五節句

七草粥はいつ食べる?~歴史と春の七草を紹介~


七草粥

寒い日が、つづいていますね。
「ほっと吐いた息が白かった」という方も、いらっしゃるかもしれません。
お出かけの際はコートやマフラー、手袋など暖かいものを身につけて、防寒をしっかりしたいですね。
また、乾燥も気になる時期になりましたので、ハンドクリームなど保湿も忘れないようにしたいものです。

さて、今回はお正月でたくさん食べた後に、疲れた胃を休ませると言われている七草粥についてです。
実は、七草粥を食べる理由は、胃を休ませるだけではありません。
七草粥に使われている春の七草や、七草粥を食べる日についてなどを掲載しています。
そして、どうして七草粥を食べるようになったのかの歴史も掲載しているので、そちらも合わせて読んでみてくださいね。
また、おまけとして七草粥に使われているスズシロ(大根)のお花と、美味しい大根の見分け方も掲載しています。
大根を購入する際は、チェックしてみては?

◆七草粥はいつ食べる?


七草粥

七草粥は、1月7日の朝に食べることが一般的です。
冬休みの最後に食べたという方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
1月7日は「人日の節句(じんじつのせっく)」または「七草の節句」といい、日本の「五節句」の1つになります。

◆五節句とは?

先ほどご紹介した「五節句」。
知っている方もいらっしゃると思いますが、五節句とは何なのかを改めてお伝えします。
五節句とは、日本四季を彩る代表的な節句のことです。

1月7日:「人日の節句(じんじつのせっく)」または「七草の節句」
3月3日:「上巳の節句(じょうみのせっく)」または「桃の節句」
5月5日:「端午の節句(たんごのせっく)」または「菖蒲の節句」
7月7日:「七夕の節句(しちせき/たなばたのせっく)」または「笹竹の節句」
9月9日:「重陽の節句(ちょうようのせっく)」または「菊の節句」

他の節句に比べて、比較的に有名ではないかもしれませんが、1月7日は、桃の節句や菖蒲の節句と同じ5節句の1つだったのですね。

◆なぜ1月7日(人日の節句)に七草粥を食べるの?


七草粥と春の七草

そもそも、なぜ1月7日に七草粥を食べることになったのでしょうか。
ここでは、簡単にその歴史に触れたいと思います。
もともと七草粥を1月7日に食べるようになったのは、中国の行事と、日本の行事が合わさったことからと言われています。
昔、中国では1月7日を「人を占う日」として「人日(じんじつ)」と呼ばれていたそうです。
その人日(1月7日)には7種類の野菜を入れ、とろみをつけた汁物を無病息災や、立身出世を祈って食べていたのだそうです。
一方、日本ではその頃、「若菜摘み」という宮中行事が行われていました。
この「若菜摘み」は春の若菜を摘み、無病息災を願って摘み取った若菜を食べるというものです。
もう、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、ご紹介した中国と日本の行事が合わさったことから、人日の節句(1月7日)に若菜(春の七草)の入ったお粥を食べる風習ができたと言われています。

◆七草粥に使う春の七草一覧


春の七草

七草粥に入っているのは、春の七草です。
では、春の七草をすべて知っていますか?
春の七草は以下の通りです。

・セリ
セリという名前から、勝負に競り勝つという意味が込められています。
・ナズナ
なでることで、汚れを払うという意味があります。
・ゴギョウ
仏様を表すと言われていて、縁起物と言われています。
・ハコベラ
ハコベラはその名前から「繫栄がはびこる」と言われています。
・ホトケノザ
ホトケノザは、漢字で書くと「仏の座」です。
その名前からありがたい縁起物とされています。
・スズナ
スズナは、神様を呼ぶ鈴と言われています。
・スズシロ
スズシロは大根のことですが、根が白いため「汚れのない様子」を示していると言われています。
スズシロという名前も、その白さから付けられた名前なのだそうです。

「子どもの頃に、覚えていたのを思い出した!」という方も、いらっしゃるのでは?
7種類それぞれで、縁起の良い意味があったのですね。

◆意外と見たことない⁈スズシロの花

先ほど、スズシロは大根ということをお伝えしました。
大根は古名でスズシロ以外にも、オオネ、カガミグサなどと呼ばれていました。
ここでは春の七草の中でも身近ですが、意外とお花は見たことがない大根について注目してみました。

<大根のお花>

大根を食べたことはあるけれど、お花を見たことがあるという方は、少ないのではないでしょうか。
大根のお花は、白色やピンク色(紫色)があり、4月~5月に開花します。
花びらは4枚です。
この写真は、大根からお花が咲いていることが分かると思います。

大根の花

お花にアップすると、花色や花びらが4枚あることもわかるのではないでしょうか。


<おいしい大根の見分け方>


大根の見分け方

葉が付いている場合は鮮やかな緑色で、しっかりした(張りがある)ものがおすすめ。
そして、ひげ根が真っすぐ並んで生えていて、少ない方が良いとされています。
スーパーなどで売られている時は、ひげ根は取れていることが多いですが、ひげ根の生えていた跡(穴)はあるので、チェックしてみてくださいね。
また、持ってみて重みがある方が、水分をたくさん含んでいるため、新鮮なことが多いです。
持って帰るのは大変ですが、重たい大根を選んでも良いかもしれませんよ。

◆最後に


春の七草

今回は七草についてご紹介しました。
また、春の七草の1つであるスズシロに注目して、大根のお花や美味しい見分け方もご紹介しました。
七草粥を食べるという方は、今年は今までよりも7種類の野菜に注目してみてくださいね。
2024年も良い年になりますように。

 

 

2020-12-25 | Posted in , 花と文化No Comments » 

 

9月9日の菊の節句(重陽の節句)とは?


きく

今回は、菊の節句についてご紹介します。
「菊の節句ってなに?」「菊の節句ってどんなことをするの?」などまとめています。
また、ここで改めて菊がどんなお花なのかも掲載しています。
名前の由来や花言葉、長持ちさせるためのお手入れ方法も、ぜひチェックしてみてくださいね。

◆菊の節句とは?


キクの節句

9月9日は「菊の節句」です。
菊の節句は、「重陽の節句」とも呼ばれています。
3月3日の「桃の節句」や5月5日「端午の節句」と同じ「五節句」の1つです。

昔、奇数は縁起の良い陽数であり、反対に偶数は縁起の悪い陰数と考えられていました。
もともと五節句の始まりは、その縁起の良い奇数が連なる日をお祝いしたことからだったのだそうですよ。
また菊の節句では、邪気を払い無病息災を願ったりしていたそうです。

◆菊の節句には何を食べる?


菊酒

3月3日の桃の節句ではちらし寿司を食べたり、5月5日の端午の節句で柏餅を食べたりしますよね。
では菊の節句では、どんなものを食べるのでしょうか。

菊の節句では、菊を観賞しながら「菊酒」を飲むことが知られています。
こうすることで、長寿になると言われているのです。
ここで飲む菊酒は、蒸した菊の花びらと冷酒を注ぎ、菊の香りを移すように一晩置いて作られていましたが、現代では菊の花びらと冷酒を注ぎ、お酒に菊の花びらを浮かべて飲むことが多くなっているようです。

ちなみに菊の節句は、収穫時期とちょうど重なります。
そのため、菊の節句を「栗の節句」として、栗ご飯を食べてお祝いしていたようですよ。

◆菊の節句には何をする?


農家さんが育てた菊

菊の節句では、菊酒を飲んだり栗ご飯を食べたりするほかに、さまざまな行事が行われていました。
ここでは、その内容を簡単にご紹介します。
<菊の着せ綿>
菊を眺める宴である「観菊の宴」の前日に、菊の花に真綿を被せます。
当日の朝、菊の香りや露を含んだ真綿で体を清め無病息災を祈っていたそうです。

<菊枕>
菊を詰めた枕で眠ることで、邪気を払っていたそうです。
これは菊の香りが、邪気を払うと言われていたためと言われています。

<菊湯>
湯船に菊を浮かべて入浴します。
これも菊枕と同じく、菊の香りで邪気を払っていたそうですよ。

<菊合わせ>
大切に育てた菊を持ち寄って美しさを争います。
これは今のコンクールのようなイメージに近そうです。
ちなみに、今でも菊の節句の時期になると、観賞会・品評会が行われています。
気になった方はチェックしてみてくださいね。

◆菊ってどんな花?


かわいいキク

今までは菊の節句についてご紹介してきましたが、皆さまはそもそも「菊」がどんなお花か知っていますか?
ここからは菊のお花について、改めてご紹介したいと思います。
<菊の基礎情報>
菊はキク科キク属の植物です。
原産地は中国で、日本に伝わったのは平安時代と言われています。
そして江戸時代ごろから、菊の品種改良が盛んに行われるようになり、観賞用のお花として多くの人に親しまれてきました。

<花言葉>
菊全体の花言葉は、「高貴」や「高尚」などがあります。
この花言葉は皇室の家紋であり、日本の国花でもある菊にぴったりですよね。
国花とは、その国を象徴すると言われるお花のこと。
すなわち、菊は日本を象徴するお花の1つなのです。

ちなみに、菊は花色ごとにそれぞれ異なる花言葉を持っています。
赤色の菊の花言葉は「あなたを愛しています」などがあり、白いキクは「真実」などがあります。

また、英語(西洋)の花言葉は「cheerfulness(上機嫌、快活)」や「You’re a wonderful friend(素晴らしい友達)」などです。
同じお花でも、印象の違った花言葉を持っているのですね。

<菊の名前の由来>
菊の名前の由来は諸説ありますが、中国から伝わった時に「クク」と呼ばれていたことから徐々に「キク」になったと言われています。
また、「菊」という漢字は、菊の花びらが丸まるように咲いていた様子が、お米を手で丸めた形に見えることから作られたのだそうです。
確かに言われてみれば、白いキクは丸い花姿がおにぎりのように見えますよね。

◆菊のお手入れ方法~長く楽しむために~


菊

なるべく長持ちできるようなお手入れ方法をご紹介します。
菊を自宅に飾る時に、取り入れてみてくださいね。
<余分な葉を取り除く>
菊は、茎の下まで葉が付いていることも多いです。
花瓶に飾る際は、葉が水に浸からないように、下の方に付いている葉は取り除くようにしましょう。
水に葉が浸かっていると細菌などが、そこから発生し痛んでしまうこともあります。
また、余分な葉を取り除くことで、花が蒸れてしまうことをさけることもできるんですよ。

<花瓶の水は多めに入れる>
菊はたくさん水を吸う植物です。
水が無くなってしまわないように、花瓶には水を多めに入れましょう

<花瓶の水は取り替える>
花瓶の水はこまめに取り替えて、清潔を保つようにしましょう。
この時、茎のぬめりも流してあげるとより長持ちしますよ。

<花の裏側をチェック>
菊は、花の裏側から痛むことが多いです。
痛んでしまったところはなるべく早く取り除きたいので、定期的に花の裏側もチェックするようにすることがおすすめです。

◆最後に


菊のお花

ぜひ、今年は9月9日の菊の節句に、自宅に菊のアレンジメント花束を飾って、飲める方はお酒に菊を浮かべて飲んでみてくださいね。

また、菊を自宅に飾った際はお手入れをして、なるべくきれいな状態を長く楽しめるようにしてみてはいかがですか?
花瓶の水を毎日取り換えるのは、少し面倒かもしれませんが、朝のルーティーンに取り組んでしまうなど、習慣にすると少しやりやすいかもしれませんよ。

 

2020-09-04 | Posted in , 花と文化No Comments » 

 

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