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  3. 門松のルール・マナーQ&A◆門松を飾る際の基本的な知識をQ&A形式で分かりやすくご紹介。

門松のルール・
マナーQ&A

門松は、お正月に神さまを自宅にお迎えするためのもの。伝統的行事ではありますが、実は門松の飾り方や使う花木に、厳密なルールや縛りはありません。門松の形は時代とともに移り変わってきたもの。その「意味」さえぶれなければ、ある程度自由に行っても大丈夫です。

そこで今回は、知恩院の僧侶でありながら、華道家としてもご活躍されている大津憲優さんに、門松を飾る際の基本的な知識をお伺いしました。ぜひ参考にしてみてくださいね。

今回お話してくださった
僧侶 兼 華道家さん

大津憲優さん

大津憲優さん

都未生流家元内。毎年流展での作品発表の他、多くの寺院で献花、制作を担当。浄土宗修練道場、同宗派青年会などで華道講師を務める。宗修練道場・華道講師。知恩院の所属寺院に住職として従事もしている。

門松とは?

● 門松って何?どんな意味があるの?

門松は、お正月に「年神さま」という神さまをお家にお迎えするための依り代です。お正月に門松を飾る文化は、平安時代からあったと考えられています。ただ、当時は今みたいに華美なものではなく、家の門口にただ松を立てるといったものでした。

立てた松を「依り代」として、新しい年の「年神さま」をお迎えし、新しい年をむかえられたことを感謝して、その年の平安と豊作をお祈りしたのです。

門松に使う花木の選び方・ポイント

● 門松に好きなお花を使ってもいい?

松などの常緑樹や竹といった依り代となる木が一種あれば、およその花は組み合わせてもらっても大丈夫です。カラフルな祝い花を添えてもいいですし、シンプルに松と水引をかけただけのものも最近のお家でしたら栄えそうですし。その家ごとに個性を出すのも楽しみになるのではないでしょうか。

● どうして門松には松が使われるの?

季節の変化に伴って命の移ろいをずっと見ていた私たちの祖先は、常に緑色を絶やさない常緑樹を特別な植物だと感じていたのだと思います。中でも、長寿で葉を落とさずに大きく成長する松は、神さまの「依り代」として特に相応しいと考えられたのでしょう。

● 門松にNGな花木はある?

トゲのある花は避けた方がいいですね。神さまが宿りにくそうですし、痛そうですよね(笑)また、すぐに枯れてしまうもの・匂いのきついもの・名前の縁起がよくないものもNGとされています。仏花に用いるお花の選び方と同じですね。

ただし、トゲがあるお花(バラなど)を門松ではなくお正月のお花として飾るのは問題ありません。季節のお花で華やかなのでおすすめですよ。

お正月に飾るのにおすすめのお花は?

松・竹・梅の「歳寒の三友」でしょうか。寒さに負けない松竹。他にさきがけて花を咲かせる梅。この三種がそろうと大変めでたくもあり、大変立派でもあります。

このほか、古くから正月に用いられる花には、他に難を転じるという意味で「南天」、実を花に見立て景気の良い名の「千両」、花の王様の牡丹にあやかって名付けられた「葉牡丹」、四季を通じて青々とした葉を見せる「万年青」なんかがありますね。あとは、バラや水仙・チューリップも、季節の花ですので綺麗ですね。

門松の飾り方

● 門松の飾り方にルールはある?

門松に明確なルールはありません。古くは松、あるいは他の常緑樹を真っすぐに立てていただけでした。主役である常緑樹がまっすぐに上に向けて立っているのであれば特に問題はありません。

● 門松の伝統的な飾り方は?

左右一対で飾るのが基本
現在では、玄関前向かって左側に黒松(雄松)を、右側に赤松(雌松)といったように、2種の松を左右一対で飾るのが一般的です。黒松は葉が硬く、赤松は葉が柔らかい、つまり反対の性質をしています。

左右一対で飾る理由
左右一対で飾るのには「陰陽和合」といった意味があります。「陰と陽・表と裏、ふたつが合わさってひとつ」という中国における物事全般の捉え方・考えですね。

でも、必ずしも一対で飾らないといけないわけではありません。例えば、親もお父さんとお母さんと二人そろわなければ親じゃないのかといえばそうではありません。どちらか一人だけしかいなくても親ですし、親の働きを担うわけです。一つでも十分役割を果たしてくれます。

● マンションなど門がない場合はどうやって飾ればいい?

門松は必ずしも門口に立てるばかりではありません。たとえば青森県から岩手県にかけて地域では家の中の柱に「拝み松」といって松を立てる地域もあります。

そういった地域にはその土地ならではの意味合いがあるでしょうし、今を生きている私たちにもそれぞれ事情があります。お家の事情にあわせて、玄関の下駄箱の上やリビングの入口など、飾りやすいところに飾ってください。大きな門松が飾れない場合は、門松風アレンジメントでも問題ありません。

門松を飾る期間

● 門松はいつから飾ればいい?

地域によっていろいろ云われがありますが、元々は12月12日・13日の事始めに立てられたようです。今はクリスマスがあるのでクリスマスの飾り付けをされるお家も多いでしょう。ですので、クリスマスが終わってから、12月28日頃までに準備されれば良いかと思います。

ちなみに、うっかり年を跨いでしまった場合は、「遅れてすみません」という気持ちを持って飾れば大丈夫です。細かなルールよりも「年神さまを自宅にお迎えする」という気持ちが大切だからです。

● 門松はいつまで飾ればいい?

これは地域によって異なります。

関東地方では、1月6日の夜または7日の朝方に門松を取り外すことが多いですね。一説では、寛文年間、江戸の「町触れ」によって定着した習慣のようです。ちなみに、元旦から六日目の夜、あるいは七日までの期間を「松の内」と呼ぶのは、この風習が由来です。

関西地方では、「小正月」にあたる1月15日に取り外すのが一般的です。

● 飾るのに適さない日もあるの?

12月29日は「苦松」(苦をまつ)といって避けたほうが良いとされています。また、「一夜飾り」といって31日の大晦日に立てることもきらいます。

飾り終わった門松の処分方法

● 飾り終わった門松はどうすればいい?

飾り終わった門松は、しめ縄などと一緒に「どんど焼き」でお焚き上げするのが良いでしょう。どんど焼きとは、小正月(1月15日)前後に行われる火祭り行事です。お正月の間に飾っていたしめ縄や門松・書き初めなどを神社やお寺の境内に持ち寄って燃やします。お盆における送り火と同じように、どんど焼きの煙に乗って年神さまが帰っていくともいわれています。

● どんど焼きに行けない場合はどうすればいい?

どんど焼きに持っていけない場合は、大きな神社など門松の持ち込みを受け付けているところへ持っていき、供養してもらいましょう。それも無理な場合は、門松だけをひとつのゴミ袋に入れて、家庭のゴミとして処分を。このとき、丁寧に扱うこと・他のゴミと一緒に入れないことが大事です。

地域による門松の違い・特徴

● 門松の仕様に地域差はある?

一般的には、「松か他の常緑樹を一種使う」というのが基本です。しかし、長野県や愛知県・静岡県あたりの一部の山村では、「門神柱」といって、家の前に栗・楢などの木を二本立て、これにしめ縄は張ってその下に松を立てるといった飾り方もあります。また、青森県や岩手県では、「拝み松」といって、家の中の柱に松を立てる地域も。

ただ、時代とともに竹や葉牡丹・南天などをあしらったものが全国的になっていますし、地域性もだんだんと薄らいできているような気もいたします。
地域性を重視するというより、むしろご家庭ごとのやり方を大事にされても良いのかなと思います。

まとめ

細かなルールやマナーが難しそうな門松ですが、実は自由度が高く、家の事情などに合わせた飾り方が可能だということがお分かりいただけたのではないでしょうか?

ただ、ひとつ大切なことがあります。それは、先の一年への感謝と新たな一年の平安や五穀豊穣を祈りながら門松を飾ること。門松は、私たちを守ってくれている神さまをお家にお招きするための依り代です。外見や飾り方は変わっても、その意味は古から現代まで変わることはありません。

なお、門松を飾る理由や門松の由来などについては、インタビュー記事で詳しくお聞きしています。興味のある方はぜひ併せてご覧ください。

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