ガーデニング

福寿草の花言葉とは?~正月に飾りたい縁起の良い花~

雪の中の福寿草
12月に入り、コートやマフラーが欠かせないくらい寒い日が多くなってきましたね。
今年も残すところ1ヶ月を切りました。
約1ヶ月後には2022年、新しい年がやってきます。
そこで今回は正月シーズンに飾ることの多い、福寿草についてご紹介したいと思います。
お花屋さんだけでなく、近年ではスーパーなどでも福寿草を見かけることが多くなりました。
福寿草という名前を知らなかったとしても、正月シーズンに鉢植えなどで流通している黄色い花は見たことがあると思うので、ぜひチェックしてみてくださいね。

◆福寿草ってどんな花?

春を告げる福寿草
俳句で新年の季語でもある、福寿草。
福寿草は春を告げる花としても知られています。
そんな福寿草は先にご紹介した通り、黄色い花が印象的な植物です。
ただ黄色い花が一般的ですが、福寿草には赤・白・緑などの黄色以外の花を咲かせる品種もあるようです。
鉢植えで流通していることが多く、プランターや庭で福寿草を育てているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

<出回り時期>

つぼみの福寿草
お花屋さんやスーパーなどで最も福寿草を見かけることができるのは、12月~3月頃です。
開花時期は2月~3月
正月の飾りに使われることもあるため、もちろん12月から流通していますが、中でも最も手に入れやすい時期は2月とされています。

福寿草を庭に植えてそのまま育てていくと2~3年後には、また花を咲かせることが多いようです。
あの明るく鮮やかな黄色い花を、繰り返し楽しむことができるのは嬉しいですよね。

<福寿草の花言葉は?>

福寿草の花言葉
福寿草の花言葉は「幸せを招く・永久の幸福」などがあります。
福寿草という名前からも分かるよう、古くから日本で福を招く植物として知られてきました。
正月に飾られることもある福寿草は、花言葉も縁起が良いものが多いのですね。

<福寿草の名前の由来>

名前の由来
福寿草は江戸時代に春を1番に伝える花として、「福告ぐ草(フクツグソウ)」と呼ばれていました。
その後、呼びやすくするために「告ぐ」の部分が「寿」に変わり、「福寿草」となったのだそうです。
この後から変わった「寿」は、福寿草は開花期が長いことから「長寿」の意味もあり、広く知れ渡ったと言われています。

<福寿草の別名>

黄色の福寿草
福寿草の別名は以下の通りです。

・元日草
・朔日草(ツイタチソウ)
・賀正蘭
 など

このように福寿草にはさまざまな別名があります。
別名の1つである「元日草」という名前は、福寿草が旧正月にあたる2月に花を咲かせることから付けられたとされています。

◆正月に福寿草が飾られる理由

南天の実
昔から日本では、福を招き長寿を意味するとされてきた福寿草。
日本人にとって親しみがあり、縁起の良いおめでたい花の1つです。
福寿草の縁起が良いという理由は、「幸せを招く・永久の幸福」などの花言葉もありますが、それだけではありません。
実は、南天と福寿草を一緒に飾ることによって、より縁起の良い意味を持つためでもあります。
正月のシーズンになると、飾られることの多い赤い実を付けた南天。
南天は「難転」となり「難(災い)を転じる」に通じるため、「災いを避けることができる」という意味があると考えられ縁起物とされています。
そんな南天と福寿草を合わせることによって、「難を転じて福となす」という意味になると考えられています。
この南天と福寿草の組み合わせは、古くから日本で縁起の良いものとされており、掛軸や大皿の絵柄として使われていることもあるようです。
また正月に飾られる寄せ植えとして、南天と福寿草を組み合わせたデザインのものや、庭に南天と福寿草を植えることも多いのだそう。
南天と福寿草
新年は南天や福寿草などを飾り、植物で彩りを加えてみるのはいかがでしょうか。
植物は他のインテリアとは違い、香りや色、季節感、触感など生きているものだからこそ楽しむことのできる魅力がたくさんあります。
今まで正月に花を飾ったことがないという方も、ぜひ来年は花を飾ってみてくださいね。
福寿草は花束やフラワーアレンジメントに使われる切花ではなく、先にご紹介していた通り、鉢植えとして流通していることが多い植物です。
福寿草に限らず、鉢植えは切り花よりも長持ちすることが多いので、新年は花を長く楽しみたいという方にもおすすめです。

◆福寿草は日が当たらないと花を閉じる?

福寿草の花
福寿草は日の光に当たると花を咲かせ、日が暮れたり陰ったりすることで、太陽が当たらなくなると花を閉じてしまう特徴があります。
日の光が当たらない時に花が閉じてしまう理由は、福寿草が開花する時期にあります。

福寿草が花を咲かせるのは、先にご紹介していた通り、2月など寒い時期です。
まだ雪が降ることもある時期です。
そんな寒い時期は、暖かい時期に比べて、虫があまり活動的ではありません。
そのため福寿草は花の中の温度を高めることによって、数少ない虫をおびき寄せようとしているのです。
虫をおびき寄せることで、受粉させるチャンスを増やそうとしているからなのですね。

日の光が当たらないと花を閉じてしまうのは、花の中の温度をなるべく高く保ち、子孫を増やそうとしているため。
厳しい環境に花を咲かせる福寿草が、子孫を残すための知恵の1つと花を閉じたり開いたりしていると考えると、観察してみたくなりますよね。
福寿草を自宅で育てているという方や、これから購入する予定という方は、ぜひ太陽と福寿草の花の動きにも注目してみてください。

◆福寿草には毒がある

福寿草には毒がある
福寿草を触っても害はありませんが、福寿草の葉・花・根・茎には毒があります。
特に福寿草の根や茎には、強い毒があると言われています。
そのため縁起物であり、おめでたい植物だったとしても福寿草は口に入れないようにしましょう。
この毒は人間だけではなく、猫や犬などペットにとっても有害なもののため、気を付けるようにしてください。
ちなみに誤って口に含んでしまうと、嘔吐や呼吸困難などに陥り、症状がひどい場合は心臓麻痺などに至ります。

縁起物だから口にするというよりは、フキノトウと福寿草を間違え、誤って食べる事故が多いようです。
過去には福寿草を食べて、死亡した例もあるそうなので人間だけではなくペットも注意するようにしてくださいね。

◆最後に

雪の中の福寿草
今回は、正月に飾りたい福寿草についてご紹介しました。
縁起の良い福寿草は南天と一緒に飾ると特に正月にぴったり。
今年は植物の力を使って、新年に彩りを加えてみませんか。
明るく輝くようにも見える福寿草の鮮やかな黄色が、新しい年のスタートをお祝いしてくれるはずです。

2021-12-13 | Posted in , 花と文化No Comments » 

 

鉢植えやガーデニングの基本~花がら摘み~



最近、お庭や鉢植えでお花を育てている方を多くお見掛けします。
せっかく育てているお花は、長くきれいに咲いていてほしいですよね。
そのために、欠かせないのがお花のお手入れ
今回は、お花のお手入れの基本とされる花がら摘みの方法やタイミングについてご紹介します。

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◆花がら摘みとは

「花がら」とは、しおれてしまったお花や、咲き終わったお花のことです。
そのため「花がら摘み」とは、この花がらを摘み取ることを指します。

◆花がら摘みをする理由




「咲き終わったお花を摘み取ること(花がら摘み)」は、なぜガーデニングの基本と言われているのでしょうか?
ここでは花がらを摘み取ると、「どんな良いことがあるのか」をお伝えします。

1.花付きが良くなる・より長く楽しめるようになる

花がらを残しておくと、種を作ろうとして花がらに植物が養分を送ってしまいます
そのため、これから花が咲くつぼみに必要な養分が行き届かなくなってしまうのです。
しおれてしまったお花に多く養分を送ってしまうので、植物全体の栄養が行き届かなくなり、
花がら摘みをした植物と比べると、そのままにした植物は寿命も短くなってしまいます。

2.カビや植物の病気を防ぐ

花がらは、カビを発生させたり、病気の原因になったりすることがあります。
花がらが発生させたカビや病気は植物全体に感染し、最後には植物全体を枯らしてしまうこともあります。
今きれいに咲いているお花のことなどを考えると、できるだけ早く摘み取ってしまった方がいいですね。

3.見た目がよくなる

しおれてしまったお花があるより、ない方がきれいに見えますよね。
種を採取したい時を除いて、花がらは摘み取ってしまうことをおすすめします。

こまめに取り除いてあげることで、植物の清潔な環境を保つことができます。
きれいなお花を長く楽しむためにも、花がら摘みを習慣にするといいかもしれませんね。

◆花がらを摘み取る道具

花がらを摘み取る方法には、次の2種類があります。
①手で摘み取る方法
②ハサミを使い切り取る方法
多くの植物は、ハサミで花がらを切り取ります。
しかし、茎が柔らかく手でちぎれる植物は、手で摘み取ってしまっても大丈夫なことがおおいです。
枝物や茎が硬いもの、繊維のようなものが多くきれいに取り除けない時に、ハサミを使うようにしてもいいかもしれません。

◆摘み取る部分



実は、花がら摘みには少しポイントがあります。
花がらの摘み取り方を間違えてしまうと、せっかく摘み取っても思うように栄養が行き渡らないことや、カビを発生させてしまったり、病気になってしまったりすることもあるので注意が必要です。
すぐに実践できる簡単なポイントをご紹介します。

<多くの植物>




植物が種を作る部分ごと取り除くことがポイントです。
しぼんだ花を摘み取る時は、花びらだけを摘み取ってしまうことが多いかもしれませんが、
花びらだけを取り除いてしまうと、結実して種子ができてしまいます。
そのため、花びらを取り除いても養分は種を作るために使われて、全体に栄養が足りなくなってしまうのです。
先ほどもお伝えした通り、養分が足りないとつぼみが咲かないことや、植物自体が短命になってしまうこともあります。
ぜひ、花がらを摘み取る時はガクの部分から取り除くようにしてください。

<花茎が長い植物>




花茎とは、お花だけが付いている茎のこと。
地面から生えている茎に葉などがなく、お花だけが付いている茎のことです。
具体的には、パンジーやシクラメンなどの植物があります。
このような植物の花がらを摘み取る時は、茎の根元から取り除きます
ガクから花がらを摘み取った後に、葉や他にお花が付いていない茎だけが残っていると、残っている茎にも養分が必要になってしまうのです。
茎だけになってしまったところは、観賞する部分も特になく、成長もほとんどしないと言われています。
そのため、植物の他の部分に養分をいきわたらせるためにも、必要のない茎の部分は取り除くことをおすすめします。
また、茎の根元から取り除くことで、切り口から病気になることを防ぐことができます。
ちなみにシクラメンは、しぼんだ花のついている茎を根元の近くで持ち、少しひねると簡単に取り除くことができます。
特にシクラメンは茎を途中で切り取ってしまうと、切り口からカビや病気が発生してしまいやすい植物なので、花がら摘みの時は注意してあげてください。

◆取り除くタイミング



<いつ摘み取る?>

種ができる前に花がらを摘みを行うことで、養分を全体にいきわたらせることができます。
花びらが色あせてきたころがいいタイミングです。

花がら摘みを行うのは、お花にお水をあげてからがおすすめです。
お花の種類によってですが、お水が足りないと元気がなく、花びらがしぼんでいるように見える時があります。
花がらと間違えないように、お花が元気な状態の時に花がら摘みを行うといいかもしれません。

◆最後に




今回は花がら摘みについてご紹介しました。
花がらを定期的に取り除くことで長く、きれいなお花を楽しむことができます。
花がら摘みは、
・お花が終わったら、なるべく早く摘み取ってあげること
・摘み取る位置
に注意すれば、簡単に行うことができます。
ぜひ、お庭や鉢植えでお花を育てている方は、花がら摘みを取り入れてみてくださいね。

 

2019-08-16 | Posted in お手入れの基本, No Comments » 

 

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