り花コーナーなどでも販売されています。
日ごろ花を飾らない方の中には、季節の花を楽しむことに対してハードルが高いように感じる方もいらっしゃるのでは。
しかし、実は思っている以上にケイトウを含んだ季節の花は、気軽に購入することができます。
お花屋さんに入りづらい方は、スーパーやネット通販から気になったときに購入してみてください。
ちなみにお花屋さんでは、1輪から購入できるところがほとんどです。
店内で気になった花に出会ったときは、1輪から気軽に花を購入し自宅で飾ってみてください。
また鉢植えのケイトウは、お花屋さん以外にホームセンターや園芸店などでよく販売しています。
いくつかのケイトウが寄せ植えになっている大きな鉢のタイプや、小さなポットに植わっていて持ち帰りやすいサイズのタイプなども流通しています。
販売されている鉢植えの中には、丸い鉢植えにろうそくのようにケイトウが植えられ、まるでケーキに見えるデザインも。
ケイトウは色や植え方によって、個性的で面白い表現をすることもできるのです。
鉢植えも切り花のように自分の植えたい場所や、飾りたい場所にあったものを選べそうです。
ケイトウの育て方
ここからは、ケイトウの育て方についてご紹介します。
初めにご紹介した通り、ケイトウの花は初心者の方でも育てやすく暑さに強い植物です。
これからガーデニングを始めたいという方でも、安心して育てることができるでしょう。
置き場・育てる場所
ケイトウは、日光が好きな植物です。
日当たりの良く風通しの良い場所で、育てるのがおすすめ。
原産地からもわかるように、ケイトウは暑さに強い植物です。
たっぷり太陽の光に、当ててあげてください。
水やりの頻度
鉢植えでケイトウを育てる時は、乾燥させないように注意しましょう。
土が乾いたら、水やりをするのがおすすめです。
特に夏は水が足りなくなることが多いので、水をあげるときはたっぷり水やりをするようにしましょう。
具体的な水の量は、鉢の底に開いている穴から水が出てくるくらいがおすすめ。
水の量が少ないと土の表面だけが濡れた状態になり、根から水が吸い上げられないこともあります。
土の中まで水が浸透するように、水の量は「たっぷり」を意識してみてください。
また根も呼吸をしていますが、土の表面が濡れていると土の中に空気が入りにくくなり、呼吸できないことも。
水を与えるときと、与えないときのメリハリがポイントです。
ちなみに種まきをした時や、ポットからプランターなどに植え付けを行った後は、特に根の乾燥に注意が必要です。
水不足を起こさないように、特に土の乾き具合をチェックすることがおすすめです。
暑い日は、朝と夜に1回ずつ(1日計2回)水やりをしても良いでしょう。
水やりは、気温が低いタイミングでするようにしてください。
気温が高い昼間などに水やりをすると、水がお湯になり、ケイトウの根が茹だり枯れてしまうこともあります。
肥料
ケイトウは、肥料を与えすぎると葉が大きくなりすぎてしまうこともあるので、注意しましょう。
庭などに地植えした場合は、特に肥料は必要ないといわれています。
鉢植えの場合は、植え付けをする際に緩効性肥料(ゆっくりと効くタイプの肥料)を、土に混ぜ込んでおくことがおすすめ。
それ以降は本葉3~4枚が出始めたことから、つぼみが出てくるまで1週間に1回程度液体肥料を与えるとよさそうです。
増やし方
ケイトウは、一年草です。
一年草は、1年で枯れてしまう植物のことです。
そのためケイトウは毎年、種をまけば花を楽しむことができます。
育てていたケイトウから、新しく種を取るのもよさそうです。
ただしケイトウは、一度ケイトウを育てた土を使うと、連作障害が出ることがあります。
ケイトウを育てていた場所(同じ土)にまた来年もケイトウを育てると、育ちが悪くなったり育たなくなることも。
庭の同じ場所にケイトウを植えるのは、2~3年ほど空けるようにすると良いでしょう。
花が終わったら?
花が咲き終わったものは、気が付いた時に摘み取るようにしましょう。
咲き終わった花のことを「花がら」と呼びます。
花がらを残しておくと、これから咲くつぼみや芽に栄養が届きにくくなります。
次に咲く花や、これから芽を伸ばす部分に栄養を行き渡せるようにしましょう。
花がらを摘み取ることで、見た目も美しくなります。
種を採集する場合は、花がらを残して種を作るようにするといいでしょう。
花が茶色く乾燥してきたら、種を取ることができます。
害虫・病気
ケイトウが被害にあいやすい害虫や、かかりやすい病気をご紹介します。
先に被害にあいやすいものを知って、注意するようにしましょう。
アブラムシ
ケイトウの栄養を吸い取ったり、栄養を吸い取る際にウイルスを感染させたりすることがあります。
アブラムシは繁殖力が高く、すぐに数が多くなることも。
見つけた時に対処するのが大切です。
小さいですが目に見えるサイズなので、数が少ない時はゴム手袋などをして、手で潰してしまうのがいいでしょう。
大量に見つかった時は、殺虫剤を使うことがおすすめです。
ハダニ
ハダニは、ケイトウの栄養を吸い取ってしまいます。
ハダニが多くなると葉が変色し、植物全体の元気がなくなっていきます。
特に、乾燥した暑い季節に感染することが多いです。
ハダニは湿気を嫌うため、水やりの時に葉の全体にまんべんなく水をかけるようにすると対策になります。
立枯病
立枯病は、ケイトウの根や土に近い茎の部分から感染します。
土壌感染する病気のため初めに根が感染することが多いです。
感染すると根から栄養が吸収できなくなり、だんだんとケイトウ全体の元気がなくなり萎れていきます。
症状が進むと、下の方に付いている葉から枯れていき、茎も茶色っぽく変色してしまいます。
風通しを良くし多湿を避けることで、立枯病を予防できます。
植え付けを行うときに、清潔な土を使うことも大切です。
連作障害
連作障害は先ほどご紹介したように、もともとケイトウを育てていた土を使って、またケイトウを育てることが原因で起きます。
連作障害になると、大きく成長しなかったり、芽が出なかったりします。
ケイトウを前と同じ場所に植えたい時は、2~3年間を空けるようにしましょう。
ケイトウの種類
ここからは、ケイトウの種類についてご紹介します。
ケイトウは60種類以上の品種があるといわれており、品種によって花の色や花の形・咲き方などが異なるのです。
たくさんのユニークな種類があるケイトウですが、ここでは主な4つの種類をご紹介します。
トサカケイトウ
トサカケイトウは、小さな花が集まって鶏のトサカのような形をしています。
「トサカ」といわれるように比較的、花姿は平たい形。
「鶏のトサカ」と聞くと、赤のイメージが強いかと思いますが、赤色以外にはピンクやグリーンなどの花色も楽しめます。
トサカケイトウの中には、鉢植え以外に切り花でも流通しているものもあり、花束などで使われているところを見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
切り花のケイトウを想像した時にイメージされる方が多いのが、トサカケイトウではないでしょうか。
トサカケイトウの品種は、デリーパール・ボンベイピーチフリル・ボンベイゴールド・ボンベイなどがあります。
久留米ケイトウ
久留米ケイトウは、トサカケイトウを切り花用に品種改良したものです。
丸みのある花姿が特徴。
先に紹介した、トサカ系統の花が球状になったようなイメージです。
その見た目は「サンゴのよう」といわれることも多い、久留米ケイトウ。
少しグロテスクに見えるという方は「脳のような花」と表現する方も。
こちらも切り花でよく流通しているため、ケイトウと聞いてイメージされる方が多い種類かもしれません。
花色は黄色や赤、オレンジなど鮮やかな色合いが多いようです。
久留米ケイトウの品種には、オレンジクイーン・ボルドークイーン・イエロークイーン・フィジーラブ・周防などがあります。
羽毛ケイトウ(フサゲイトウ)
羽毛ケイトウは、ふさふさとしたやわらかな花穂が特徴的です。
柔らかい花穂は円錐形をしていて「炎のような形」と、例えられることもあります。
鉢植えだけではなく、花束などで使われる切り花でも流通していて、フワフワしたボリュームがある品種が多いです。
羽毛ケイトウを見たら、つい触りたくなる方もいらっしゃるかもしれません。
羽毛ケイトウの品種は、クリスマスキャンドル・キモノ・キャッスルスカーレット・キャッスルオレンジなどがあります。
ノゲイトウ・セロシア
ノゲイトウ(別名:セロシア)は、植物全体に水分が少なく、ふわふわよりカサカサとした見た目をしている品種が多いです。
そのため、ドライフラワーに向いているともいわれています。
1つの茎から枝分かれして、複数の花穂を付けるのも特徴的です。
ノゲイトウは、アジアンガーデン・シャロン・ピア・キャンドルなどの品種があります。
江戸時代では、ケイトウを食べていた?
現代の日本では、ケイトウは観賞する花として知られていますが、江戸時代は野菜の1つとして栽培されていたようです。
ケイトウは古くから日本で育てられており、「韓藍(からあい)の花」という名前で「万葉集」にも登場しています。
日本には奈良時代に中国から伝わったとされており、食用・染料として活用されていたのだそう。
ちなみに、現在でも中国では花の部分を日干しにして、生薬として用いられているようです。
下血や下痢止めに効果があるとされています。
ケイトウの花で秋を楽しんで
今回は秋にぴったりなケイトウの花の特徴や育て方、種類についてご紹介しました。
冷暖房が管理された室内にいることが多くなると、季節を感じにくくなります。
1年を通して適温に設定されていると、外の気温の変化に気づくことが難しくなりますよね。
日本の素敵な四季を感じたいと思う方は、今回ご紹介したケイトウを自宅の花瓶に飾ったり、玄関先に鉢植えで飾ったりするのがおすすめです。
植物を見ることによって、季節の移ろいを感じてみてください。
もちろんケイトウは自宅用だけではなく、秋生まれの方の誕生日や秋にある結婚記念日の贈り物としてもおすすめ。
季節感のあるプレゼントを贈りたいと思う方は、花束やフラワーアレンジメントにケイトウを加えたり、鉢植えをプレゼントしたりしてみてください。
また、もっと秋におすすめの花が知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
秋の花束・ブーケに使う花といえば?秋に咲くおすすめの花を写真付きで紹介 ケイトウ以外にも秋を感じられる花を紹介しています。 |
秋の花をプレゼントしたいと思った方は、こちらのサイトをチェックしてみてください。
誕生日や結婚記念日、開店祝いなどに贈りたい秋らしいデザインの花を紹介しています。
ハロウィンにぴったりな花束やフラワーアレンジメントも掲載しているので、子供と一緒に季節のイベントを楽しみたい方にもおすすめです。
十五夜はいつ?由来・歴史・現代の楽しみ方は?食べ物や花を知って季節を感じよう!
秋の風情を感じられる、十五夜。
今回は日本の美しい行事である十五夜について、由来や歴史をご紹介します。
昔はどう十五夜を楽しみ、現代はどう過ごすのかを掲載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
そして十五夜に食べたいものや、したい花の種類をチェックして、十五夜さらに楽しんでみてください。
また、うさぎが餅をついているように見えるといわれる、月の模様は世界ではどう見えているかなども掲載しています。
十五夜はいつ?
十五夜(中秋の名月)は、毎年旧暦8月15日です。
新暦と旧暦にはズレがあるため、毎年十五夜の日程が変わってしまいます。
今年、2024年の十五夜はいつ?
今年、2024年の十五夜(中秋の名月)は9月17日です。
お月見をしたいと思う方は、ぜひカレンダーに書き込んでおいてください。
2035年までの十五夜の日程一覧
来年も十五夜を楽しみたいと思う方は、十五夜の日程一覧をチェックしてみてください。
毎年十五夜を楽しめるように、2035年までの日程を一覧にしました。
- 2024年:9月17日
- 2025年:10月6日
- 2026年:9月25日
- 2027年:9月15日
- 2028年:10月3日
- 2029年:9月22日
- 2030年:9月12日
- 2031年:10月1日
- 2032年:9月19日
- 2033年:9月8日
- 2034年:9月27日
- 2035年:9月16日
十五夜は9月のイメージが強いですが、上記のように10月になることもあります。
十五夜とは
十五夜は「満月」や「月見団子」のイメージが強いですが、そもそも十五夜とはどんな行事なのでしょうか。
十五夜とは、1年で最も美しいとされている中秋の名月を鑑賞しながら、収穫などに感謝をする行事のことです。
中秋の名月は旧暦8月15日の月そのものを意味する場合と、旧暦8月15日にお月見をする習わしを意味することがあります。
中秋の名月・十五夜について、もっと知りたい方はこちらを併せてご覧ください。
2024年【十五夜】はいつ?~十五夜に飾りたい花の種類~ 十五夜・中秋の名月とは何なのかを、あらためてご紹介します。 |
十五夜の由来・起源
十五夜は、もともと中国から伝わった文化です。
中国には紀元前1600~1046年ごろに生まれた、中秋節(ちゅうしゅうせつ)という月を祀る行事があり、この中秋節が十五夜の起源だといわれています。
中秋節は旧暦の8月15日で、月を祀る行事です。
中秋節には月に見立てた丸く平たい形の「月餅(げっぺい)」というお菓子を家族で食べたり、提灯などを飾ったりするのだそう。
中国では中秋節に家族で月を見ながら月餅を食べ、家族の幸福を祈ることが定着しています。
ちなみに中秋節の丸い月は団らんを象徴しているとされ、中秋節は「団欒節」とも呼ばれているのだそう。
中国で中秋節には、家族と離れて暮らす人も帰省し、家族と一緒に団らんの食卓を囲むことが一般的です。
日本では中国に比べて、十五夜はそこまで重要な行事となっていないように思います。
今年の十五夜は家族で集まって、月を鑑賞するのもよさそうですね。
十五夜の楽しみ方・何をする?
ここからは、十五夜の過ごし方や楽しみ方をご紹介します。
「十五夜」や「中秋の名月」と聞くことは多くても「具体的にどんなことをしたらいいのかわからない……」という方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
子供と一緒に十五夜を楽しみたいという方や、ゆっくり季節を感じたい方は参考にしてみてください。
平安時代に貴族はどう楽しんでいた?
日本には、平安時代に中国からお月見の文化が伝わってきたといわれています。
平安時代では、主に貴族だけがお月見を楽しんでおり、まだ庶民に広く伝わってはいなかったようです。
当時は、月を見ながら貴族たちがお酒を飲んだり、詩歌や管弦で音楽を楽しんだりしていたようです。
ただ、現代のように空を見上げて月を直接見ていたのではなく、水面に映った月を鑑賞していたとされています。
このお酒や音楽を楽しみながら月を鑑賞するのは、「月の宴(えん)」と呼ばれていたのだそう。
源氏物語でも、月の宴が記載されています。
江戸時代に庶民はどう楽しんでいた?
江戸時代に入ると、庶民も十五夜を楽しむようになっていきました。
貴族から徐々に庶民に十五夜の文化が伝わる中で、ただ月を鑑賞するだけではなく、豊作を祈ったり五穀豊穣をお祝いしたりする意味合いが強くなっていたのだそう。
当時は貴族だけではなく、庶民もお酒を飲んだり宴会をしたり、船に乗って月を鑑賞したりしていたとされています。
美しい月を見ながら飲むお酒は、いつもよりもおいしく感じそうですね。
また、船に乗って月を鑑賞するのはロマンチック。
現代でも海などで水面に映った月を鑑賞するのは、粋な時間を過ごすことができそうです。
ちなみに、私たちにも馴染みのあるススキとお月見団子をお供えするようになったのは、江戸時代後期からといわれています。
ススキをお供えするようになった理由は、五穀豊穣を祝うため秋に稲穂に見たてていたからとされています。
確かにいわれて見れば、ススキの姿は稲穂のようにも見えますよね。
またススキは切り口が鋭いことから、災いを避けることができる・魔除けの力があると考えられていました。
十五夜でお供えしたススキは、お月見後に軒先や庭などにつるしておくと1年病気にならないといわれていたのだそうです。
現代ではどう楽しむ?
昔の十五夜のように宴会をしたり、月を見るために船に乗ったりすることの少ない現代。
ここからは、自宅でもできる現代の十五夜の楽しみ方をご提案します。
電気を消して月を鑑賞する
「最近、月をあまり見ていない」という方は電気を消して、月の明かりを感じてみるのはいかがでしょうか。
「電気をつけないと何も見えないのでは?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、実は満月の月は思っている以上に明るいことも。
月明りを感じてみてください。
月を見ながらお酒を楽しむ
もちろん、昔の十五夜の楽しみ方に倣って、月を見ながらお酒を飲んだり音楽を楽しんだりするにもよさそう。
ゆったりとした音楽を聴きながら、チルい時間を過ごしてもいいですね。
用意したものがいつもと同じお酒だったとしても、十五夜に飲めばよりおいしく感じられそうです。
今年の十五夜は、粋な時間を過ごしてください。
十五夜のお供えをしてみる
十五夜のお供えをしてみるのも、雰囲気が出そう。
十五夜の基本的なお供えは、月見団子・さつまいもや里芋・ススキです。
他にも、柿やブドウなどの果物をお供えすることもあります。
お供え物については「十五夜は月にお供えをする?」で詳しく紹介しています。
気になった方は併せてチェックしてください。
子供と月見団子や白玉を作る
子供と一緒に楽しみたい方は、お月見団子を一緒に作るのも楽しめそう。
団子は手作りしにくいという方は、白玉を作るのもいいでしょう。
また子供が幼いときは、月に関連した絵本を読み聞かせするのもいいですね。
一緒に料理することや読んでもらった絵本で、十五夜・月・日本の行事などについて興味を持つきっかけになるそうです。
季節の花を飾る
季節の花を飾って、秋らしさを演出するのもおすすめ。
ゆっくりと月を鑑賞することのできる十五夜には秋らしさを演出し、日本の季節を感じられるようにしましょう。
「花を普段飾らない」という方は、十五夜が花・植物に触れる良いきっかけになりそうです。
季節を感じられそうな花の種類は「季節を感じる十五夜に飾りたい花・植物は?」で紹介しています。
うさぎアイテムを飾る・子供とうさぎの絵を描く
月にはうさぎが餅をついていると、よくいわれますよね。
そこで、十五夜に合わせてうさぎの小物を飾ってみるのも楽しそうです。
SNS用に写真を撮るときにも、うさぎのアイテムがあると映えそうですね。
また、子どもと一緒に十五夜を過ごすときは、自宅でうさぎの絵を描いたり、折り紙でうさぎを作ったりするのもよさそう。
幼稚園や保育園では、十五夜に合わせてうさぎや月に関連した工作をするところもあるのだそう。
子供の作った作品を自宅に飾り、お月見を楽しめば温かな気持ちになれそうです。
十五夜は月に何をお供えする?
十五夜には、月にお供え物をします。
ここでは、基本的なお供え物についてご紹介します。
月見団子
十五夜のお供え物の中で最も有名なのが、お月見団子ではないでしょうか。
十五夜が近づくと、和菓子屋さんやスーパーなどで月見団子を販売しているところも多くありますよね。
十五夜は先にお伝えしたように、月を鑑賞するだけではなく豊作を祈ったり、五穀豊穣をお祝いしたりする意味もあります。
この月見団子は収穫物であるお米を使って団子にすることで、農作物の豊作を祈る意味や、お米が無事に収穫できたことを感謝する気持ちなどが込められているのだそう。
ちなみに、団子の丸い形は満月に見立てているのだそう。
また、よくイラストなどで見る、月見団子をピラミッドのように重ねるのにも意味があるのだそう。
月見団子をピラミッド型に重ねて、1番上の月見団子を空(天)に向けることで、豊作だったことへの感謝の気持ちや、来年の五穀豊穣への祈りを月まで届けようとしていたとされています。
お供えした後の月見団子を食べることで、月の力を分けてもらうことができると考えていました。
月見団子を食べると、分けてもらった月の力によって、幸せになったり健康になったりすると信じられていました。
ススキ
カレンダーなどでも、満月と一緒に描かれることの多いススキ。
ススキは9月~10月頃、秋をイメージさせる季節の植物ですよね。
そんなススキは、十五夜のお供えの1つです。
ススキをお供えする理由は、大きく分けて3つあるとされています。
1つ目は、ススキは稲穂に似ているから。
収穫に感謝したり来年の豊作を祝ったりする十五夜には、大切なお米・稲穂をお供えしたいと考えていました。
しかし、十五夜の時期は稲穂はまだ穂が実る前。
そのため、姿が似ているススキを稲穂に見立ててお供えするようになったのだそう。
2つ目は、ススキには神様が宿ると信じられていたため。
ススキは、茎の中が空洞になっているため、そこに神様が宿ると信じられていました。
月の神様をお招きする依り代(よりしろ)として、ススキをお供えしていたのだそうです。
そして神様が宿ったススキは、十五夜の後も捨てずに軒先や庭などにつるして無病息災などをお祈りしていたとされています。
3つ目に、ススキは切り口が鋭いことから、魔除けになると考えられていたため。
ススキをカットすると、切り口が鋭いことが分かります。
魔除けの力を持ったススキをお供えすることで、災いや災害を避けて豊作を願っていたのですね。
先に紹介したように、ススキはカットした茎の部分が鋭利で手を切ってしまうこともあります。
子供と一緒にススキを刈り取った際は、切り口でケガをしないように注意が必要です。
芋やぶどうなどの農作物
十五夜には、秋に収穫できたものもお供えします。
ちなみに、里芋やさつまいもなどをお供えするのはお米ではなく、イモ類を主食にしていた時の名残といわれています。
里芋などをお供えする風習から、十五夜は別名「芋名月(いもめいげつ)」とも呼ばれています。
十五夜にはイモ類の他に、柿やぶどう、枝豆、お酒などもお供えされています。
お供えした農作物は、月見団子と同じように食べることが一般的。
お供えを食べることで、月の力を体に取り入れられ、幸福が訪れたり健康になったりするといわれています。
「十五夜にお供えをする」という方は、ぜひおいしくいただいてくださいね。
十五夜に飾りたい季節を感じる花・植物は?
十五夜にはススキを飾る予定という方は、ススキと一緒に季節の花を飾るのもおすすめです。
萩
萩の花言葉:柔軟な精神・内気
秋の七草の1つでもある、萩の花。
枝垂れた細い枝に、赤紫や白などのたくさんの小さな花を咲かせます。
花は蝶々のように見える形をしています。
風に揺れる萩の花は、風情を感じられそうです。
ただし「十五夜に飾りたい」と思い、萩の花をお花屋さんに探しに行っても販売していることはなかなかありません。
萩の花は花束やフラワーアレンジメントなどで使われる切り花では、なかなか流通していないのです。
そのため、ススキと一緒に萩を入れた花束を買おうと思っても難しいようです。
しかし、萩は鉢植えではお花屋さんや園芸店、ホームセンターなどで販売していることもあります。
萩の花を飾りたいと思った方は、鉢植えを探すのがよさそう。
庭で萩の花を育てているという方は、十五夜に合わせてカットし、花瓶に飾るのがよさそうですね。
ちなみに秋の花は、萩(はぎ)・尾花(おばな)・葛(くず)・撫子(なでしこ)・女郎花(おみなえし)・藤袴(ふじばかま)・桔梗(ききょう)の7つです。
秋の七草についてもっと知りたい方は、こちらも併せてご覧ください。
十五夜に飾りたい「秋の七草」一覧!中秋の名月に秋の花を飾ってみては? 秋の七草を写真付きで紹介しています。写真と一緒に花言葉も紹介。 |
キキョウ
キキョウの花言葉:永遠の愛・誠実・変わらぬ愛・気品 など
紫色や白、ピンクなどの花色のキキョウ。
開花した花の形は星のようで、つぼみは膨らんだ風船のような形をしています。
開花した姿だけではなく、つぼみもかわいらしいキキョウは、ススキと合わせて飾るのもおすすめ。
和風な雰囲気のキキョウとススキは、日本の秋を表現することができそうです。
八重咲や一重咲きなど咲き方にも種類のあるキキョウですが、切り花としてお花屋さんで販売しているのは、一重咲きの紫色が多いように思います。
キキョウはつぼみの状態で購入し、飾っているうちに開花する様子を楽しむことができるでしょう。
小さなつぼみは咲きにくいので、大きく膨らんだつぼみのキキョウを選ぶようにするとよさそうです。
ちなみにキキョウの英語の花言葉は「endless love(永遠の愛)・honesty(誠実)・obedience(従順)」などがあります。
コスモス
コスモスの花言葉:乙女のまごころ・調和・乙女の恋・平和 など
細い茎と葉が、風に揺れる姿が繊細なコスモス。
秋の花として知られているコスモスは、学校などで植えられていることや、歌詞で使われることなどもあり、親しみのある花の1つかもしれません。
日光を通すほど薄く繊細なコスモスの花もかわいらしいですが、糸のように細い葉も特徴的。
細い葉は、まるでコスモスのふんわりとした雰囲気を表現しているようです。
公園や花壇などで見ることのできるコスモスですが、実はお花屋さんでは切り花としても販売されています。
コスモスにはピンクや白、黄色、オレンジ、ブラウンなどの花色があります。
有名なピンクもいいですが、十五夜を秋らしく飾りたいというときはオレンジや黄色、ブラウンのコスモスを飾るのがおすすめです。
ススキとオレンジのイエローキャンパスなどのコスモスを合わせれば、オレンジ色の明るい色味がより際立ちそう。
また、ブラウンのチョコレートコスモスをススキと合わせれば、シックで大人な雰囲気になりそうです。
コスモスの英語の花言葉は「harmony(調和)・beautiful(美しい)・modesty(謙虚)」などがあります。
ケイトウ
ケイトウの花言葉:個性・おしゃれ など
暖かそうな見た目をしている、ケイトウ。
夏の暑さが落ち着き、涼しくなってくる十五夜には暖かな色合いで、質感はベルベットやフェルトのように見えるケイトウを飾るのもおすすめです。
ススキのフワフワ感と、ケイトウの質感の組み合わせは秋・十五夜にぴったり。
花色は、赤やオレンジ、ピンク、黄色、グリーンなど。
鮮やかな色のケイトウは、ハロウィンの花ギフトとしても使われています。
華やかなデザインの花を十五夜に飾りたいという方は、ススキと一緒にケイトウも飾ってみてください。
個性的な花の形とカラフルな色合いで、秋らしさのある明るいデザインを楽しむことができそうです。
ワレモコウ
ワレモコウの花言葉:物思い・変化・憧れ・移りゆく日々 など
花ギフトのメインになることは少ないですが、追加すると雰囲気が出るワレモコウ。
秋を代表する切り花で、ワレモコウが花束やフラワーアレンジメントに加わると、一気に秋らしいデザインにすることができます。
お花屋さんでも基本的に、ワレモコウは流通しているのは秋のみになります。
他の秋の花や葉とも相性がいいので、いろいろな花と組み合わせることができます。
一方でススキとワレモコウを合わせると落ち着いたトーンになりますが、動きが出るため寂しい感じにはならないかと思います。
落ち着いた静かな雰囲気を十五夜に楽しみたい方は、ワレモコウとススキだけを飾るのもいいでしょう。
オレンジのバラ
オレンジのバラの花言葉:絆・幸多かれ など
バラは1年通してお花屋さんで販売されていますが、オレンジ色のバラは秋の雰囲気を表現することができます。
上品な雰囲気と秋らしい色合いは、十五夜に飾るのはおすすめです。
赤バラほど情熱的ではなく、ピンクのバラほどラブリー過ぎないのも、オレンジのバラの魅力。
品種によっては良い香りも楽しむこともできます。
高級感があり香りもよいオレンジバラを、十五夜に飾ってみてくださいね。
マム(菊)
マム(菊)の花言葉:高貴・高尚・高潔 など
「菊」と聞くとお供えのイメージがある方もいらっしゃるかもしれませんが、お祝いでも菊(マム)はよく贈られています。
菊はさまざまな種類がありますが、大きく分けると4つに分類できます。
-
- 和風で大きな花を咲かせる輪菊
- 和風な雰囲気で小さな花をいくつか咲かせる小菊
- 洋風で大きな花を咲かせるディスバッドマム
- 洋風で小さな花を複数咲かせるスプレーマム
上記からもわかるように、主に洋風な菊のことをマムと呼んでいます。
輪菊やディスバッドマムをススキと合わせれば、大きな菊がメインになるデザインを作ることができそうです。
大きな花を1輪咲かせた菊は、インパクトがありつつ大胆な美しさを感じることができそうです。
一方で小菊やスプレーマムをススキと合わせることで、ススキでは表現できない色合いが小さな花で加わり、彩り豊かで上品なデザインにすることができそう。
他の花を合わせても良いですが、ススキとマム(菊)だけを合わせても風情のあるデザインになりそうです。
加えてマムは花持ちがよく、長く花を楽しむことができます。
十五夜の前に飾ったとしても、当日以降もきれいな姿を楽しむことができるでしょう。
またマムの花色はピンク、赤、黄色、オレンジ、ブラウン、グリーンなどとてもカラフル。
くすみカラーも流通しているので、秋のニュアンスカラーでまとめたり、ススキと合わせて和風のおしゃれな雰囲気を作ったりすることもできるでしょう。
もっと十五夜におすすめな花を知りたい方は、こちらも併せてご覧ください。
十五夜・お月見に飾りたいお花の種類 十五夜におすすめなススキ・ピンポンマム・リンドウについて詳しく紹介しています。 |
どうして月にうさぎがいる?由来は?
ここからは、おまけとして「月にうさぎがいる」といわれるようになった由来を紹介しようと思います。
子供と一緒にお月見をするときなどの会話の1つにしてみてください。
月にうさぎがいる理由
月にうさぎがいると、考えられている由来はさまざまあります。
その中で、今回は仏教説話である「ジャータカ神話」が由来している「今昔物語集」の中にある、月とウサギに関するお話を簡単にご紹介しようと思います。
ある日、疲れ果てて食べ物が欲しいという老人に、うさぎとキツネとサルが出合いました。
キツネは魚を、サルは木の実を老人に渡しました。
しかし、うさぎは何も持ってくることができませんでした。
悩んだうさぎは「自分を食べてください」と言い残し、火の中に飛び込んで死んでしまいした。実は、その老人はうさぎとキツネとサルを試そうとした、帝釈天(タイシャクテン)という神様でした。
自分の身を捧げたうさぎを帝釈天は哀れみ、うさぎを月で蘇らせてすべての生き物の手本にしたのでした。
※うさぎは月で蘇ったという話や、亡くなったうさぎの姿を月に写したなどの話があります。
うさぎを飼っている方の中で、ペットのうさぎが亡くなった際は「虹の橋を渡った」や「お空に帰った」などの他に「お月様に帰る」と表現することもあるそうです。
これはうさぎが亡くなった後、月で他のうさぎたちと楽しく暮らしているということや、月からペットのうさぎが見守ってくれているという思いがあるといわれています。
うさぎが餅つきをしている理由
うさぎが餅つきをしている理由も、さまざまな説があります。
うさぎが帝釈天(老人)のために餅をついているという説や、うさぎが食べ物に困らないように餅つきをしているという説、十五夜で五穀豊穣を願うためお米がたくさん取れるようにという説などがあります。
また、満月を意味する「望月(もちづき)」から餅が連想されたという説もあります。
ちなみに、中国では、月でうさぎが杵と臼で不老不死の薬を作っていると考えられていたのだそう。
日本で餅つきになった理由はわからないですが、関連があるのかもしれませんね。
月の模様はどうやってできた?何?
満月には、明るく見える部分と暗く見える部分があります。
この暗く見える部分は、マグマが吹き出て固まった玄武岩に覆われた地形になります。
暗く見える理由は、玄武岩には鉄が多く含まれており黒っぽい色をしているため、暗く見えるのです。
反対に明るい部分は、斜長岩でできています。
斜長岩は白色をしているため、明るい色に見えます。
日本では黒い・暗く見える部分が餅をついているうさぎに見えるとされているのです。
海外ではうさぎではない?
月の模様は、日本では餅つきをしているうさぎに見えるといわれますが、世界で共通なわけではありません。
世界ではどんな風に月の模様が見えているか、まとめてみました。
- 日本:うさぎが餅つきしている
- 中国:うさぎが薬草で薬を作っている/カニ
- 南ヨーロッパ:カニ
- 北ヨーロッパ:本を読むおばあさん
- 東ヨーロッパ:女性の横顔
- モンゴル:犬
- ドイツ:薪をかつぐ男
- 南アメリカ:ワニ
月の模様は時間や時期、場所によって異なります。
またその国や地域によって何が親しまれているのかや、文化などによっても月の模様が何に見えるかは影響されるかと思います。
日本にいると月の模様は「うさぎが餅をついている」様子とよく聞きますが、国や地域それぞれで模様の例えが変わるのは不思議なことではないのです。
今年は十五夜を楽しもう
今回は十五夜の日程や由来、十五夜の楽しみ方、お供えするものや季節の花などを紹介しました。
また月にうさぎがいると考えられている理由や、月でうさぎが餅つきをしているとなぜ考えられているのかを掲載しました。
今年の十五夜は、あらためて月を眺めてみませんか?
忙しい日々を過ごしていると、月を見ることは少ないかと思います。
十五夜には季節の花や、月見団子を用意してゆっくりした時間を過ごしてみてくださいね。