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  3. お盆の基礎知識・作法を僧侶に教わろう。時期・お供え(精霊馬・提灯・五供)・お墓参りマナーなど

僧侶に教わる、お盆の基礎知識
時期・お供え(精霊馬・提灯・五供)・
お墓参りマナーなど

今年のお盆がいつか、知っていますか?

日にちの他にも、ナスやキュウリ(精霊馬)・提灯を飾る理由、お供えの食べ物やお花の注意点、お墓参りのマナーなど、意外と知られていない「お盆の知識」はたくさん。

そこで今回は、知恩院の僧侶であり、華道家でもある大津憲優さんに、お盆の基礎知識を教えていただきました。

2021年のお盆

  • ①7月13日(火)~7月16日(金)
    旧暦7月盆のエリア(主に関東、東京・神奈川県、北海道の一部や石川県金沢市、静岡県など)
  • ②8月13日(金)~8月16日(月)
    新暦8月盆のエリア(北海道や東北、新潟県、長野県、関西地方など)
  • ③8月20日(金)~8月22日(日)
    旧暦盆のエリア(主に沖縄)

※上記は大まかな区分です

今回お話してくださった
僧侶 兼 華道家さん

大津憲優さん

大津憲優さん

浄土宗修練道場・華道講師

西雲寺第二十一世住職

正念寺第三十八世兼務住職

知恩院の所属寺院に従事する傍ら、都未生流の華道講師としてもご活躍中

「お盆」の日はいつ?

お盆は、7月13日〜16日、もしくは8月13日〜16日に、ご先祖様や亡き父母をお浄土からおうちにお迎えして供養をする期間です。お盆の時期は地域によって様々ですが、以下が目安となります。

  • ・関東方面では、主に7月15日を中心にした数日間(7月盆)
  • ・関西方面では、1月遅れの8月15日を中心とした(8月盆)
  • ・沖縄では、旧暦における7月15日

それぞれのお盆の時期・名称が異なるのは、以下のような理由があります。

  • ①旧暦7月盆(関東中心)
    お経に出てくるお盆の日「7月15日」を、日付は旧暦の7月15日のままに、現代(新暦)の7月15日に引き継いだため。
  • ②新暦8月盆(関西中心)
    お経に出てくるお盆の日「7月15日」を、新暦に改暦した際に、現代(新暦)の8月15日に移動したため( ※改暦の際に、多くの行事が30日遅れになりました)。
  • ③旧暦盆(沖縄)
    お経に出てくるお盆の日「7月15日」に該当する、現代(新暦)の日付を採択しているため(その年によって、日付が変わる)。

お盆(歴史)はいつからある?

『日本書記』によると、日本のお盆は推古天皇14年(西暦606年)に飛鳥寺(後の法興寺)で厳修されたのが最初だといわれています。この頃のお盆のお勤めは、寺院で勤めることが原則でした。

やがてお盆行事は国家行事となり、そして寺院だけでなく公家、貴族の自邸、民衆の家でもお勤めされるようになり、今日に至ります。

精霊馬とは?

精霊馬は、お盆にご先祖様が、あの世とこの世を移動する際に使う乗り物です。

お盆の間は、仏壇と別に「精霊棚(しょうりょうだな) 」という棚を設えてご先祖様をお迎えするのが一般的なので、そこに精霊馬を置いてあげてください。

しかし精霊棚は、竹と縄で結界を作ったり、ホオズキを置いたり、お供物(お焼香やロウソクなど)を準備したりと、なかなか準備が大変です。大きな無理をして設える必要はありません。

「ご先祖様が玄関から帰ってくる」という解釈で、精霊馬を玄関に置く地域もあります。つまり、ご先祖をお出迎えする配慮ができた、清潔な場所に置いてあげることが重要なので、場所にあまり囚われないで大丈夫です。

ただし、お手洗いなどの不浄とされている場所や、煩雑な場所に飾るのは避けましょう。

精霊馬にキュウリやナスを使う理由は、
こちらの記事でご覧ください

2021年のお盆の精霊馬はブロッコリー、お花は自由でOK? 【知恩院僧侶にインタビュー】

盆提灯とは?

盆提灯は、精霊棚の左右に(精霊棚を設けない地域ではお仏壇の左右に)お飾りする提灯のことです。「ご先祖様や亡くなられたご家族の霊が迷わず帰ってこられますように」と、目印としてお飾りします。
新盆の場合には、白木の提灯を用いたり家の軒先につるしたりするなど、通常のお盆とは違った飾り方をするのが一般的です。

迎え火とは?

迎え火は、お盆初日の夕暮れ時に、門前や玄関先でおがら(麻の茎の皮をはいで乾燥させたもの)を炊いて火を起こすことを指します。火を目印にして、立ち上る煙に乗ってご先祖様や故人が迷わずにお家に帰ってこられるよう行います。地域によっては、迎え火のかわりに提灯をもってお墓まで迎えに行ったり、京都の六道珍皇寺のように鐘を撞いてお迎えをしたりすることもあります。

送り火とは?

送り火は、お盆最終日の夕暮れ時に、門前や玄関先でおがら(麻の茎の皮をはいで乾燥させたもの)を炊いて火を起こすことを指します。ご先祖様をお浄土に送り出すためのものです。地域によっては、送り火と同様の意味合いで燈籠を海や川へ流す「精霊流し」を行うこともあります。燈籠だけでなくお盆のお飾りやお供物を流すところもあり、この場合はご先祖様へそれらを持ち帰っていただくという意味合いになります。

基本的なお供えは?

宗派にもよりますが、精霊馬や盆提灯に加え、一般的には香・花・燈明・水・飲食の5つをお供えしていただければと思います。 これらは「五供」と呼ばれています。

  • 1. 香
    お焼香のことです。かぐわしいお香の匂いは心を落ち着かせて、心身を清めてくれます。 「香は仏の使者」ともいわれるように、仏様やご先祖様、亡くなった方へ私たちの想いをお香の煙に託して届けるという意味もあります。
  • 2. 燈明
    燈明とはろうそくを指します。灯された火は仏の智慧の光ともいわれ、煩悩を消し、心安らかにしてくださいます。
  • 3. 花
    基本的には、故人が生前好きだったお花や季節の生き生きとしたお花を飾ってください。仏花のルールやマナーと同じで大丈夫です。(※)
  • 4. 水
    皆様がいつも飲まれているお水を用意してください。昔は自然から汲んできたお水や、仏様へお供えする専用の井戸水を用いることもありました。
  • 5. 飲食
    まず、仏様へご飯をお供えください。そしてご先祖様や亡くなった方へも同様にご飯、あるいは生前好きだったものなどをお供えしていただければ良いかと思います。

お供え(食べ物)で気をつけることは?

肉や魚など殺生を連想するものは必ず避けましょう。また、匂いが強く辛い物(唐辛子・にんにく・玉ねぎ、ニラなど)も同様です。

また、お供えものは粗末にしないというのが大原則です。例えば、朝にご飯をお供えして夜までそのままにしていると、かぴかぴになってしまいますよね。それではご飯を無駄にしているわけですから、お供えして手を合わせ、少し時間が経ったら下げて、ご自身でいただく方がよろしいかと思います。

お供え(花)で気をつけることは?

生き生きとしていて綺麗な、その季節のお花がおすすめです。また、ご存知であれば亡くなった方が生前好きだったお花も良いかと思います。そのお花の力によって故人の思い出がより強く蘇り、しっかりと偲ぶことができるのではないでしょうか。反対に、トゲのある花や毒のある花などは避けたほうが良いでしょう。

なお、お盆限定のルールというものはなく、一般的な仏花と同じように考えてもらえば結構です。こちらの記事で仏花のルールや選び方を詳しくご紹介していますので、よろしければご覧ください。

仏花に“NG”のお花の詳細は
こちらの記事でチェックを

仏花のルール・マナー Q&A

お墓参りはいつするべき?

多くの地域ではお盆の入りの日である7月・8月の13日にお墓参りをされています。地域によっては「七日盆」といって7月7日或いは8月7日にお墓参りをするところもあります。ですが、お盆の期間中であればいつしていただいても何ら差し障りはありません。

お盆の時期以外にお墓参りに行っても大丈夫?

もちろんです。「お盆にお墓参りに行けなかったから、次のお彼岸のときに……」なんてことをお聞きしたりしますが、仏事の区切りまで待たなくても大丈夫です。お墓参りは行けるときに、参れる人がお参りしてあげてください。

そもそもお墓参りは、本来はお盆の期間に限らず、毎日でもしていただくほうが良いものです。でも現実的には毎日お参りするのは難しいですよね。ですから、気がついたとき・気持ちが向いたときに、できるだけ行っていただければと思います。

お墓参りのルール・マナーは?

明確なルールというのはありません。ですが、菩提寺にお墓がある場合、外からでも良いのでお寺の御本尊様へ「いつもお世話になっています。」と手を合わせてご挨拶をしてからお墓へ参ってください。

霊園の場合は、多くは入り口付近に観音様が祀られていると思いますので、同じように手を合わせてご挨拶をしてからお墓へお参りください。そして、お墓のお掃除(雑草を抜いたり、墓石を磨いたり)をした後に、お花とお水・お供物・ろうそく・お線香をお供えし、手を合わせてくだされば良いかと思います。

また、菩提寺や霊園の規則を確認し、しっかりと守っていただければと思います。「動物がお墓を荒らすのでお供えものは持って帰ってください」など、皆様のご先祖様のお墓を守るための規則が必ずあると思います。

お墓参りの“服装”のルールやマナーはある?

よほど奇抜な格好でなければ問題ありません。お盆の時期のお墓参りは大変暑いので、あまりマナーに縛られず、まずは身体を第一に考え、自分を守ることを念頭に考えていただければと思います。
ただ、菩提寺などの本堂にあがる可能性がある場合には、裸足では失礼ですので、靴もしくは靴下を持参したほうがよいかと思います。

お墓にはどんなお花を持って行けばいい?

お供えのお花は季節のお花が一番です。お盆期間であれば、蓮やミソハギ、高野槇などが良いかと思います。しかし、必ずしもそれじゃないとダメだというわけではありません。お花もお供物も亡くなった方の生前好きだったものをお供えしてあげてください。そのお花を通して故人の思い出が強く蘇り、より深く偲ぶことができるのではないでしょうか。