母の日の贈り物をお家で育てる。カーネーションの育て方徹底解剖

母の日ギフトの定番といえば花ですが、そのなかでもカーネーションは高い人気を集めています。
そんなカーネーションを「見て・飾って楽しむ」のもよいですが、「母と子で一緒に育てる」のもまた楽しみのひとつです。
そこで今回は、母の日を象徴する花であるカーネーションの育て方や、注意点などをご紹介します。
目次
まずはカーネーションについて知ろう

一口にカーネーションといっても、その色や形状、品種はさまざまです。
赤色やピンク色、花が大きい・小さいなど同じカーネーションでも見た目が異なることも多いですよね。
加えて、カーネーションには一季咲きタイプと、四季咲きタイプの2タイプがあるのも特徴です。
このタイプによって、花が咲く時期やサイクル、育てる際のポイントが微妙に異なります。
カーネーションの原種は一季咲きタイプのもので、春から初夏にかけての時期にしか咲かないものでした。
これは、かつてのカーネーションが一季咲きの品種であるダイアンサス・カリオフォルムを元に開発されていたためです。
しかし現在では品種改良が進み、秋にも花が咲く四季咲きタイプのカーネーションが主流へと変わってきています。
特に、四季性が強い花との交配で生まれたカーネーションは病気や厳しい気候に強く、適度な湿度と温度があれば一年中美しく保つことができます。
一方、一季咲きのカーネーションは多年草としても育てることができるため、花を咲かせる・実を付けるといったサイクルを2年以上楽しむことができます。
花を少しでも長持ちさせる!育成のポイント

母の日に贈るカーネーションは、できるだけ長く飾ってほしいもの。
正しい育て方をマスターしてお母さんと一緒に育てれば、ただ飾るよりも長期間にわたってよい状態を保てるかもしれません。
●鉢植えの選び方
母の日の前にカーネーションの鉢植えを選ぶ際は、まずカーネーションのつぼみに色がついているかどうかを確認しましょう。
つぼみの数が多くても、色がついていなければ花は咲かないので、十分に注意することが大切です。
●環境と気温
カーネーションは、できるだけ日当たりと風通しのよいところを選びましょう。
満開の鉢花なら室内の明るい場所でも十分ですが、まだたくさんのつぼみがある場合は、日光に当てなければ枯れてしまう可能性があります。
そのため、カーネーションを飾る・置く場所は、日光を十分に確保することが大切です。
ただし、カーネーションは高温多湿に弱い花。
夏に直射日光を当てるのは厳禁です。
半日陰で風通しのよい、涼しい場所に置くようにしましょう。
屋外であれば、木陰や軒下などに置くことをおすすめします。
気温に関しては、25℃以上になると花つきが悪くなってしまうため、夏の時期は花が咲きやむのが一般的です。
そして、30℃を超すと生育にも悪影響を及ぼしてしまう恐れがあるので、夏の管理は重要なポイントとなります。
また、カーネーションは冬の寒さに少し弱い特性も持っているため、周囲の気温が0度以下にならないよう細かい温度調整を行うなどの配慮が必要です。
冬の時期は室内であれば日当たりのよい温かな場所に、ベランダであれば寒風・寒雨をしのげる場所に置きましょう。
なお、花やつぼみは水に弱いので、開花中は特に雨があたらないよう注意が必要です。
●用土

カーネーションに適しているのは、水はけがよく、通気性や排水性に優れた土です。
通気性・排水性・保水性・保肥性に優れた赤玉土(小粒や中粒)に、ピートモス、バーミキュライトを加えた土がその一例です。
ピートモスは、水をよく吸収するふんわり柔らかな土。
これを混ぜることで土の水持ちがよくなるほか、土全体を柔らかくしてくれます。
バーミキュライトは、鉱物を高温処理して膨張させて作られた人口土。
通気性・保水性・保肥性に優れているため、繊細な環境を必要とする植物の土として最適です。
これを混ぜることで、根が空気を吸収しやすくなり、成長を促進させてくれます。
土について分からない時は、ホームセンターやお花屋さんで聞いてみても、提案してくれると思いますよ。
土について分からない時は、ホームセンターやお花屋さんで聞いてみても、提案してくれると思いますよ。
●水やりと肥料
前述したように花やつぼみは水に弱いので、上から直接水をかけるのは望ましくありません。
花とつぼみに水がかからないよう、土の表面に直接かけましょう。
水やりの際に高い位置から水をあげると花が濡れてしまうこともあるので、低い位置から手で茎や葉をよけるようにして水をあげるようにするとやりやすいと思います。
土の表面が乾いたら、水やりのサイン。
水をあげる量が十分でないと、せっかく水やりをしていてもカーネーションが、水を吸い上げることができません。
鉢の底に開いている穴から、水が流れ出てくるまで水をあげるようにしましょう。
ただし、水をあげすぎると根腐れの原因になるので、土の様子やその日の天気・気温をチェックするようにしましょう。
開花中である春と秋のカーネーションに肥料をあげる目安は、化成肥料なら一ヶ月に1回程度、液体肥料なら2週間に1回程度です。
特に四季咲きのカーネーションは花をつけるために体力を必要としているので、追肥作業を必ず行うようにしましょう。
花つきをよくしたいなら、与える肥料はカリウム成分と花鉢用のリン酸が多く含まれたものが適しています。
なお、夏や冬は気温の変動により生育が弱ってしまうため、肥料はあげないことが大切です。
季節や花の様子を確認して、肥料をあげるようにしたいですね。
●植え替えと鉢替え
根が鉢いっぱいに伸びたら、植え替え・鉢替えのサイン。
そのままにしておくと、根が成長しすぎて根詰まりを起こし、カーネーションが傷んでしまうため、一回り大きな鉢に植え替えましょう。
●病気対策

鉢植えのカーネーションをギフトとして母の日に贈るのであれば、病気の対策もしっかり行う必要があります。
カーネーションは、地面近くの茎が腐敗する「立枯病」、葉や花びらにまだら模様ができる「ウイルス病」などの病気にかかりやすいといわれています。
なかでも特にかかりやすいといわれているのが「灰色カビ病」です。
灰色カビ病は、別名ボトリチス病とも呼ばれており、植物の茎葉が溶けるように腐敗して患部が灰色のカビに覆われるという病気です。
カーネーションをはじめ、トマトやバラ、シクラメンなどほぼすべての植物に発生するといわれています。
湿度が高い時期に発生しやすい病気のため、母の日前後の期間中は特に注意が必要。
灰色カビ病を放置すると株全体が枯れてしまうので、こまめな予防と除去が必要です。
予防としては、「水のやりすぎに注意する」や「枯れ葉や花がらは、こまめに取り除く」、「風通しのよい場所に置く」といった方法があげられます。
花がら(咲き終わってしぼんだ花)をそのままにしていると、そこから灰色カビ病が発生する恐れがあります。
花を守るためにも、花がらは早めに摘みましょう。
水やりの際などに観察して、花がらがあったら取るようにしておくといいかもしれませんね。
また、枯れた花や葉をカッターやハサミで切り落とした際は、刃物に付着した病原菌を洗い流すように、よく水洗いをしましょう。
灰色カビ病は、害虫の食跡や窒素過多によって弱った植物組織からも侵入してくるので、害虫駆除や適切な肥料管理をすることでも予防できます。
●害虫対策
3~5月に多く発生するアブラムシは、カーネーションの天敵。
アブラムシは、花の新芽や葉裏に発生して植物の水分を吸い取り、植物を弱らせる害虫です。
また、ウイルスを運んで花を病気にする害虫でもあるので、見つけたら早めに駆除しましょう。
春から秋にかけて発生しだすので、見つけたら早急に駆除することが大切です。
アブラムシを駆除するには、専用の薬品を使うのが最も手軽で確実な方法です。
ホームセンターなどで入手して、こまめに駆除していくことが大切です。
また、アブラムシには霧吹きに牛乳を入れて、噴射するという方法も効果的です。
牛乳の粘膜がアブラムシを窒息させるので、効果的に駆除することができます。
アブラムシの駆除として牛乳を使ったら、噴射した牛乳をしっかり乾燥させてから、水できれいに洗い流しましょう。
しっかり洗い流さないと、匂いやカビが発生する原因になってしまいます。
霧吹きで牛乳を吹きかけるときや、そのあと水で流すときは、花やつぼみを濡らさないように注意するといいでしょう。
葉の裏にアブラムシがいることが多いので、そこを中心に見てあげてください。
アブラムシ以外の害虫といえば、ハダニもやっかいな存在です。
ハダニは植物の葉の水分を吸い取り、葉を落としていく害虫です。
体長約0.3~0.5mmと非常に小さく、肉眼で確認することは非常に難しいのが特徴です。
ハダニが発生した葉は、白または黄色く変色したり細かい傷が付いたように見えたりするので、まずはその点を確認することが大切です。
ハダニの被害を確認したら、アブラムシと同じく専用の薬品を使って駆除していきましょう。
以上が、基本的なカーネーションの育て方です。
もちろん、これら以外にも株の増やし方など、さまざまな工程があります。
花を育てるのが好きなお母さんなら、カーネーションの花束やアレンジメントだけでなく、カーネーションの鉢植えを贈り育てる楽しみも一緒に贈ることができそうですね。
花を育てながら、母の日を思い出す

母の日にカーネーションを贈り、飾ってもらうだけでなく、お母さんと一緒に育てることで、その美しさをより長く保つことができます。
また育てる過程で、ふたりの距離がグッと近づくこともあるはずです。
母の日の思い出が詰まったカーネーションを、すぐに枯らしてしまうのは、とてももったいないこと。
花も思い出も、母と子で力を合わせて大事に育ててみましょう。
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